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科学的 宇宙大戦
宇宙での艦隊 戦闘機での戦闘は どのような事が開発 発明または実現したら 何々を何々と仮定したら など理論上だけでも可能になりませんか
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他にも、ANo.3で少しだけ触れた、使い捨て式のX線レーザーを、プローブと共にばら撒いておき、リモートランチャーと同様に、リモートコントロールで攻撃を行うという方法も考えられます。 その場合、X線レーザーの発射装置自体にカメラやセンサーを搭載して、プローブとしての機能も持たせれば、敵機の移動方向や、敵機までの距離が判らなくとも、敵機を1回探知した段階で、そのX線レーザーの発射装置から、敵機を探知した方角に向けて、レーザーを自動的に発射するだけで、敵機に命中させる事が出来ます。 殆ど拡散する事なく長距離まで到達するようなビームを、敵機との距離と速度差が極めて大きくなる宇宙戦で使用した場合、光が往復するのに要する僅かの時間の間でも、敵の移動距離は無視出来ないものとなるため、敵の移動方向と速度が不明のまま、敵を探知した方向に向けて撃っただけでは、命中は期待出来ないのですが、プラズマを使って発振するX線レーザーの場合は、一般的なレーザービームのイメージとは異なり、得られるレーザーのビームは、僅かに角度的な広がりを持つ、拡散ビームとなりますから、散弾銃と同様に、照準が甘くても命中する事が期待出来ます。 但し、ビームを発生させるエネルギー源に、小型原爆(架空の作品中では超小型の反物質爆弾を使うのも良いと思います)の爆発を利用していますから、自機の近くで作動させると、距離が近過ぎれば、核爆発の際に放出されるγ線のエネルギーで、宇宙船本体が加熱されてダメージを受けたり、多少離れた位置でも、γ線や中性子線が宇宙船の外壁を透過して、船内のコンピューターの誤作動や故障を発生させ、乗組員に放射線障害を起こしたりします。(反物質爆弾の場合でもγ線は発生します) 又、船内のコンピューターにダメージを与えるという事は、近くのプローブやその他の機械装置に対しても、同様にダメージを与えるという事です。 そのため、X線レーザーは、宇宙船から射出した直後には作動させる事が出来ず(被曝する覚悟で使う事は出来ます)、宇宙船から十分離れた処まで移動させねばならないのは勿論、ばら撒いたプローブやX線レーザー同士の間隔も十分に空いてからではないと、使用し難いという難点はあります。 この安全に使用可能となる距離(この距離を「ミニマムレンジ」と言います)が大きいという短所を、戦闘シーンの味付けとして使う事も出来ると思います。 又、あくまでフィクション上の娯楽性を優先させた使い方で、リアリティのない戦法ですが、 「偶然にも自機がばら撒いたX線レーザーの発射装置が、敵側の機械(宇宙船、プローブ、リモートランチャー、X線レーザーの発射装置)の近くに位置していたために、自機側のX線レーザーを発射する事で、敵側の機械が動作不良となり、その事が勝利に繋がった。」 という使い方も出来るかと思います。 因みに、アメリカ、イギリス、旧ソビエト連邦を含む111ヶ国は、大気圏外における核実験を禁止する、部分的核実験禁止条約に加盟していますから、X線レーザーの様な核爆発を利用する宇宙空間用の兵器は、例え技術的には開発する潜在的能力はあっても、設計した兵器が実際に作動するのかを、試作品を造って実験する事が出来ません。 【参考URL】 部分的核実験禁止条約- Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%A8%E5%88%86%E7%9A%84%E6%A0%B8%E5%AE%9F%E9%A8%93%E7%A6%81%E6%AD%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84 部分的核実験禁止条約(PTBT) (13-04-01-12) - ATOMICA - http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=13-04-01-12 ちゃんと作動するか否か確認されていないという事は、実戦で使用した際に確実に効果が得られる事が保障されていないという事であり、その様な兵器などに命を預けて実戦を行う訳には行きませんから、部分的核実験禁止条約の加盟国は、X線レーザー等の核爆発を利用する宇宙空間用の兵器を、実用化する事は出来ない事になります。 