金銭の定義ははっきりしません。
通貨というと広義になるので、金属の貨幣ということに
します。 コインですね。
貨幣については、漢字圏では字の通りもとは貝です。
1.中国では古く寶貝などを貨幣として使いました。
殷~周代(BC 約1000年位まで)
周から春秋戦国時代にかけ、寶貝を模した「貝貨」が登場
します。 土、石、銅製のほか貝に金メッキ?したもの
など出土しています。
これらは糸でつなぎ十個つないだものを「一朋 いちほう」
といいました。
王が臣に褒美として与えたと刻まれている銘文があり、
貨幣のように使用されたと考えられます。
しかし貨幣であることを示すしるしがなくコインとは呼べない
でしょう。
コインと言えるのは BC 660年位の斉の国の「刀貨」と
か「布銭」とよばれるもので、権威や用途を表す文字、記号
が刻印されその資格を備えたものです。
一説には布銭は既に西周(~BC 770年)の時代に鋳造が
始まったと言われ、確かなら、これが世界最初のコインになります。
2.西方の諸国では、歴史の父と言われるギリシャのヘロトドス
が「世界最初の金貨鋳造はリュデイア王国である」と書いたのが
現代の通説になっています。
リュデイアは王国は小アジア(今のトルコ)で BC 700年近くに
誕生したようで、最初のギュゲス王の金銀合金貨が発掘されて
いますが、最古のコインとは確認されていません。
このコインはギリシャに伝わり、ギリシャ金、銀貨となりさらに
ペルシャを経てインドにも伝わりました。
一方西へ行きコイン大国のローマ金貨から欧州全土に広がり
ました。
小国から始まったのには元があります。
オリエント文明発祥の地メソポタニアの BC 1800年ころの
ハンムラビ王の法典(楔形文字)には、医者の報酬は銀
10シクル、労働者には1日銀6シェ、離縁手切れ金には
1マヌーというような条文があるそうです。
商業行為に金、銀、鉛をその量で支払う法制化があったのです。
アッシリアも同様とのこと。
一定量の重さと形の金属塊が発掘されており、中には女神の像
が刻まれたものもあるので、調査によってはヘロトドスの話も
覆るかもしれません。
もうひとつの文明古代エジプトはなぜか、金属貨幣は発明され
ませんでした。
BC 1500年ころの話と思いますが、収穫した麦を倉庫に預け
保管証をかねとして商取引に使っていて、これが続いたたそうです。
貨幣はずっと後年に、ギリシャ王朝になって、ギリシャから導入
しました。