- ベストアンサー
地上権のトラブルについての質問
- 地上権を買ったが、18年後に出て行かなければならないかどうかが不明
- 出て行く場合、更地にして返さなければならないのか法的根拠が知りたい
- 住み続ける場合に法外な更新料が請求されることはあるのかが心配
- みんなの回答 (11)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
1について 本件土地について、先の相続に関する裁判で、Aさんが土地所有権をBさんが30年の期間制限付き地上権を取得したと考えられます。 もっとも、借地借家法2条1号より、質問者様の有する地上権が、「借地権」にあたれば、同法5条、「借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、…更新したものとみなす」との規定に従い、18年後にも建物が存在し、質問者様が地上権を更新を請求した場合、地上権は更新されます(Aさんの代理人の発言は、更新ができることを知らせないでうまい具合に更新させないでおこうという意図の下になされたものではないかな、と思われます。)。 ここで問題となるのは、本件地上権が「建物の所有を目的とする地上権」にあたるかどうかです。本件地上権は先の裁判で設定されているので、その判決内容が建物所有を目的とするものかが問題となりますが、本件地上権は不動産屋が買い取っているので、恐らく建物所有が目的とされていたのではないかな、と考えられます。 したがって、本件地上権は更新が認めらうる「借地権」にあたると思われますので、18年後も更新すれば、「ここ」に住み続けられると考えられます。 2について 民法269条1項本文には、「地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物…を収去することができる」とあります。 文言上、工作物の収去は地上権者に権利として認められているのであって、義務ではないと読み取れますが、この規定は地上権者の工作物収去権とともに収去義務を定めたものと解釈されており、収去義務があります。 もっとも、本件の地上権が先述の「借地権」にあたるとすると、仮に地上権の存続期間満了と共に地上権者が更新しなかったとしても、建物買取請求権を行使すれば(建物の買取を土地所有者に請求する意思を表示するだけでよい)、建物を買い取ってもらうことができ、建物を収去する必要はありません(借地借家法13条1項)。 したがって、更地にするべき法的根拠はありますが、同時に更地にせずにすむ請求権も存在するので、その権利行使如何によっては更地にする義務を負わずにすむということです。 3について 先述の更新請求も更新を拒絶する正当な事由が地上権者にある場合には、更新を拒絶されてしまいます(借地借家法6条)。 この場合、正当な事由の有無を巡り、裁判になる可能性は否定できません。 正当な事由の有無は18年後のAさんの状況によって定まりますので、現段階で確かなことは何もいえないと思います。 仮に紛争になったとして、更新料が必要となるか問題となりますが、これは先の裁判で地上権の内容として更新料が定められていたかどうかにより判断されるものと考えられますので、本件地上権は裁判所が設定している以上、法外な更新料を請求されるおそれはないと思われます。 むしろ、判例上、更新拒絶の正当事由として立退き料の有無・その額が考慮されていることから、Aさんから立ち退き料が支払われる場合すらあります。現段階のAさんの態度からすれば少し考えられないことでしょうが、Aさんが本気で本件土地を使いたいと考えているなら、そうするのではないか、と思われます。 以上まとめますと、 ・本件地上権は18年後も更新請求できる可能性があるが、Aさんに更新を拒絶する正当な事由が認められる場合には更新できない。 ・仮に更新できないとしても、建物買取請求権を行使すれば、土地を更地にして返さねばならないというわけではない。 ということになると思います。 Aさんは相続の際のいざこざやBさんとの軋轢から感情的になっているものと思われますから、質問者様は熱くなりすぎることなく、冷静に対処なさるのが良いと思います。
その他の回答 (10)
- tk-kubota
- ベストアンサー率46% (2277/4892)
>意見が分かれて不安にもなりましたが、安心しました。 判例等で言う「借地権」は借地権の中の賃借権を言うので、今回のような地上権とは違います。 従って、固定資産税程度の地代だとしても使用借権とはないらいと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます。何せ18年後のことですのでどうなるか分かりませんが、参考にさせて頂きます。
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
下記の事例2に記載されています。 固定資産税と地代が同額な場合は、使用貸借となり、借地法の適用では、一時使用となり、更新されないとの最高裁判決があります。 判決で決めた期日が経過すると、土地を返却しなければいけないことが多い。 私の結論は、18年後は、更地として返却しなければならない。
お礼
ご回答ありがとうございます。ただ、参考URLの事例は地上権の記載が全くないため、私の事例とは異なっていると思います。
- tk-kubota
- ベストアンサー率46% (2277/4892)
地上権の登記があれば、更地当時から対抗力のある地上権であることは間違いないので、例え、地代が固定資産税と同額であったとしても、使用借権ということはあり得ないです。 地代の無い地上権もあり得ます。 更に、例え、地代に定めがあって、その地代を2年間支払わなくても地上権の解除はできないことになっています。(民法266条、同276条参照)
