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アンモニアとアンモニウム(語尾変化)
NH3をアンモニアといい、NH4+をアンモニウムイオンといいますが この語尾の変化はラテン語の格変化とかと関係あるのでしょうか? 考えてみれば、陽イオンは金属イオンをはじめとして オキソニウムイオン(ヒドロニウムイオン)など-iumイオンが多いようにも思えますが 何か慣例のようなものでもあるのでしょうか? お教えください。
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- Tacosan
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命名法を調べるのは簡単だけど, 「どうしてそう命名するのか」は難しい.... すみません, (1) は何を言わんとしているのかがわかりません. というのは, 「母体となる水素化物の命名」に「元素名と同じ『-ium』をつける」ということはしていないからです. 母体水素化物の命名に使うのは, あくまでも (炭化水素と同様) -ane, -ene などです. ちと調べてみると, これらはホフマンという化学者が提唱したものが現在まで使われている模様. 母音の順序として a→e だから, それぞれ単結合及び二重結合を表すものとして使われているのかもしれません. ane, ene などの使い方は有機/無機ともに同じです. -ium という語尾はギリシャ語の -ion が変化したもののようで, 指小辞 (「小さい」「少し」などを表す) として使われています. ラテン語由来の学術語ではしばしば使われているので, あまり考えずにつけたら被っちゃったとかじゃないでしょうかねぇ. ただし, 母体水素化物の名称はかなり苦労して付けているので, H^+ を付けて 1価の陽イオンにしても (「金属としての名称」を含む) その他の名称と重複することはありません. 例えばアルミニウムでは Al: aluminium AlH3: alumane AlH4^+: alumanium となり, ぎりぎりかわしています. インジウムにいたってはどうにもならなかったため, 名前の由来であるインディゴを使って indigane としています. あと, H3O なり NH4 なりですが, これらは H^+ または H^- を付けたイオンか, そうでなければ H 原子を付けたラジカルになります. でラジカルとすると, 無機命名法では (「H の除去」しかないので) それぞれ λ^4-oxidanyl 及び λ^5-azanyl と呼ぶことになるでしょう (λ を付けて指定した数の水素を持つ分子をつくっておき, そこから H を除去する). 一方現在策定中の有機命名法では「H の付加」を表す語尾 -hydryl を使って oxidanehydryl, azanehydryl と呼ぶこともできそうです.
- Tacosan
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直接的には IUPAC (や IUPAP) の命名法. 陽イオンの命名法にもいくつか種類があるんだけど, 1種類の原子 (の集合) が陽イオンになる場合は「原子数+元素名」という形を使う. たとえば Na^+ なら「sodium」だし, O_2^+ なら「dioxygen(1+)」とする (後者の例の「(1+)」は全体の電荷). で, 金属元素では -ium で終わるものが多い (現在の IUPAC/IUPAP 命名法では「元素の名前は -ium で終わる」ことになっているので, この規則に従えば今後命名されるすべての元素が -ium という語尾を持つ: Uuq=floverium, Uuh=livermorium など) ので, この形を使えば陽イオンは必然的に -ium で終わることになる. 一方「オキソニウム」の方はこれとは違って, まず「母体となる水素化物」を考え, それに対しいろいろな操作をして得られたという考え方をする. たとえば oxonium H_3O^+ はその母体水素化物 H_2O に対しヒドロン H^+ を追加したと考え, H_2O oxidane に「H^+ の追加」を意味する語尾 ium をつけて oxidanium が現在の無機命名法における系統名. oxonium は慣用名. ammonium NH_4^+ も慣用名で, 系統名としては NH_3 azane から azanium とする. ちなみに「H^- の除去」は ylium で表すので OH^+ なら oxidanylium. やるやつはほとんどいないだろうけど H_2O は形式的に「酸素に 2個の水素が配位した」と考えることもできるので, 配位化合物だと思えば ・OH^+ = [OH]^+: hydridooxygen(1+) ・H_2O = [O(H)_2)]: dihydridooxygen ・H_3O^+ = [O(H)_3]^+: trihydridooxygen(1+) と呼ぶ.
補足
回答ありがとうございます。 「何故そういう命名法なのか」という奥底に流れるものを知りたいので 次の補足にできたらお答えいただけると幸いです。 (1) 母体となる水素化物の命名に元素名と同じ「-ium」をつけることのメリットは何でしょうか? 元素名と化合物名に同じ語尾を付けるとわかりにくくなりそうな気もしますが…。 (2) 水素化物の名ということは、イオンでないH3OやNH4という物質(極めて不安定とは思いますが、 命名することはありますよね?)の名前は「オキソニウム(ヒドロニウム,オキシダニウム)」や 「アンモニウム」になるのでしょうか? (3) そういえば水やアンモニアの正式名はoxidaneやazaneでしたね。「ane」の語尾は何か法則性があるのでしょうか?