板の場合ですと、表面・端面・裏面にほぼ同じように電荷が溜まっています。端面はちょっと事情が違うのですが、理解するには問題ないので、同じようだと考えて構いません。
この電荷というのは、余計に溜まった電子のこともあれば、原子核の周りにある電子が不足した状態のこともあります。
分かりやすさのため、電子が余計に溜まっているとして考えを進めてみましょう。
この電子は小さいものに溜まった弱い静電気でも非常にたくさんあります。電子同士は同じマイナスの電気で、同じだと反発しあいます。
反発しあう結果、電子は等間隔に並びます。もしそういう等間隔より近い電子二つがあれば、その電子同士の間に働く反発力が強く、それらの反対側からかかる他の電子の反発力が弱いため、すぐに離れて、結局は全ての電子が等間隔に並びます。
これらの電子が、塩ビ板の表面と裏面にびっしり等間隔に並んでいるわけです。表面の一部でもいいので、この電子を塩ビ板から取り去ってやるとします。仮に丸く取り去るとしましょうか(四角でも三角でもなんでもいいんですけど)。
すると、電子が丸く取り去られた周囲にはまだ電子があるわけですが、丸く取り去られた部分からの電子の反発力はなくなっていますが、その反対側からは反発力が掛かっています。
すると、丸く電子を取り去った部分の周囲から、次から次へと電子が流れ込んでいき、また前よりまばらですが、やはり電子が等間隔に並んだ状態になります。表も裏も等間隔です。
これを何度も繰り返したら、まばらの度合いが増していき、ついには余計に溜まった電子が無くなり、静電気も消えます。
表面だけ静電気を取り去ろうとすると、上記のような感じで、裏面も丸ごと静電気の素になっている電子を取り去ることになるわけです。
ですから逆に、表面だけ静電気を消して、裏面だけ静電気を残すことはできないのです。常に表裏平等に静電気があるか、無くなってしまうか、どちらかしかできないのです。
ちなみに、電子が不足して静電気がある場合も同様です。このときは、電子を与えて行くのですが、部分的に与えても、上と同じような感じですが、原子あるいは分子でもいいですが(これも等間隔)、電子の足りなさが等間隔になるよう散らばって行きます。
余談ですが、静電気は尖った物に溜まりやすい性質があります。これをうまく使ったのが避雷針だったりします。
お礼
わかりやすい説明ありがとうございます。 ということは、何種類かの界面活性剤の効果を実験しようと思ったら、その種類の数の塩ビ板が必要になるということですよね? 実験方法を変えてみます。