お礼
ご回答ありがとうございます。意見が分かれて不安にもなりましたが、安心しました。
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
判決書の内容を見ないとわかりませんが、 使用貸借は、登記できないため、 便宜地上権の登記で判決(合意)したと思われます。 実体は、使用貸借と思われます。 結論としては、 判決であるし、実体からも 旧借地法での自動更新のの適用は見込みが薄いと思われます。
お礼
ご回答ありがとうございます。ただ、「建物の所有を目的とする」地上権の登記をしていますので、使用貸借には当たらないと思っています。
- rinkus
- ベストアンサー率73% (33/45)
地代の定めがなく、固定資産税を負担していることをもって、本件土地利用権は使用貸借であるとする解釈を展開されている方がいらっしゃるようです。 しかし、質問者様が有する本件土地の利用権は地上権です。地上権は物権であり、賃借権や使用貸借権などの債権とは性質が異なります。 法律上、地上権には地代の定めが法律上要求されていませんから、地代がなくても何ら問題はありません。 さらに、物権である地上権を地代の定めがないからという理由で債権である使用貸借権と解釈するのは、無理だと思います。 No.5の回答のリンク先は使用貸借権を相続した場合の処理についてであって、本件の場合は、Bさんの有する地上権をその子らが相続したのであり、事情が全く異なるので、参考とはならないはずです。 また、No.6の回答の指摘は、事実だと思います。 そうすると、質問者様としては、建物買取請求権行使の筋で検討なさった方が良いようです。
お礼
ご回答ありがとうございます。分かりやすいご説明で納得できました。
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
#4追加 なお、判決でなされた、期限付きの地上権は、有償でも更新されない場合も多い。
お礼
ご回答ありがとうございます。ただ、参考URLの事例は地上権の記載が全くないため、私の事例とは異なっていると思います。
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
固定資産税=地代では 使用貸借になる。 約束の期間がくれば、返却しなければならない。
お礼
ご回答ありがとうございます。ただ、「建物の所有を目的とする」地上権の登記をしていますので、使用貸借には当たらないと思っています。
- akak71
- ベストアンサー率27% (741/2672)
判決内容を見ないとわかりませんが、 地代=固定資産税 ですと、借地権は認められません。 法律的には、使用貸借に該当する。 借地権として認められるには、少なくとも、固定資産税の2倍以上の地代が必要 質問では、地主の利益が全然ない。
お礼
ご回答ありがとうございます。ただ、「建物の所有を目的とする」地上権の登記をしていますので、使用貸借には当たらないと思っています。
感情面では色々あるのだろうが、法律による定めを書きます。 なお大前提として、民法上、(普通の)地上権が定められているが、本質問では建物の所有を目的とする地上権のため、借地借家法によって民法が大きく修正されています。 その趣旨は一般論として、貸主よりも弱い立場に置かれがちである借主の保護を図ると同時に、国の財産としての建物の保護(使用できる建物を早期に取り壊さなければならない状況を極力減らす)を図るものと言われます。 1.2. 原則、不動産屋の言うとおりです。借地借家法には上記の理由により、更新を容易にし、解約を制限する制度が整備されているといわれます。具体的には、更新せずに出て行くとなった場合、民法上(普通の地上権)は原状回復義務(民法269条)なるものがあって、更地にして返す必要がありますが、借地借家法(建物所有を目的とする地上権)では、逆に建物買取請求権(借地借家法13条)なるものがあって、貸主に建物の買取を請求できることになっています。 そして、借地借家法第6条で、正当の事由があると認められる場合でなければ更新を拒絶することはできないと定められています。 3. とはいえ、お互いが話合いで譲らなければ最終的には訴訟手続きによって解決することになります。更新料等についても、その訴訟の中で争われることになるのではないかと思います。 しかし質問文を読む限り、大家の考えは一時的な感情によるところが大きい気もするので、人事で恐縮ですが、今から18年も経ち、その間友好的に接すれば、考えも軟化する可能性もそれなりにある気もしますが、どうでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございます。建物買取請求権というのがあるんですね。参考になりました。
- tk-kubota
- ベストアンサー率46% (2277/4892)
借地借家法の「借地権」と言うのは、物権である「地上権」と、債権である「賃借権」があります。 実在する借地権は、その99%が賃借権のため、借地権といえば賃借権を言いますが、 地上権は土地所有権者の承諾なくても譲渡ができるので何の心配もないです。 期限の更新も不動産屋の言うとおりです。 つまり、建物がある限り土地所有者は更新拒絶はできないです。 同一条件の内容で借地権は存続します。 更新料の支払いも必要ないです。 期限後の裁判となっても、ほぼ、間違いなく勝訴です。 Aさんの権利は所有権ですが、その所有権は借地権を負担した借地権です。
お礼
ご回答ありがとうございます。最初にこれを読ませていただき、ほっとしました。
お礼
ご回答ありがとうございます。大変詳しく教えていただき、助かります。