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カミオカンデの研究目的
超新星1987Aからのニュートリノを観測した「カミオカンデ」ですが、本来の研究目的は陽子崩壊の観測であると聞きました。 もしそうであれば、超新星由来のニュートリノを捉えたのは単なる偶然だったのでしょうか?。それとも、最初からそのような事象の観測も想定されていたのでしょうか?。 ご存知の方がおられましたらご教授お願いします。
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一応想定はしていました。また、研究途中で太陽ニュートリノ観測に目的を変更し、改良していたのが幸いしました。 しかし、超新星爆発自体は非常に稀な現象ですから、それだけを目的に実験するのは困難なのです。実際に超新星爆発のニュートリノを観測できたのは、宝くじに当たったようなものです。もちろん、非常にすばらしい観測装置を構築していたからこそ検出できたわけですが。 経緯は以下のようなものです。 ・大統一理論で陽子崩壊が予言される ・陽子崩壊の検証実験を主目的としてカミオカンデ建設(超新星爆発については、一応記載有り) ・陽子崩壊が想定の範囲内で検出できないため、太陽ニュートリノ観測に実験目的を変更 装置改良により感度向上 ・装置改良後に超新星爆発が起こり、カミオカンデでニュートリノ検出 http://djweb.jp/power/kamiokande/kamiokande_01.html http://djweb.jp/power/kamiokande/kamiokande_02.html http://djweb.jp/power/kamiokande/kamiokande_03.html http://djweb.jp/power/kamiokande/kamiokande_04.html http://djweb.jp/power/kamiokande/kamiokande_05.html
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- nananotanu
- ベストアンサー率31% (714/2263)
光電子"増倍"管が出来たのも大きいですよね。ま、小柴先生の人的ネットワークのなせる業、とも言えますが。
お礼
ご回答ありがとうございます。地味で目立ちませんが、日本の技術者の方々の高度な技術力と努力も背景にあったのですね。そして、それを理解し生かすすべを心得ておられた小柴先生があってこその快挙ということでしょうか。まさに超新星爆発というチャンスをつかみとったということですね。
- tetsumyi
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偶然だったと言えば偶然とも言える。 国家予算から莫大な研究費を獲得できて、より理想的な地中深くに巨大な装置を完成できたし 日本に非常に高い技術を持った職人がいて困難な要求を聞き入れて高性能倍増管を作成してくれた。
お礼
ご回答ありがとうございます!。確かにおっしゃるとおり、超新星爆発なんて偶然みたいな確率ですね。ただ、当時日本のみが超新星由来のニュートリノを検出しうる精度の観測機器を持っていたということ、そしてそのデータに気づいたということは、他の方のご回答にあるように、「偶然を必然的に呼び込んだ」とも言えそうです。私はそんなふうに理解しました!。
- nananotanu
- ベストアンサー率31% (714/2263)
超新星爆発が起きた時、「以前から超新星爆発の時飛んで来ると理論的に予測されていたニュートリノが、我われの装置なら受かっているかもしれないぞ」とデータを見直しました。そうすると確かに受信できていたので世界に発表しました。すると後出しで、他の国からも「うちらも受けてたぜ」という発表が何箇所かありました。しかし、その中の少なくとも1箇所は、元もと1日数個のニュートリノを受信する(ように見える=ソレだけノイズがある)性能しかない装置でした・・・・ 小柴先生が、高感度の装置を用意していたこと、広く勉強していて自分が直接目的としていない現象でも対象になりうることを ぴんっ と思い浮かべられたこと、の勝利でしょう。 小柴先生自身が講演で「偶然ではない、チャント準備していた者に幸運は舞い降りるんだ」、といった趣旨の発言をされています。
お礼
ご回答ありがとうございます。なるほど、小柴先生のひらめきと洞察があればこその発見だったのですね。いくら高性能の観測機器を揃えていても、初期の研究目的だけに固執していれば、見逃されたかもしれませんね。自分自身にも当てはめて生かせる、とてもためになる話です。
- equinox2
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「ドキュメント 超新星爆発」という本によると、太陽ニュートリノを観測できるように 改良され、さらに1986年にはその精度もさらに上げられた・・との記述があります。 以上、参考まで
お礼
ご回答いただきありがとうございます。一応、ニュートリノ観測も想定していたのですね。参考になりました!。
お礼
非常にわかりやすい回答をありがとうございます。経緯がよく理解できました。いちおう想定はしていたのですね。 ご紹介くださった経緯を見ると、偶然というよりは「幸運」だったというべきですか・・・。しかし、陽子崩壊にしろニュートリノ研究にしろ、とてもメジャーとは言えない分野でこのような地道な観測を続けていたからこそ、成し得た快挙ですね。