- ベストアンサー
ロケットはなぜ猪突猛進なのか?
かなり初歩的な事かも知れないのですが、わかりません。 宇宙に飛ばすロケットは、なぜ物凄い勢いで飛ばさなければならないのでしょうか? たとえば、飛行機のように徐々に上昇していって、牛歩戦術で宇宙空間に出ることは不可能なのでしょうか?
- みんなの回答 (11)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
地球上の物体は地球の万有引力である重力を受けています。ですからロケットが空中に浮いているためには常に重力に等しい推進力を出し続けなければならないのですが、それには燃料が必要です。その燃料は永久的に必要ということになるのですが、無限の燃料をロケットに積むことは不可能です。そこで、燃料が尽きたときに一定以上の速度を与えることができればそれで地球の周りを回ることができます。その速度が約秒速8kmなのです。これは時速200kmの新幹線のスピードが秒速約56mですから、それのの140倍のスピードということになります。だから猛烈な勢いで飛ばさなければならないというわけです。 ただ、一旦地球の周りを回ることができればそこから離脱するには牛歩戦術で徐々にスピードを上げていけば地球の引力圏が離脱することができるのですよ。ですからハヤブサはイオンエンジンという、出力の小さなエンジンでいとかわまで往復できたのです。
その他の回答 (10)
- foomufoomu
- ベストアンサー率36% (1018/2761)
燃料の節約のためです。 ロケットの重量は、90%以上が燃料の重さなので、燃料を節約することは、ロケットの大きさの節約にもなりますし、軽くなった分さらに燃料の節約になります。 ロケットが、地球の引力圏を脱出した後は、慣性でずっと飛び続けることができるので、その状態に入ったら、目的地近くで逆噴射するまでメインエンジンは使いません。どれだけ飛んでも燃料を使わないのですから、燃料節約になります。 このときは、ほぼ等速度運動になるので、それまでの速度が大きいほど、目的地に早く着きます。(酸素等の節約になります) また、引力圏内では、ロケットの推力Fに対して地球重力gがありますから、実際の加速に有効な力はF-gになります。Fがgより小さければ加速しません(飛ばない)し、gより少し大きい程度では大部分がgに吸い取られている感じで無駄が多く、Fはgより十分大きくするのが効果的なのです。 というわけで、ロケットは、最初の段階でうんと加速し、あとは惰性で飛ぶのでした。
お礼
なるほど、燃料の問題があるわけですね! ありがとうございました!
- joshua01
- ベストアンサー率66% (222/333)
こんにちは。素朴ながら楽しく、かつ、奥深い質問ですね。私も混ぜてください。 質問者さんのご指摘の点はごもっともです。すでにいろいろ回答が集まっているようですが、実は科学者もみんな悩んでいる問題なのですがなかなか良い方法がなく、仕方なく一気に打ち上げている状況のようです。次のような答えはいかがでしょうか。 ポイントは、「空中に浮かすだけで莫大なエネルギーを使ってしまうから、さっさと無重力に行ってしまいたい・・・」 ロケットは本当に猛烈な噴射をして猪突猛進・猛加速していますよね。もうちょっとのんびり上がっていけば乗り心地もいいのに・・・。 実は宇宙研究の科学者や通信会社にとっても、科学測定器や4トンにもなる高価な衛星が故障する大きな原因としてあの加速が問題になるので、ぜひ「ゆっくり」上がってほしいし、ロケット会社もその要望にこたえるように努力はしています。しかし・・・ さて、あの噴射、実は次のような3つの意味を持っているのはご存じでしたでしょうか。 (1) 上(宇宙)に行く 当たり前ですよね。空気抵抗のない高さの例として、国際ステーションで高度約400km。いわば、人工衛星に高さ400km分の「位置エネルギー」は与える必要があります。でもそれだけならゆっくりやればいいですね。だって、旅客機が高度10000m(10km)に行くのも20分もかけてゆっくり上るのですから。 (2) 加速して、落ちてこないような「軌道」に載る 実は、ただ上にに行っただけではだめです。地球の重力が明確にわかるほど弱くなるのは数万km以上遠くであり、400km程度ではほとんど重力は弱まっていないのでエンジンを止めるとすぐに落ちてきてしまいます。 衛星が落ちてこないのは、真横に高速で移動して「見かけ上の無重力」になっているから。 この原理は難しいですが、例えば、東京から太平洋に向けて大砲を撃ったとき、強力に打ち出すほど遠くへ飛びますよね(砲身から出た後は運動は「自由落下弾道」であり、大砲の弾の中では無重力になっています)。強く撃てばハワイまで飛び、もっと強力に撃てばアメリカ本土まで飛び、さらに強力に撃てばアフリカまで、さらに強力に撃てば東京まで戻り、さらに強力ならさらにハワイまで・・・。このとき、空気抵抗がなければ、とうとう地面に落ちることが出来ずにぐるぐる回り続けるのが「周回軌道」(無重力軌道)です。 もっともこれは、本当の意味では「無重力」ではなく「重力と運動経路のバランスがとれている」とでも言うべきで、この軌道のための横向き速度は秒速約10km(時速3万キロ以上)必要と計算されます。