反制定法的解釈とは、民法典その他の制定民法のある条文の規定内容に反するが、形式上その条文と無関係な形で論理的に成り立ちうるように構成された解釈のことです。
例えば、未成年者の法律行為の取消しについて考えてみます。おそらくご存知だとは思いますが、民法第5条に、未成年者が法定代理人の同意なく単独でした法律行為については取消す事ができると定められています。
民法第5条
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
では、未成年者が単独でした法律行為を、単独で取消した場合に、その取消しを取消す事ができるのか?という問題があります。
法律行為の取消しも、法律行為に他ならないために、同条の規定によれば、取消す事ができるはずなのですが、これはできないと解釈されています。取消しの取消しを認めると、相手方の地位が不安定になり、法律関係が複雑になるし、また未成年者にとっても取消しは自らがした法律行為を白紙に戻すだけのためにそれほど不利益はないと考えられることからです。
この解釈は、民法第5条の規定に反するものですが、第5条とは無関係な形で論理的に成り立つよう構成されており、反制定法的解釈と呼ばれるます。
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詳しい回答ありがとうございました。感謝いたします。