以前医療に携わっていたのですが、告知に関してはいまだに賛否両論ですよね。ただ、乳がんなど外見に変化が伴う場合や子宮ガンなど繁殖能力に関わるものに関しては、告知の方向が多いようです。告知は、医師によっても判断が違うことが多いです。よく患者の性格を判断して・・などといいますが、果たして数回の接触で性格を把握するのは難しいことですよね。
実際のデーターというわけではないのですが、実際私の病院であったケースです。
・元大学病院の教授まで勤め上げた医師が、癌告知をしたとたん暴れ狂い、数日後には、飛び降り自殺をしました。
・家族の意向で告知をしなかった患者さんが、遺書に告知をしてくれなかった恨みつらみを家族と主治医にむけて、切に書いてあったそうです。(本人は気づいてたが、嘘をつきとおされていることに傷ついたそうです)
ほかにも告知をせずに家族が励ましつづけ、宣告された余命よりもはるかに超える年月を生き抜いた患者さんや、癌を疑い、深夜のスタッフのいぬまにNSステーションに
カルテを見に入り込む患者さん・・などなど色々な方がいました。
知り合いの医師は、「告知をしてしまうと、ネガティブになり生きる気力を失ってしまい、病気にくわれる患者が多いから告知には反対。患者さんは 癌かもしれないとわかっていても、医師が否定することによって数%の望みを持つことができ、それが生きる威力につながる」といってました。
たしかに「私は大丈夫ですから、すべて話してください」といい、実際告知されると 大丈夫じゃない状態になることが多かったのは事実です。もちろん 真摯にうけとめ、静かな余生を送られるかたも大勢いますけど。
人間というのは、健康であるときは「告知してもらい、残りの人生をまっとうしたい」と思うものですが、いざその岐路にたされると、なかなか冷静にはなれないものです。
告知に関しては、メリット・デメリットを明確にできる問題ではないと思いますが、なにはともあれ生きていられる喜びをかみ締め、流されず一日一日を充実した生活をおくることが大事だなあって数多くの死をみてきて考えさせられました。
お礼
お礼が遅くなってしまって申し訳ありませんでした。 すごく詳しいご回答ありがとうございます! 下から5行目に、「人間というのは~冷静にはなれないものです。」とありますよね。私も、「ガンにかかったときはちゃんと告知して」なんて家族に言ったりしますけど、実際ガンになったらそう冷静にはなれないかもしれませんね。 大変参考になりました。ありがとうございました!