4トンもの衛星を時速3万キロ以上に加速するためには、膨大な噴射が必要なのはご理解いただけるでしょう。実は、上に向けて打っているように見えるロケットですが、横向きに加速するために相当の噴射力を使うのです。 (3) 浮いているだけでエネルギーを使う。 たぶんお気づきでしょうが、(1)も(2)も、それだけならゆっくりやればいいはずですね。その分だけ、機械にも人間にも負担は少なくなります。 ところが、意外に困るのが、基本的な「浮かせるだけの無駄エネルギー」。ロケットやジェットの噴射で重いものを「浮かせる」(支える)場合には、台やロープで支えるのとは異なり、地面ぎりぎりで浮いているだけ(位置エネルギーを与えていない)でも一秒ごとに膨大な燃料が必要となります。上に行くのがゆっくりであるほど、「支えるだけのための無駄なエネルギー」が増えてしまいます。 そこで、一秒でも早く必要な高さに到達し、一秒でも早く横向きに加速することにして、何はともあれ猛烈に噴射する・・・ということでしょう。 (他の方がご示唆された「軌道エレベータ」は、まさにこの「支える無駄エネルギー」の問題を解消するための提案です。) でも、あれ?、これまたお気づきですよね。「浮かせるための力が無駄になる」問題なら、飛行機だって問題でしょう?・・・・ 実は飛行機も似たような問題は抱えています。しかし、飛行機には大きな味方がついています。それが「空気」です。空気は、「翼に当たる風」の形にすると、強力な「台」(緩い斜面)として働きます。これはまさに質問者さんの「螺旋階段」の例と言って良いでしょう。真上に行くロケットであれば100tの重さに対して最低100tの噴射力が必要ですが、飛行機はこの「斜面状の台」のおかげで100tの重さに対して20tくらいの力で横向きに噴射してやれば浮いていられるだけでなく、20tの力さえも横向きの移動に役に立つので問題が目立たないのです。 でも、あれ?、またまたお気づきですよね。それなら、ロケットだって、一度飛行機に乗せて浮かせながらゆっくり上ればいいじゃないか・・・・ そのとおりで、他の方のご示唆にもあるように実際に何度かチャレンジもされています。ところが、結局あまり役に立っていません。それは、考えても見れば当たり前で、空気を「台」として使えるのはせいぜい20000m(20km)くらいまで。例に上げた400kmに対してさえわずか5%です。それだけのために飛行機を別に用意するのも金がかかるだけなので、結局、「さっさと上がり終わるように、猛進する・・・」というのが現在の状況です。 さてさて、いささか長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。 お役に立てば幸いです。
お礼
とても勉強になりました ありがとうございました
- nzw
- ベストアンサー率72% (137/189)
ゆっくり上昇するということは、高高度になってもロケット噴射しているということですよね。その場合、高高度でつかう燃料を持ち上げるために、余計に燃料が必要になります。 燃料効率という点では、低高度で燃料の化学エネルギーをさっさと運動エネルギーに変換してしまって、持ち上げるのは必要最小限の物だけにしてしまう方がいいのです。もちろん中身(衛星やら、人間など)がつぶれないように、有る程度加速度は制限しないといけませんが。
お礼
なるほど、ありがとうございました!
- mmmma
- ベストアンサー率41% (683/1636)
>重力に逆らうというよりも、螺旋階段みたいな感じでオラオラと昇っていくことは不可能なのでしょうか? 宇宙に行くことはできます。 そういう考え方のものに「軌道エレベーター」というものが考えられています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%81%93%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF 問題は宇宙空間に、どうやって居続けるかです。 ロケットの場合は燃料がなくなれば、重力を打ち消す力がなくなるので、落ちてきます。 落ちないために、重力と遠心力がつりあうスピードまで加速する必要があるのです。 軌道エレベーターの場合、ケーブルにぶら下がって重力を打ち消しているので、宇宙空間にとどまっていられます。
お礼
軌道エレベーター、面白いですね! これがもしかすると、レーザー光線だとか、そういうもので可能になるかもなど、想像してしまいました。 ありがとうございました。
- gsx_rider
- ベストアンサー率40% (53/130)
物体が重力を振り切るには エスケープベロシティ」(=脱出速度(第二宇宙速度)) という速度が必要なのです とても長い説明になるので割愛しますので これ読んで下さいね http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E9%80%9F%E5%BA%A6
お礼
重力の問題というのが案外わからず、参考になりました。 ありがとうございました。
