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ゲームの氷系の技の表現について
よく、魔法物や映画もので敵が氷づけにされた後、ちょっとした衝撃でバラバラに粉砕される演出があると思うのですが、あれはどうして簡単に砕けてしまうのでしょうか。 ターミネーター2の終盤で液体窒素?で凍り付いた敵に敵に弾丸を撃ち込みバラバラにしてましたが、液体金属が個体となったらそれは金属となって、銃弾がめり込むようなことがあっても、砕けはしないような気がしています。 SFやファンタジー系の作品に科学の常識があてはまていいのか微妙ですが、もし科学敵に御説明頂けるのならばお願いいたします。
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たとえば、ガラスは物性的には液体である、といったようなことがいわれることがあります。固体の持つような原子・分子構造がないんですね。非常に粘り気が強すぎて、石を投げつければ割れてしまうほどの液体、ということもできます。 しかし、実際に液体の性質は備えていて、窓ガラスなどですと、非常に長期間に渡って放置できると、上が薄く下が厚くなってきます。 鋼は基本的には鉄に炭素を加えた合金で、しっかりした原子構造を持っています。でも、こちらは逆にバネを作ったりするほど、伸び縮みに強いですね。まあ、原子構造自体にそういう伸縮性があると考えておけばいいでしょう。 ただ、そういう鋼でも炭素が多くなると、堅くなっていきますが、同時に折れやすくなります。ある程度以上の炭素含有率になると、たとえば棒や板にしたとき、力を加えると曲がることもできずに、ガラスのように割れるようになります。 こうした、微小な構造の違いに捕われず、材質の性質を表す指標の一つに「脆性」というのがあります。読んで字の如く、脆さの度合いの性質です。 生物であれば、大量の水を含みますから、氷ってしまえば、ほぼ氷と似た脆い状態になります。骨はカルシウムの元素ベースですが、これも脆いので、結局、生物は凍ると、打撃で砕くことができることになります。 鋼を始めとする常温で固体の金属の大半は、家庭用冷凍庫程度では脆性の差が分からないほど低温に強いのですが、それでも温度が下がると脆くなります(実はこれに関連して、福島第一の事故原因、ひいては原子炉の安全性の問題点に挙げる人も少なくない)。 そうした金属でも、それぞれの金属ごとですが、ある温度以下になると、急速に堅くなり、同時に脆くなる温度があります。そこを超えて冷やすと、理屈で言えば、打撃でも砕けるようになります。 ただ、そこまで極端に金属を脆くできるのは、並大抵の低温ではないです。超伝導を起こすほどの低温でも金属が粘り気のある金属として使われているほどですから。 ターミネーター2で、液体窒素程度の温度で流体金属が「脆性」を増し、堅くなって動けなくなり、銃弾で砕けたのは、映画的な見栄えなどという野暮を言わないとすれば、あのような高度なアンドロイドを作れる何らかの合金的な流体金属を作れたけど、液体窒素程度の低温で、あのような弱点をさらけ出す欠点を克服できなかったと考えられます。 その後、未来のスカイネットでは、その欠点を改善できず、全てが流体金属のアンドロイド製作を諦めたのかもしれません。少なくとも、ターミネーター3で出てきた、敵側のターミネーターは、骨格を普通の金属で作り、それを流体金属で覆ってましたからね。うーん、4は観てないんですけど、さらにその後の流体金属技術、どうしたんだろう?
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- foomufoomu
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いろいろな液化ガスを扱っている会社の人に聞いたのですが、液体窒素など極低温の液化ガスは大変危険なもので、漏れた液化ガス(液体)に直接触れたりすると、指がはじけるようにちぎれてしまうそうです。 たぶん、生物の体は大部分が水なので、凍ったとき急激に体積が膨張して、それ以外の部分とで、大きさがくいちがってしまうのではないかと思います。 また、大きな氷の塊を水に放り込むと、ビシッとひび割れたりするのも、よく見る光景です。 凍った状態というのは、なにかと体積変化が大きくて、割れやすい状態なのではないでしょうか。
- santana-3
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脆性破壊と言われる現象です。 http://jikosoft.com/cae/engineering/strmatf04.html 要するに、低温では材料に粘りが無くなり脆くなる、と言う事です。
- Tacosan
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水分のあるものを液体窒素で急冷すると, 急激に凝固するため氷の結晶が大きくなれません. そのため, 液体窒素を使ってアイスクリームを作ると舌触りが非常に滑らかになるそうです. つまり小さな結晶がバラバラに存在することになるので, その限りにおいては「ちょっとした衝撃でバラバラに粉砕される」ことが考えられます. たとえば, 「バラの花を液体窒素で凍らせてから手でもむと粉々になる」というのは一昔前の TV CM でやってましたし, 実際粉々になります (というか, うまく引き上げないとバラの花の形を保てず「手でもむまでもなく粉々」だったりしますが...). ただ, バラの花びらならともかく, ちょっと厚みがあるものだとそこまで急激に凝固しないので「ちょっとした衝撃でバラバラ」ということはないと思います. 「表面からひびが入って細かい破片が飛ぶ」とか「ポキッと折れる」とかならあるかもしれませんが. 念のためですが, これは「何かをぶっかけて凍らせる」場合であって, 魔法ものでは (当然ですが) 「なんでもあり」です.
お礼
大変わかりやすい解説ありがとうございます。 自分でも調べてみたところ、低温脆性という言葉がありその急激にもろくなる温度を遷移温度というところまでは調べがつきました。 魔法にしろT2が受けた液体窒素しかり、対象物を急激に遷移温度まで下げたために砕けさせることができたと納得できました。 極低温にすることで物体がもろくなるという事実がわかっただけでも満足です。