理科の実験レベルの話で言うのであればどちらの電池で電球を点灯しても明るさは同じです。電池の大きさはその電池に蓄えられている電気の量の差と考えてよいでしょう。これは同じ電球をどれだけ長く点灯させていられるかと言う違いになって現れます。電池は化学反応で電気を起こす物ですから、化学反応を起こす物質が沢山あるほうが長い間電気を起こしつづけることができます。電圧(Vであらわされる電気の単位)は、反応する物質の量とは基本的に無関係で、電圧は反応を起こす物質の種類によって決まってしまいますので、電池の大きさとは基本的に無関係です。たとえば普通の乾電池やアルカリ乾電池では1.5Vですし充電のできるニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池は1.2Vです。自動車などに使用されている鉛を使った電池は2Vの電圧が発生します。自動車用のバッテリー(バッテリー=電池)は普通12Vの電圧ですし、乾電池の中にも006Pと言った9Vの電圧のものがありますが、これらの電池は自動車用のバッテリーでは2Vのバッテリーが6個直列に接続されてひとつの箱に入っているので12Vの電圧が出る仕組みですし、006P乾電池でも内部に6個の小さな乾電池が入っていて9Vの電圧が出る仕組みです。
最初に理科の実験レベルとことわった理由を付け加えておきますね。実は電池にとってこちらの事柄の方が重要であるとも言えるのですが、電気の単位にはVのほかにA(電流の大きさをあらわす単位でアンペアと読みます)と言う単位があります。実は同じ種類の電池であれば大きな電池の方が電流を沢山とり出せるのです。もしも豆電球を100個とか沢山並列につないだ物を小さな電池と大きな電池で点灯させたときには明らかに明るさに差が出ます。これは小さな電池では電球を一度に100個もつけるだけの電流が流せないです。これは専門的には内部インピーダンスと言う言葉で表しますが、簡単に言ってしまえば電池の中で電気の流れる通り道の太さの違いと考えていいでしょう。
ここの二つのバケツを用意して、バケツの高さを変えてその底同士をホースでつないだ物を用意します。ホースの途中には水の流れで回転する水車を取り付けておきます。ここでバケツの高さの差が電圧でホースに流れる水が電流に相当します。小さな電池はホースが細く上になったバケツに入れる水の量も少ない物と同じで、小さな水車(電球が少ない)なら十分にまわせますが、大きな水車(電球が多い)では、水の量が不足して十分にまわせないか、水車を通り抜ける水が多いのであっという間に上のバケツが空になってしまうでしょう。大きな電池では上のバケツにはたっぷりの水が入っている上にホースも十分に太いので大きな水車でも十分に回せますし、小さな電池より長い間回しつづけることができます。これが電池の大きい小さいの差と考えれば判りやすいでしょう。
電気のもつエネルギーの量をあらわす単位としてW(ワット)がありますが、このWという単位はV(電圧)とA(電流)を掛けたものです。大きな電池ほど取り出せるWが大きくなるのです。