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マウス行動実験の攻撃性に関する異なるマウス同士の影響
- 大学で行われているマウスの行動実験では、攻撃性の試験がresident-intruder testによって行われています。しかし、被験動物の攻撃性は他のマウスによって明らかに異なることがわかり、研究者は戸惑っています。
- 論文には攻撃性が増強したり減弱したりしたことを示すグラフが掲載されていますが、実際に実験を行ってみると論文のような整ったデータにはなりません。intruderを変えると攻撃性も異なることがわかりました。
- また、群飼いのマウスのケージ内ではヒエラルキーが存在し、順位があります。自分より強い相手にはひ弱な態度をとりますが、自分より弱い相手に対して攻撃行動を取る可能性もあると研究者は考えています。攻撃性は相手によっても異なるため、どのような基準を用いて攻撃性を評価すべきか悩んでいます。アドバイスを求めています。
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実験動物の攻撃性試験はresident-intruder試験だけではなく、他の実験手段でも同様のばらばらの結果に常に悩まされます。攻撃試験だけではありません。すべての動物行動実験に共通の問題です。攻撃性試験の場合、同じ動物が常に同じ攻撃性を示し続ける訳ではなく、また動物同士の相性がのためか常にどの動物に対しても同じ攻撃性を維持するということもないように感じます。確かなことはその動物に攻撃性が存在するか否かということだけで、どの程度の攻撃性が存在するのかということを数字的に評価することはきわめて困難なことが多いと思います。しかし、研究結果は出さなければなりませんし、真実を論文で伝えることも必要です。私は、動物に個性が存在することは避けられないと思いますので、何が真実なのかという一定の到達点に至るまで、何匹も何匹も実験を繰りかえしています。何十匹も実験を繰り返しているうちに、何となく頭の中に動物の行動の正規分布のグラフが見えてきます。その頃になると先入観が芽生え、この動物実験ではこのような行動が起こるだろうという科学者としての自信のようなものが生まれてきます。その先入観をもって実験を行うとその通りに動物が反応してくれるから不思議です。このとき動物行動の真実を見たような気がします。この真実のようなものが見えたら本実験です。自分が見た動物の真の行動反応を実験を行って証明します。たくさんの動物を扱っているうちに真実が見えてくる。これが科学かどうかはわかりませんが、これがなければ私は自信をもって論文は書けません。何十も、場合によっては百を超える同一実験を繰り返すことが動物の真実に迫るたった一つの方法ではないでしょうか。あなたも、初めて行った実験なら、百以上の実験例を作ってみるといいですよ。悩みが自信にかわります。何事にも真実はあるはず。見えにくいものと見えやすいものがあるだけです。
お礼
大変参考になりました。ありがとうございました。