詳しく調べてはおりませんが、その他にも、宇宙空間における軍事活動には、色々と制限がある様です。 【参考URL】 原典宇宙法 http://www.jaxa.jp/library/space_law/contents_j.html 科学的なものや法的なもの等の、面倒な制限を作品中にあえて取り入れる事で、作品にリアリティを与えるという手法もありますが、現実に存在する関連しそうな法律や条約を全て調べ上げて、その条文がどのような意味を持ち、どの様な解釈が成り立ち、その制限を回避する方法にはどの様なものがあり得るのかを、綿密に考えるのはある程度以上の知識と大変な労力が必要になると思われます。 ですから、もし、宇宙空間における戦闘シーンを描いたフィクション作品を作られるのでしたら、未来の人類の話とされる事は避けて、架空の宇宙人の話とされた方が、面倒な条約や法律を気にする事無く、作品を作る事が出来ると思います。
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- kagakusuki
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この様なステルス宇宙船の戦闘方法は、比較的地味なものになると思います。 まず、複数のカメラを備えた全方位を監視出来る、使い捨てのリモートコントロール式小型無人機(プローブ)を、敵機が居ると予想される領域に向かって、何台も大量にばら撒きます。(対潜哨戒機のソノブイの様なもの) 【参考URL】 ソノブイ – Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4 このプローブはレーザー通信等によって、プローブの位置(慣性航法装置を使って位置を判断します)やセンサーで得られた情報を、母機である自機へ送信し、自機はプローブから送られて来るプローブ自体の位置情報を基にして、プローブが「通信用のレーザーをどの方向に向かって送信すれば良いのか」という情報を、レーザー通信等によってプローブに送り返します。 そして、敵機の鏡面仕上げされた表面で反射された、恒星から放射された光が、偶然にも一瞬だけプローブのカメラに映るのを待ちます。(恒星が敵機の表面を構成している鏡の中の1枚に映って見えている処をカメラで探知する) 2台や3台のプローブで、敵機の表面で反射した光を探知出来ても、敵機が「光を捉えた瞬間に、プローブから見てどの方角に居たのか」という事が判るだけで、同時に複数のプローブが探知したのでもない限りは、敵機の位置は判りません。 しかし、何台ものプローブが、異なる時刻に探知した、個々のプローブから見た敵機のいる方角の情報を積み重ねて行けば、途中で進路が変わらなかった場合の敵機の現在の位置を予想する事が出来ます。 敵機の現在位置や将来位置を予測するのに充分な情報が得られるまでの間、自機は相手に探知される可能性を減らすために、動力の出力を最小限にまで落とし(アイドリング)、それでも発生する排熱は、出来るだけ推進剤を使った冷却方法で処理し、放熱板からの赤外線放射を可能な限り無くする様にします。 そして、こちらが敵の位置を確定する前に、先に敵に自機の位置が見つけられる事が無い様に祈りながら、敵機の位置を確定するのに十分な情報が集まるまで待ちます。 多数のプローブの探知結果から、敵の現在位置と進路を推測するのに十分な情報が集まると、推測した敵の進路から、次にプローブが敵機を感知する時刻がいつになるのかが予測出来ますが、途中で敵機の進路が変わる事も考えられるため、予測した時刻に、予測したプローブから見て、予測した方角に敵機が見つかるまで、攻撃する事は避けます。 