(1)物質の増減。平衡が右へ移動する向きの反応に着目するわけですから、SO3が消費されて、SO2とO2が生成する向きへの移動です。
・生成物(SO2、O2)の量を減じる(系から取り除く)。
・反応物(SO3)の量を増やす(SO3を追加する)。
の操作が、目的に合った操作になります。
(2)反応の環境。圧力、温度などの反応槽内の環境条件を考慮します。
・圧力を考慮するときには、気体分子に着目します。
同温同圧同体積の気体は、同数の気体分子(同じ物質量の気体分子)を含む(アボガドロの法則)はずですから、一定の温度、定体積の反応槽ならば、気体の物質量が増えると圧力が高まります。
さて、本平衡で、反応が右へ移動すると気体の物質量が増えます。つまり、圧力が高まるわけです。この傾向を緩和すると良いわけですから、圧力を小さくすると良いことになります。
・本平衡で、反応が右へ移動(吸熱反応が進行)すると、系の温度が低下します。この変化を緩和するには、外部から熱を与えてやれば良いことになります。
再度まとめると
SO2やO2を取り除く。
SO3を追加する。
圧力を低くする(反応槽を膨張させる)。
熱を与えてやる(加熱する)。
本スレッドの主題は、平衡状態になっている系を"移動"させることですから、上述で解決していると考えますが、平衡の"ズレ"を主題に据えての議論がありましたので、それについて考えてみました。たとえば、温度・圧力を変化させずに、SO3を追加して、新たな平衡に達したとき、平衡はズレていないか? を考えてみます。
同温同圧ですから、平衡定数Kの値は変わらないはずです。
初めの平衡時に、SO3,SO2,O2がそれぞれα,β,γ[mol]ずつ有ったとします。これに、SO3をδ[mol]追加して、その中のσ[mol]が分解して、新たな平衡に達したとします。新たな平衡状態では、SO3,SO2,O2は(α+δ-σ),(β+σ),(γ+σ/2)になっています。
平衡定数Kは
K=(β^2)・γ/(α^2)=((β+σ)^2)・((γ+σ/2)^2)/((α+δ-σ)^2)
となります。この関係式からは
α:β:γ=(α+δ-σ):(β+σ):(γ+σ/2)
の関係は成り立ちません(任意のα,β,γに対して、δ=σ=0でなければならないのは明らかです)。
これは、物質量の比率が、SO3の投入で変化することを意味します。言い換えれば、平衡がズレたと言わざるをえません。
お礼
簡潔に答えていただきありがとうございます