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いけなかないか
新聞なんか読ましちゃいけなかないか 夏目漱石「こころ」の文です。「新聞なんか読ましちゃいけないじゃないか」というのが普通だと思いますが、「いけなかないか」という表現は昔聞いたことがありません。どなたか教えてくださいませんか。お願いします。
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「いけなくはないか」の「くは」(kuwa)を速く発音してみてください。「か」(ka)に聞こえませんか? kuwa→kwa→ka なのですよ。 似たような(?)ことですが… 「会社」の旧仮名は「クワイシャ」(kuwaisha) kuwaisha→kwaisha→kaisha→カイシャ
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- thegenus
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小説「こころ」の文脈を知りませんが。 >「新聞なんか読ましちゃいけないじゃないか」 これは「読ませたらダメだろう」の文意にとられます。物語上それで宜しいのでしょうか。 「新聞なんか読ましちゃいけないじゃないか」は悪いと断定しています。教育的です。 「いけなかないか」はちょっと違う、含みのある表現ですよね。 断定できない課題の意見表明において 「新聞なんか読ましちゃいけなかないか、別にいけなかないか」 という含みと逃げ場のある修辞でしょう。 それを基本にして、威圧的に同意を求める修辞にもなります。 「新聞なんか読ましちゃいけなかないか」 には、さあ、どっちなんだい、文句があるなら言ってみろい、という勢いがあります。 相手が同意しなければ「へえいいんだ。あっそう、いいんだ。しらなかったねえ」と俺は言っちゃうぞと匂わしながら意見表明しています。 首を横に振ってみろこの野朗という脅し文句にも使える表現です。 「いけなかないか」の意味はいいのですが、てきとうに読み起すと「池中内科」にも聞こえます。言いやすい音ではないから、読者が読む上では難があります。 今日でも勢いでしゃべって「いけなかないか」になることはあります。勢いでそのまま書いた台詞でしょう。映画になれば違和感がなくなると思います。 小説とはそもそも芝居を見るように軽快に読むものだったのかも知れません。 活字の 「新聞なんか読ましちゃいけなかないか」 の自然さは読み方次第です。良くも悪くも東京っ子風を吹かせているのではないでしょうか。 マスコミである新聞なんか読んだら目にも頭にも悪かないかと私は思いますが、 夏目漱石の「こころ」はそもそも新聞の連載小説ですよね(笑)だから読者にも問いかける、サービスのギャグだったのかも。
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丁寧なご回答ありがとうございます。たいへん参考になりました。
- jingooo
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さだまさしさんの「案山子」という歌で「寂しかないか」という言い回しが「寂しくはないか」という意味で出てきます。 今となってはあまり使わない言い回しかもしれませんが特別めずらしい言い回しではありません。
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早速のご回答ありがとうございます。参考になりました。
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勉強になりました。ご回答ありがとうございます。