何故なら、攻撃する際にはビーム兵器を作動させる事になりますが、そのためにはビームを発射するためのエネルギーを供給するために動力の出力を上げねばならず、動力の出力が上がれば排熱が増えるため、放熱板からの放射が増えます。 本回答で想定した放熱板では、赤外線を放射する方向が、太陽とはほぼ反対の方角に限定されているため、太陽の輝きに紛れて、放熱板からの放射は探知され難くはなっているものの、探知が全く不可能という訳ではないと思われますし、放熱板からの放射は狭いながらある程度の角度の広がりを持って拡散していますから、もしも赤外線を放射した範囲内に、敵がばら撒いたプローブが2台以上存在した場合には、放熱板からの放射を同時に2台以上のプローブに探知された瞬間に、自機の位置と進行方向、速度等の情報が、敵に確定されてしまいます。 そのため、敵機を次に探知出来ると予測した時刻になるまでは、動力の出力を抑えておき、その時刻の直前になってから、動力炉の出力を出来るだけ短時間の内に上昇させて、ビーム兵器(紫外線レーザーか中性粒子ビーム)の発射準備をします。 この時、もしも自機の放熱板が赤外線を放射した範囲内に、敵側のプローブが1台でも存在すれば、自機が攻撃する事が敵機に知られてしまい、敵機は緊急回避を行いますから、敵機の位置や移動方向は再び判らなくなってしまいますし、それどころか、自機の放熱板が赤外線を放射した範囲内に、敵側のプローブが2台以上存在すれば、自機の位置と進行方向、速度等の情報が、敵に確定されてしまいますから、自機の移動方向や移動速度を直ちに変えなければ、敵からの反撃を受ける恐れがあります。 尤も、敵のプローブがどこにあるのかは判りませんから(それが判るのであれば、太陽の方角には拘らず、敵の船体やプローブが居ない方角に、放熱板を向けるだけで済むのですが、相手もステルス性を備えているため無理です)、自機の放熱板の放射が敵に探知されたかどうかは判りませんので、自機の放熱板からの放射が増えたからと言って、必ずしも敵に自機の情報を知られるとは限りませんが(むしろ、2台以上の敵のプローブが自機の放熱板の放射範囲にいる可能性は低い)、万が一、敵に自機の位置と速度情報を確定されていた場合には、敵の攻撃は確実に自機に命中する事になります。 ですから、敵に対してビームを発射した際に、もしも命中しなかった場合には、 (1)敵機の位置、移動方向、移動速度の予測を間違えた (2)敵機が偶々、途中で移動方向か、或いは移動速度を変更した (3)自機の放熱板からの放射を、敵のプローブの内の1台が探知して、敵機が回避行動を行ったが、自機の正確な位置や移動方向、速度等の情報は、敵に知られていない (4)自機の放熱板からの放射を、敵の複数台のプローブが探知して、敵機は回避行動を行った上に、プローブが探知した情報に基づいて、自機に対しする攻撃準備を行っている (5)自機の放熱板からの放射を、敵の複数台のプローブが探知して、自機の正確な位置や移動方向、速度等の情報は、敵側にばれているが、敵機はこちら側のプローブに放射を探知される事を恐れて、敵機は回避行動を行っただけで、攻撃準備はしていない 等々の可能性が考えられるものの、(4)であった場合を考えて、攻撃が外れたり、敵が複数居る場合等には、攻撃後に直ちに回避行動をとらねばなりません。 又、動力の出力を直ちに下げたとしても、余熱により放熱板からの放射は直ぐには低下しませんが、放熱板から赤外線を放射し続ければ、回避行動をとったとしても、放射範囲内に敵のプローブが2台以上存在すれば、敵には自機の位置が丸判りになります。 ですから、攻撃後の回避を行う際には、回避の際にロケットから噴射するための推進剤を、ロケットに供給する前に放熱板の内部の配管を通す事で、放熱板を急速に冷却し、赤外線の放射を低減させなければなりません。 それでも、放熱板の温度が下がるまでの間は、敵に位置がばれ続けて、敵の攻撃を受ける恐れがあるため、 (1)放熱板のハニカム状の穴に設けられたシャッターで、穴に蓋をして、赤外線の放射を一時凌ぎ的に隠くす (2)攻撃準備の際に増加する排熱を、最初から放熱板から放熱させたりはせずに、出来る限り推進剤タンク内の推進剤に吸収させて凌ぐ事で、ビームの1射分程度の排熱では、放熱板の温度を上昇させない様にする(排熱を吸収しきれなかった分は、蒸発した推進剤のガスによってタンク内の内圧が上昇しますから、そのガスをロケット噴射に利用したり、安全弁からガスを宇宙空間に放出する事で圧力を下げ、圧力が下がった事で推進剤が新たに蒸発する際の気化潜熱を利用して、推進剤の過熱を防ぐ) 等の工夫を行った方が良いかも知れません。 