いずれも印刷技術であり、版画技術です。
リトグラフは現在では「版画」の技法として認められていますが、どんな版画技法も印刷技術の応用ですから、この場合は単純に制作技法の違いと考えていいでしょう。
オフセット印刷が主流となる前は、大量部数を刷る方法としてはリトグラフが最も身近な印刷方法だったので、ポスターでこの方法が用いられていました。ちなみに江戸時代の日本では浮世絵でもかわら版でも木版画の技法で刷られていましたね。
で、オフセット印刷はルーペで見ると細かい網点が見えます。テレビ画面をルーペで見ると青・赤・緑の点々が見えますが、あれに似た感じで青・赤・黄・黒(4色分解の場合)の点々が見えます。リトグラフでは見えません。
一般に、オフセット印刷の方がリトグラフよりも物理的に刷れる部数が多いので、量産性が高く、それだけ印刷物としてのポスターには向いています。しかし、美術品としては逆にリトグラフの方が希少性が高くなりますから比べればこちらの方が高価ということになります。違いはそれくらいです。
(ちなみに「プリントゴッコ」は技法としてはシルクスクリーンと同じです)
しかし、これまた一般論ですが、美術の世界での希少性とは、例えば世界にフェルメールの作品は数点しかないとか、レンブラントの肖像は数点しかないとか、そういうことを言うのであって、数百部単位で発行されるものには希少性はないと思ったほうがいいでしょう。版画の良さは同じ図像でも大量生産技術によって、世界に一人だけではなく、より多くの人の手にそれが行き渡るということにあるわけですから、それを享受するにはどちらでもいいと思います。ただ、「世界に○百部しかない貴重な作品」と称して、貴重でもなんでもないもの法外な金額で売られる場合があるので、よく相場を調べてから購入されることを薦めます。少なくとも4~5件の画廊や業者を調べた方がいいでしょう。
参考URLは版画関係のページです。ポスター関係ではありませんが、参考までに。