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放射線エネルギーの熱エネルギーへの変換

放射線が物質に吸収されるとそのエネルギーが熱エネルギーになるという話を聞きますが(崩壊熱というようです)、実際にはどのような過程で放射線のエネルギーが熱エネルギーになるのでしょうか?ガンマ線は光電効果やコンプトン効果で電離を引き起こすということはどの教科書にも書いてあるのですが、ガンマ線が熱エネルギーに変換される過程についてはどこにも書かれていません。β線についても同様で、電離や励起については書かれていますが、熱エネルギーへの変換についてはどこにも見あたりません。放射線の持つエネルギーがどうやって熱になるのかを原子レベルで教えて頂けると幸いです。よろしくお願い致します。

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  • kagakusuki
  • ベストアンサー率51% (2610/5101)
回答No.3

 α粒子やβ粒子は質量を持った粒子ですから、運動している場合には運動量を持っています。  一方、γ線の粒子は光子です。  光子には静止質量はありませんが、運動量はあります。 【参考URL】  運動量 - Wikipedia > 6 量子論   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E5%8B%95%E9%87%8F#.E9.87.8F.E5.AD.90.E8.AB.96  つまり、放射線の粒子は何れも運動量を持っているという事です。  従って、放射性物質の原子核が放射線の粒子を放出すれば、反作用の法則や運動量保存の法則からも解る様に、運動量を持つ粒子を放出した反動で、原子核には、放射線粒子の運動量と大きさが等しくて、反対方向の向きを持つ、運動量ベクトルが加わります。 【参考URL】  運動量保存の法則 - Wikipedia   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8B%E5%8B%95%E9%87%8F%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87  又、原子や原子核が放射線の粒子を吸収すれば、放射線を吸収した原子は、運動量保存の法則から、放射線粒子が持っていた運動量を得る事になり、その結果、運動の速度ベクトルが変化します。  例え吸収しなくとも、原子に衝突した事で、放射線粒子の運動方向や運動速度が変化すれば、放射線粒子の運動量ベクトルが変化する事になりますから、その反作用で衝突された原子も運動量を得て、運動の速度ベクトルが変化します。  又、α粒子やβ粒子は電荷を持つ粒子ですから、その周囲には電界が生じていて、周囲の電子や原子核との間に電気的な力が働いています。  このため、α粒子やβ粒子は原子に衝突しなくても、周囲の電子や原子核の運動を変化させます。  常温における原子や分子が持つ1個当たりの熱エネルギーが、放射線粒子の持つ運動エネルギーと比べて、非常に小さい事からも想像出来ると思いますが、常温における原子や分子が持っている運動量は、放射線粒子の持つ運動量と比べて非常に小さいため、放射線粒子の影響で原子や分子が運動が変化した場合、大抵は運動速度が大きく増す(弾き飛ばされる)事になります。  こうして弾き飛ばされた原子は、他の原子と衝突を繰り返して、持っている運動エネルギーを、他の原子にも伝えますから、他の原子の運動速度も増加する事になります。  熱エネルギーとは、原子や分子が持つ統計的な運動エネルギーなのですから、物体中の多くの原子や分子の運動速度が増加すれば、その物体が持つ熱エネルギーも増える事になります。

  • sanori
  • ベストアンサー率48% (5664/11798)
回答No.2

こんにちは。 電離が起きると、その次に、どっかから電子をもらって元に戻ろうとします。 励起が起きると、基底状態に戻ろうとします。 戻ろうとするとき、電子や原子核が振動したり、光を出したりします。 ミクロの振動は、すなわち熱です。 また、光とは、すなわち、ガンマ線やエックス線と同じ仲間である電磁波であり、電子レンジに使われるマイクロ波と同じようなものであり、結局、原子を振動させることとなります。日光に当たると温度が上がるのも、同様と考えてかまいません。 崩壊熱に限らず、運動エネルギーは、最後の最後に、ミクロの振動(熱)か電磁波(光)に変換されると考えてください。 ちなみに、トンカチで釘を打つと釘が熱くなり、物と物をこすると熱くなり、人工衛星が地上に落ちる前に燃え尽き、電線の中を電子が走ると熱くなり・・・・・これら全部、物体の運動エネルギーが熱に変わったものなので、結局、崩壊熱と似たようなものなのです。 物体の振動ではない光のエネルギーも、熱の一種です。 ビッグバンのエネルギーの余った分が赤外線として今の宇宙のどこの場所にも等しく残っていて、これを「宇宙背景放射」と言いますが、電磁波の姿のままで「熱」として扱われます。 反射型石油ストーブをつけていると、ストーブの側に向けたお腹が熱くなり、背中は熱くなりませんが、これは、石油ストーブから赤外線が出ているからです。石油ストーブを出発してから人体に当たるまでの途中では「振動」ではなく「電磁波(赤外線)」の形態の「熱」になっています。

回答No.1

ガンマ線そのものが光子(量子)であり、エネルギー自体です。 「熱エネルギー」という場合、その対象が分子や原子である 場合が多いので、そうした構造と相互作用する特定の波長を 「熱線(我々の目にする有機物スケールでは赤外線)」と呼びます。 つまり、原子であれば、その最外殻電子を励起し、分子なら、 その分子構造を振動(分子運動=熱)させる波長。 アルファ線(ヘリウム原子核)やベータ線(電子)も、最終的に 対象にぶつかってエネルギーを与える時には、電磁的反発= 量子(光子)相互作用します。

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