この様に、ステルス宇宙船同士の戦闘では、攻撃し終えた後は、敵から攻撃を受ける危険が非常に高まりますから、ビームによる攻撃は、自機の放熱板の放射範囲内に、敵のプローブが居ない事を祈って、一か八かで行う、ギャンブル的な様相となると思います。 そのため、宇宙船本体が、直接攻撃を行うには、相当の覚悟が必要となり、軽々しく攻撃を開始する事は、困難になると思います。 そのため、宇宙船本体が、直接ビームを発射するのは最後の手段として、なるべく実行には移さず、その代わりの攻撃手段として、「機動戦士ガンダム」等に登場した「ビット」とか「ファンネル」と呼称される架空の兵器の様な、ビーム兵器を搭載したリモートコントロール式の無人機(←ここでは「リモートランチャー」と仮称する事にします)をプローブ等と同様に前もって配置しておき、レーザー通信等を使って敵機を攻撃させるという手段も考えられます。 リモートランチャーはビーム兵器を作動させるだけの出力がある動力を備えていなければなりませんから、大型で高価なものとなり、宇宙船に何台も搭載する事は難しいため、リモートランチャーを失う事は、宇宙船自体が撃墜される程ではないにせよ、結構な痛手になると思います。 そして、ビームを撃った後は、敵に攻撃され易くなる事は、宇宙船の場合と同様ですから、宇宙船自体が攻撃を行う場合程ではないにせよ、やはり多少のギャンブル的な要素があり、そのため、敵との駆け引きや心理戦が必要になって来るかも知れません。
- kagakusuki
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ANo.5の続きです。 しかし、真空の宇宙空間において、宇宙船内で発生した熱を放熱するには、輻射熱として電磁波の形で宇宙空間に熱を逃がすしかありません。 赤外線の放射を完全に抑制してしまいますと、船内で発生した熱を放熱出来ず、船内の温度が上昇し続けて、搭載機器や乗組員が高温に耐えられなくなります。 それに、宇宙船の動力部も、内部で発生した熱を放熱する事が出来なければ、動力として使える形では、エネルギーを発生させる事は出来なくなります。 通常、宇宙船では、船内で発生した熱や、太陽光によって機体が加熱される事による熱を放熱するために、放熱板を使って、遠赤外線を宇宙空間に放出しています。 しかし、ステルス宇宙船では、普通の放熱板を使って赤外線を出せば、簡単に探知されてしまいますから、放熱しなくてはならないにしても、何らかの工夫が必要となります。 私の考えた1案としては、文章で説明しても解り難いとは思いますが、次の様な放熱板を使用する方法です。 その放熱板には、表側と裏側の区別があり、裏側は宇宙船の他の部分と同様に、鏡面となっています。 一方、表面は、6角形の細長い筒が蜂の巣の様に隙間なく並んでいる様な構造をしていて、その6角形の穴の1つ1つの内側の側面には、望遠鏡の遮光環の様に、中央に穴が開けられた板が複数取り付けられています。 【参考URL】 超々!入門 望遠鏡光学 遮光環について - その2 - http://star-party.jp/wp/?p=2088 望遠鏡の遮光環と違っているのは、宇宙へ向ける側の環ほど、中央の穴の径が小さくなっている事と、遮光環や6角形の筒の表面が鏡面となっている事です。 6角形の穴の底の面のみは黒色となっていて、この黒色の面からから、遠赤外線の形で放熱が行われます。 黒い面からは四方八方に向かって赤外線が放射されるのですが、6角形の筒の中に設けられた遮光環の働きにより、遮光環の穴がある方向に向かって、真っ直ぐに放出された赤外線のみが宇宙空間に放出され、それ以外の方向に向かって放射された赤外線は、鏡で出来ている遮光環によって反射され、再び放熱用の黒色の面に吸収されて熱に戻ります。 