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イギリス貴族の爵位継承について
- イギリスの爵位継承についてはLetters patentにより定められています。
- 特殊な場合を除き、爵位継承者は初代の直系男子に限定されます。
- 娘がいる場合は特別な規定が適用され、娘の代からは直系男子で繋ぐか、他の血縁者に婚姻して継承させることもあります。
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詳しくないですが, ちと調べた限り heirs male of his body は「最初に爵位を受けた人の直系男子」であればよく, 「現在の爵位保持者」とは関係ないのではないかと. つまり, 爵位を創設した A の子供を B, B の子供を C 及び D としましょう. この場合 A→B→C と爵位を受け継いでいきますが, C に子供がいなかった場合「A の直系男子」である D が受け継げるんじゃないかなぁ. そう解釈しないと, 「直系男子」でない者が爵位を継承したときに「代数を増やす」ことはないはずです. 逆にいうと, たとえ直系で爵位を受け継いだとしても「爵位継承条件の違う Letters Patent を受けた」場合には, そこで改めて「初代」という数え方をしないとおかしいはずです.
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- lauenburg
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> special remainderを付与して special remainderというのは、通常の"heirs male of his body lawfully begotten"と異なる継承規定のことで、初代に対する授爵 の際にLetters Patentに記載されるものです。 初代が既に高齢で独身だったり子供がいなかったり、いても娘しか いないとかいう場合に、いわば救済策として娘や弟(とその直系男 系男子)も継承者に加えるといった使い方をされます。 で、Letters Patentの内容を事後に変更するためには、議会で法律 を成立させないといけないというのが英国の法なので、初代から代 を重ねた後に「継承者がいなくなったからspecial remainderを」と いう使い方はできないのが通例です。 したがって、初代がもらったLetters Patentに記載された継承者が いなくなったら、事実上爵位の消滅を避けることはできません。 その家が名家だとか、親戚だとかといった事情で絶えさせたくない と王が思う場合には、面倒くさいLetters Patentの変更ではなく、 新規に授爵するのが一般的です。 最後の爵位保持者に対して、「娘とその直系男系男子」とか、「娘 『の』直系男系男子(=娘は飛ばす)」とか、「娘婿とその直系男系 男子(娘との間限定)」といったspecial remainderを付けた同名の 爵位を授け、死亡した際にもともとの爵位は消滅するけど、新規の 爵位の方はspecial remainderによって継承される、とか。 あるいは、元の爵位はそのまま消滅するにまかせて、最後の爵位保 持者の死後に、娘の息子等の縁者に同名の爵位を授けるとか。 有名人ではネルソン提督がこの例で、戦功でネルソン男爵、ネルソ ン子爵の爵位をもらいましたが、結婚していなかったのでもう一つ ネルソン男爵位を授け、こちらには父、姉、妹とその直系男系男子 が継承者に追加されていました。 提督がトラファルガーで戦死すると、子爵位と最初の男爵位は継承 者なしで消滅し、新しい方の男爵位が提督の兄に継承されています (亡父の直系男系男子)。 ちなみにトラファルガーでの功績に対して、二代男爵となった提督 の兄にネルソン伯爵位&マートン子爵位が授けられ、こちらでも姉 と妹『の』直系男系男子(=姉と妹は飛ばす)が追加されていました。 結局初代伯爵は一人息子に先立たれて亡くなり、亡姉の長男が二代 伯爵&子爵、三代男爵となりました(ネルソンに改姓)。 脱線しましたが、要するに爵位を授けた後に継承者不在で消滅しそ うな場合、新規の授爵で(たいていは)同名の爵位を娘やその子孫な どの縁者に継承させるという方法が用いられます。誰でも救済して もらえるわけではないので、王が放置すればそのまま消滅です。 後の方の質問については、Tacosanさんのおっしゃる通りです。of his bodyのhisは、Letters Patentをもらった初代のことなので、 初代の直系男系男子であれば継承権があります。現在の爵位保持者 の直系である必要はありません。 具体例として、先日結婚したウィリアム王子に対するLetters Patent を見てみましょう。 http://www.london-gazette.co.uk/issues/59798/pages/10297 "……granting unto Her Majesty's Grandson, His Royal Highness Prince William Arthur Philip Louis of Wales, K.G., and the heirs male of his body lawfully begotten the dignities of Baron Carrickfergus, Earl of Strathern, and Duke of Cambridge." ケンブリッジ公爵位等の爵位を、ウィリアム王子と「彼の」直系男 子相続人に授けると述べているのがわかると思います。 というわけで、 > 「特殊な規定がない場合、爵位保持者に嫡男がいない限りその爵位は消滅する」 「爵位保持者に」というのが誤りです。消滅するのは、「初代の直 系男系男子がいなくなったとき」です。当然、 > 「爵位保持者の嫡男以外が(それが娘だろうが、弟だろうが、遠い血縁だろうが) > 爵位を継ぐことができるというのはすなわち初代が授爵された際に > 特別な規定が設けられている、あるいは改めて付与され授爵された位であるはず」 こちらも誤りです。通常の継承規定を定められた爵位でも、初代の 直系男系男子でさえあれば、現在の爵位保持者の弟だろうと従兄弟 だろうと再従兄弟だろうと継承できます。
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ご回答ありがとうございました! 詳しく、また具体的な例も教えていただきありがとうございます。 lauenburgさんのご回答はいつもためになります。 考えれば考えるほどこんがらがってしまっていたので 助かりました。 どうもありがとうございました。
お礼
ご解答ありがとうございました! 非常に分かりやすく教えていただきありがとうございました。 私はどうも大きな勘違いをしていたようです^^;。 「初代の」直系男子であればよく、「現在の」爵位保持者の直系男子か どうかとは関係ないですね。 説明していただいた例だと、DはCの直系男子ではないけれど 「初代」Aの直系男子であるからOKなのですね。 おお、お恥ずかしい…。 もやもやが晴れました。ありがとうございます。