>飛行機のように徐々に上昇していって、牛歩戦術で宇宙空間に出ることは不可能・・・ という考えは、50年も前に既にありました。スペースプレーン構想という奴です。飛行機として行ける高度まで行って、そこから先はロケット推進に切り換える、という発想です。この前、アメリカのベンチャー会社が試作機を飛ばしましたが、宇宙空間にいれる時間は、数10秒だそうです。スペースプレーンは、まだこの段階です。日本には、HOPE計画があります(あったかな?)。 飛行機とロケットは土俵の違う技術です。飛行機は紙飛行機の延長であり、ロケットはロケット花火の延長です。一方は飛ぶ技術、もう一方は打ち上げる技術。スペースプレーンはハイブリッド(雑種)になります。 ハイブリッドは「良いところ取り」のために行われますが、異種の技術である以上、裏では「悪いところ取り」も必然的に起きます。一般にある技術が供用可能であるためには、実現性,安全性,利便性,経済性(持続可能性),快適性をクリアしなければなりません。 航空機は、これらを高いレベルでクリアしていますが、安全係数は1.0程度という極限設計になっています(軽量化必須なので)。大抵の乗り物の安全係数は1.5以上あり、フライトのたびに点検が必要な乗り物など、航空機くらいです。それでも事故確率が車以下というのは、安全度1.0を死守する機体内外の厳重なフェイルセイフ機構のサポートのおかげです(事故ったら全滅だから)。 一方、現状のロケットは、同じ軽量化の極限設計でも、実現性のクリアで手一杯です(極論すると宇宙にとどくだけの使い捨て・・・)。スペースプレーンはそういう物を、厳重なバランスの上に成り立っている飛行機技術に取り込まないと、実現しません。思ったほど簡単ではない訳です。 先日打ち切りになったスペースシャトルは、スペースプレーンの先駆けで、復路のみスペースプレーン化したものだと言えます。打ち切りの原因は主に、安全性と経済性でした(他はとても優秀です)。100回のフライトで2回の事故では、危険すぎます。しかもこの場合も、事故ったら全滅は航空機と同じです。シャトルの安全性を航空機なみにするフェイルセイフ機構の開発や維持は、経済的に無理でした。抜本対策は基本設計の見直しですが、これは「打ち切り」と同じです。 という訳で、もう少し待ちませんか?。理屈の上では出来るはずだし、スペースシャトルの「乗り心地」は、ちょっと激しいジェットコースター程度という事なので・・・(^^)。
お礼
ありがとうございました!
補足に対するお答えです。 ロケットには翼が4枚付いていますね。 それは機体を制御する物なので、 螺旋階段みたいにグルグル回っていたら、 機体の制御が出来ないでしょう。 余計に燃料を使ってしまいます。 これでいいですか?
お礼
なるほど、ありがとうございました
- seble
- ベストアンサー率27% (4041/14683)
飛行機みたいなタイプも研究はされてますよ。 ただ、翼が無いと落ちてしまうし、大気圏外では翼は役に立ちません。 飛行機タイプで上昇していっても、途中で限界に達し、それ以上は単なる推進力(エンジン)だけで重力に逆らって上昇しなければならなくなります。 (重力に逆らえなければ、当然、墜落) 翼による浮力が無いので、それだけ強力な推進力を必要とし、結果として物凄い勢いを出す事になります。 (そうでなきゃ墜落) 飛行機だって、時速数十km程度なら墜落します。牛歩じゃ無理。 ロケットで速度を出さずに上昇させる事は可能です。離陸直後の速度は遅いですからね。 ただ、既出の通りそれを維持していくには膨大な燃料が必要となり(つまり、空中に静止させているような状態を維持する事になる)ただでさえ燃料を上昇させるために燃料を使うような状況ですから非現実的です。 将来、今より数十倍以上効率が良い(推進力の強い)エンジンなり、反重力装置なりが発明されれば、飛行船みたいにゆったり宇宙空間へ出ていく事も可能になるでしょう。 (時間がかかってしょうがないですけどね。月に着くころには寿命を迎えちゃうな)
お礼
燃料と、距離の問題があるのですね。 ありがとうございました!
人物が乗っている場合は徐々に加速します。 それでも物凄いGを感じるそうです。 人物が乗っていない場合は、搭乗員の事を考える必要が無いので、 物凄い勢いで発射されます。 両者にしても地球の重力に逆らう必要があります。 人物が乗っていても、重力に逆らう程の加速度は付いています。
お礼
ありがとうございました!
補足
重力に逆らうというよりも、螺旋階段みたいな感じでオラオラと昇っていくことは不可能なのでしょうか? なんとなく、地球から離れるほど引力が弱くなって、そのぶん大気圏からの離脱に使う燃料は少なくて済むという印象があるのですが。
- mota_miho
- ベストアンサー率16% (396/2453)
発射のときは徐々に上昇していきますよ。 http://www.nasa.gov/multimedia/videogallery/index.html?media_id=122049781
お礼
参考になりました。こんな動画があるのですね。
お礼
なるほど、現状では一気に宇宙空間まで飛ばしてしまうことが、最も効率的な燃料節約と、時間の節約にもなるのですね。 地球と宇宙空間の距離を感じることができました。 ありがとうございました。
補足
・・・ということは、たとえば太陽光発電などのエネルギーなどで、空中から燃料の調達が可能なら、直進せずとも螺旋状にゆっくり1か月くらいかけて宇宙に行くことも可能ということでしょうか?