この結果、6角形の筒と、その内側の遮光環の働きにより、遠赤外線が放射される方向は、ある程度狭い角度範囲にのみに制限されますから、自機が放射した赤外線が探知される恐れがある方向を制限する事が出来ます。 但し、「平面鏡を組み合わせた船体表面によって、太陽光やレーダーの電波の反射方向を限定した場合に、特定の角度から僅かでも外れれば探知されない様になる」のとは異なり、上記の方法で「放射する角度を制限した赤外線が、放出される角度」には、ある程度の広がりがあるため、放熱板の真正面から多少ずれた位置からでも、探知が可能となってしまいます。 そのため、この放熱板は自由に向きを変える事が出来る機構を介して船体に取り付け、自動装置による制御で表側を常に太陽がある方角とは正反対の方角に向けるようにします。 こうする事により、放熱板が放射する赤外線を、相手が探知するためには、赤外線のセンサーを太陽がある方向に向けなければならなくなりますが、太陽が放射する赤外線が強過ぎるため、宇宙船が放射した弱い赤外線が感知され難くなります。 尚、赤外線を放射する角度を制限すると、放熱の効率が非常に悪くなるため、通常の放熱板よりも、何倍も広い面積が必要となりますし、動力部の熱効率も悪化するという難点があるのですが、ステルス性を得るためには仕方がありません。 (3)のロケットの噴射ガスからの放射を探知れ難くするためには、噴射ガスからの放射を出来るだけ少なくしなければなりません。 ロケットは噴射するガスの速度が速いほど効率が良くなります。 そして、噴射ガス中のガスの分子が動く速度は、分子の質量が軽いほど速く、又、ガスの温度が高いほど速くなりますから、ガスの噴射速度を早くしてロケットの効率を上げるためには、分子量が出来るだけ小さいガスを、できるだけ高温で噴射すれば良い事になります。 しかし、水蒸気、二酸化炭素、メタン、アンモニア、等の一部の気体は、数十℃程度であっても温度が上がると遠赤外線を放射します。 それ以外の気体も、数千℃にもなると、分子の結合が切れて単独の原子の状態となり、その原子が結合して再び分子となる際には、光を発する場合があります。 又、更に高温になると、原子核と電子の結び付きが外れて、プラズマとなりますが、プラズマは多数の自由電子とイオンを含んでいるため、高温のものは強く発光します。 ですから、ステルス性を高めるためには、温度が上がっても赤外線をあまり放射しない物質を推進剤として使用すると共に、効率を犠牲にして、ガスの分子が分解しない程度の低温で噴射する事になります。 ヘリウムは低温でも分子を作らず、最初から単独の原子の状態で存在している上に、水素ガスの次に分子量(この場合は原子量)が小さく、しかも、原子核と電子の結び付きが強いため、プラズマとなる温度が他の気体よりも高いという長所があるため、推進剤として使用出来れば、ガスからの放射を抑えたままでも、ロケットの効率をある程度は高くする事が出来ます。 しかし、ヘリウムは、液体となる温度があまりにも低いために、推進剤として宇宙船のタンクに貯蔵する事が困難です。 ですから、放射を抑えたままでは、ヘリウムほどには高温には出来ないものの、推進剤としては液体水素等を使用する方が現実的だと思います。 この時、水素を燃やすのではなく、宇宙船の動力から得られたエネルギーを使って加熱して噴射します。 その際、推進剤タンクから取り出した推進剤を、ロケットの加熱膨張室で加熱する前に、宇宙船の外壁の直ぐ内側に張り巡らされているパイプの中を通す事で、宇宙船の外壁を冷却して、外壁の温度を下げる事で、船体からの赤外線の放射を更に低減します。 外壁を冷却し終えた推進剤は、更に動力部の冷却装置に導かれ、動力部の排熱を吸収する事で、放熱板から放熱しなければならない熱量を低減し、放熱板からの赤外線放射を低減する事にも使われます。 その後でようやくロケットへ送られて、電熱線等のなんらかの加熱装置によって、設定された温度にまで加熱されてから、ロケットノズルから噴射されます。 効率が犠牲となっているという事は、推進剤やエネルギーの消費が多いという事ですから、なるべくロケットを噴射せずに済ませたい処です。 そのため、機体の向きを変える際には、姿勢制御用のロケットを噴射する事は最小限に抑えて、3枚が1セットとなったリアクションホイールが主体となって、姿勢制御が行われる事になります。 【参考URL】 リアクションホイール - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%AB
