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善意の不当利得と悪意の不当利得の違いとは?
教えてください。 通勤手当が無支給範囲の人間の給与に通勤手当1000円が支給されています。 本人(以下A)同条件を承知して8ヶ月受給していました。 A曰く 「支給ミスだと会社が指摘すれば返します。 そうでなければ私からは確認等はしません。 前の会社では通勤手当が出ない場合補助手当てが出たので その類だと思ってもらっているし、 給与として振り込まれている限りこちらから要りませんとはいいません。」 Aには、会社側がミスを見つけ返還要請があれば返還する気持ちはあるようですが 自分から「補助金かどうか確認する」意思は無いようです。 こういう状況でのAの立場は「善意」の不当利得なのか、「悪意」の不当利得なのか、 どちらと捉えるのが正しいのでしょうか? この金額はAのみ支給されており 人事の入力ミスの可能性が高いようです。
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判例では、悪意の受益者とは法律上の原因のないことを知りながら利得した者をいう、とされています(最高裁昭和34年(オ)第478号同37年6月19日第三小法廷判決)。また、「法律上の原因の有無は法的な評価にかかわる問題であるから、単に法律上の原因のないことを基礎付ける事実を認識しているだけではその者が悪意の受益者に当たるということはできず、そのような事実の下では法律上の原因がないものと評価されることまで認識していることを要すると解される」、とされています。 今回の件はなかなか難しい判断ですが、無支給範囲であると分かっていただけでは足りず、ミスで給付していたことまで認識していないと「悪意」とはいえないのではないでしょうか。会社の判断で本来は資格がないけど支給する、ということが全くないとは言えませんから。 なお、悪意の受益者は、利息をつけて不当利得額を返還しなければならないとされています。善意の受益者は不当利得を現存する限りで返還することになります。善意であれば全く返還しなくていい、という訳ではありません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 法律の文章というのはなかなか理解しにくく質問させていただいたのですが、 今回の場合は本人に特に悪意が無ければ返還さえすれば問題は無い、というところでしょうか。 本人に返還の意思はあるようなので後は会社側の判断ですね。 大変参考になりました。 お忙しいところお時間を割いて頂きありがとうございました。