- kagakusuki
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ビーム兵器(←レーザー兵器を含む)は、目標に吸収されたビームのエネルギーによって目標を加熱し、目標に穴を開ける事で破壊します。 ビームの出力が比較的小さい場合には、吸収されたビームのエネルギーで、目標を溶融させる事で穴を開けます。 ビームの出力が小さければ、穴が開くまでに何秒~何十秒にも渡って、目標の表面のただ1点に、連続して正確にビームを命中させ続けなければなりません。 しかし、常識的に考えて、無人機でもない限り、相手の方はビーム攻撃を受けた事に気づけば、機体の向きを変えるだけで、ビームが当たっている場所を変える(未だビームで加熱されていない箇所でビームを受け止める)事が出来ます。 又、不意打ちでビーム攻撃を受けても良い様に、常に機体に自転運動をさせておくという対処法もあります。 ですから、撃墜までに何秒も要する低出力ビームでは、実戦の役には立ちません。 従って、実用的なビーム兵器であるためには、一瞬の内に目標に穴を開ける事が出来る程の、極めて高い出力のビームを、只一点に集中する事が出来なければなりません。 その様な高出力ビームが命中すると、命中箇所の機体の表面を覆っている材質の表側の部分は、溶融どころか、一瞬の内に蒸発した上でプラズマとなり、高温のために急激に膨張しますから、プラズマの小さな爆発となります。 その爆発の圧力や衝撃で、機体の表面を覆っていた材質の裏側の部分が、内側に吹き飛ばされますから、ビーム自体が目標の内部に当る以外にも、吹き飛ばされた表面材によっても破壊が行われます。 又、命中箇所の小爆発の圧力は、命中箇所の周囲の表面材をも破壊する効果があります。 尚、一瞬で穴を開ける事が出来るのであれば、(ウルトラマンの様に)ビームを連続的に照射する必要はありませんから、狙撃銃の様にパルス状のビームを単発で発射する事になりますから、ビームの発射シーンは、ビーム砲から光の帯が伸びる様なものではなく、強力なフラッシュが一瞬輝く様なものになると思います。(紫外線や中性粒子ビームは、それ自体は目には見えませんが、ビームを形成するのには使われなかったエネルギーの一部が、光となって見える可能性があります) 前々回の回答でも述べました様に、ビームは発射から命中までに要する時間が極めて短い上に、直進性にも優れているため、攻撃目標の位置が判明していれば、容易に命中させる事が出来ます。 しかも、実用的なビーム兵器の場合は、一瞬で目標にダメージを与える事が出来ます。 そのため、先にビームを撃った側が勝利する場合が、圧倒的に多くなります。 つまり、ビーム兵器を使った戦闘では、どちらが先にビーム攻撃をしたのかによって、勝負が決まる事になります。 通常の場合、先に攻撃出来るのは、相手を先に発見した方です。 そして、より発見され難い性質を持つ機体の方が、相手が自機を発見するよりも早く、相手を発見出来る確率が高くなります。 そのため、ビーム兵器を使用した戦闘が主流となっている世界における戦闘用の宇宙船は、ステルス性に優れているものほど強いという事になると思われます。 現実の世界では長距離から敵機を発見するためには、レーダーが使われていますが、レーダーは強力な電波を発信していますから、レーダーを使用するという事は、自らの位置を敵に発見され易くしているという事にもなり、ステルス性が重要となる戦いにおいては、使用する事を避けるべき方法です。 そのため、使用可能な探知方法としては、 (1)敵機の表面で反射(乱反射も含む)した太陽光を探知 (2)敵機の表面から輻射熱として放射される遠赤外線を探知 (3)敵機のロケットの噴射ガスが放射する電磁波を探知 等が考えられます。 ですから、これらの方法によって探知される事を、出来るだけ避ける様にする事が、ステルス性を高めるためには必要となります。 (1)の探知方法である、太陽光の反射を敵に探知され難くするためには、特定の方向以外には、太陽光を反射しない様にすれば、偶然に敵がその方角にいた場合を除けば、自機の反射光を敵に発見される事はなくなるため、敵に発見される確率が極めて低くなりますし、偶然に発見された場合でも、互いの位置関係が変化すれば、自機を発見した相手の位置が、反射した太陽光が向かう方向から外れますから、相手は自機を見失ってしまいますから、自機が発見されている時間は、偶然にも時期の反射した太陽光を相手機が横切った一瞬だけとなり、その直後には相手は自機を見失ってしまいますから、相手機が自機を攻撃する事が出来ない訳です。 そのための手段としては、アメリカのステルス攻撃機のF-117の様に、機体の表面を機体の前後方向に対して、特定の角度に傾けた平面のみで構成する様にした上で、機体の全表面を鏡面仕上げとする事です。 【参考URL】 F-117 (航空機) - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/F-117_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F) 例えば、仮に機体の真正面に向いている平面の取り付け角度を0°とし、左側方に向いている平面の取り付け角度を90°と見做す事とした場合において、機体の表面を、例えば取り付け角度±0°の平面と、±30°の平面と、±75°の平面と、±90°の平面によってのみ構成されている外形とした場合で、太陽が機体の正面方向にある場合には、機体の表面は、機体の正面方向に対して、±60°ずれた方向と±150°ずれた方向にしか太陽光を反射しませんから、敵が偶然にも、自機に対して2時丁度の方向、10時丁度の方向、5時丁度の方向、7時丁度の方向、の何れかの方向にいた時にのみ発見される可能性がある事となり、僅かでもずれた方向にいた場合には発見される事がない訳です。 尚、太陽光の反射を探知されない様にするだけであれば、機体本体よりも大きな平面鏡を、自由に向きを変える事の出来るアームの先端に取り付けて、その鏡を日傘の様に太陽に向けて少し傾けて構え、機体全体を平面鏡の影の中に入れる、という方法もありますが、それよりも、前述の様に機体全体を平面鏡で構成した方が、電波やレーザーを使ったレーダーによる探知方法に対しても、探知され難くなるというメリットや、(2)の赤外線による探知に対しても探知され難くなるというメリットがあります。 (2)の遠赤外線による探知方法とは、高温の溶岩が赤く輝いている事から解る様に、温度が高い物体は電磁波を放出しますが、放出される電磁波の強さは、電磁波の強さによって異なり、物体の温度と物体表面の性質により、放出される電磁波の強さが最も強くなる波長(ピーク波長)は異なります。 そして、物体の温度が高い程、波長のピークも高くなります。 例えば、完全に真っ黒な物体があったとすれば、その物体が27℃において最も強く放射する電磁波の波長は、10億分の9660mになりますが、これは遠赤外線(波長0.000004~0.001m)の波長域に当たります。 宇宙船の表面温度は、27℃とは限りませんが、少なくとも背景となる宇宙空間よりも温度が高いため、遠赤外線で輝いている事になり、遠赤外線を捉える事の出来るカメラを使えば、ステルス性が高くはない宇宙船であれば、探知する事が可能になる訳です。 処で、物質には特に吸収し易い電磁波の波長というものがあります。 例えば、赤い色をしたものは、赤い光よりも緑色の光を吸収し易いため、反射光には赤い光の成分が多くなり、赤く見える訳です。 そして、物質は、温度が高い場合においては、吸収し易い波長の光を放出し易いという性質があります。 つまり、物質にはエネルギーを出し入れし易い電磁波の波長というものがある訳です。 900℃程度の温度になると、物体は赤い光を発するようになりますが、27℃では物体は遠赤外線を発して輝いている訳です。 そして、遠赤外線の吸収し易さによっては、同じ27℃においても、遠赤外線で強く輝く物質もあれば、弱くしか輝かない物質もあるという事です。 鏡というものは、入射した光の大半を反射していますから、光をあまり吸収していないという事が判ります。 つまり、鉄が赤熱する温度と、同じ温度にまで鏡を加熱しても、鏡が放射する赤い光の強さは、鉄よりも弱くなるという事です。 同様に、宇宙船の表面を、赤外線を反射する鏡で覆ってしまえば、輻射熱として放射される遠赤外線の量が少なくなり、探知され難くなるという訳です。 つまり、太陽光の反射を探知され難くするために、機体の表面を鏡面仕上げした平面で構成するという方法は、遠赤外線による探知からも、探知され難くする効果もある訳です。 又、船体の外壁を魔法瓶の様な2重構造とする事で、船内の熱を船体の表面に伝わり難くする事で、赤外線の放射をより一層低減する事も出来ます。 ※回答欄の入力可能文字数を超えてしまうため、残りはまた後で投稿させて頂きます。
- kagakusuki
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前回の回答では、波長がUV-B以下のレーザーを使用すれば、鏡面仕上げの金属に対しても、有効にダメージを与える事が可能であると述べましたが、その様な短波長のレーザーを反射する事が可能な鏡も存在します。 それは「多層膜ミラー」と呼ばれるもので、屈折率が異なる2種類材質を用いて、反射する光の(その材質内における)波長の4分の1の長さに等しい厚さを持つ層を、交互に20層くらい積み重ねた構造をしています。 水面という空気と水の境目では、入射した光の一部が反射されすまが、それと同じ様に、屈折率が異なる層の境界でも、光の一部が反射されます。 積み重なった層の厚みが光の波長の4分の1の場合において、各層の各々の境界で反射した光は干渉して強め合うため、反射光として積層された構造から出て行く時には、入射光の99%前後の強さとなります。 反射光の強さが入射光の強さの99%という事は、即ち、反射率が99%という事です。 一般的な鏡の反射率は80%前後、反射式天体望遠鏡の反射鏡でも90%前後と言われていますから、多層膜ミラーがいかに高性能であるのかが判ります。 つまり、船体の表面を鏡面仕上げにしただけでは、レーザーが持っているエネルギーの5分の1以上のエネルギーを吸収してしまうのですから、レーザーの出力を5倍近くにまで上げれば、鏡面仕上げの敵機にもダメージを与える事が出来る事になりますが、反射率99%の鏡に対する場合には、100倍の出力が必要になる訳です。 但し、多層膜ミラーにも弱点があります。 それは、入射光の波長が、膜の厚さの4倍ではない場合には、各層の境界で反射した光同士が干渉しなくなり、反射率が急減するという点です。 又、光が入射する角度が変化すると、膜の中を光が通過する距離が変わるため、層の厚さが変わったのと同じ状況になりますから、光を反射出来る角度が狭い角度範囲に限られるという弱点もあります。 尤も、層を重ねる回数を何百から数千層と多くした上で、広い範囲の波長域に対応させるために、各層の厚みを、内側から外側までにかけて、徐々に変化させる様にすれば、これらの弱点が、ある程度は軽減される可能性があります。 【参考URL】 CVI メレスグリオ >製品情報 > 光学部品 > オプティクスガイド > コーティングの特性 > 高反射コーティング 1 > 2 > 3 > 4 http://mgkk.com/products/01_kougaku/guide/5/5coating_6a.html CVI メレスグリオ > 製品情報 > 光学部品 > コーティングの特性 > コーティングの特性 PDF版 http://www.cvimgkk.com/products/pdf/01-guide/cvimgkk-guide5_all.pdf シグマ光機株式会社 > コミュニティ > 光学屋さんのまめ知識 > ミラー選定のポイント http://www.sigma-koki.com/pages/community/knowledge/015_jp.php [追伸] 戦闘方法に関しては、又改めて投稿したいと思います。
- kagakusuki
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「QNo.6823018 宇宙における戦闘機 艦隊における戦争」を拝見させて頂きました。 宇宙空間において、もしも戦闘を行うとすれば、自機と敵との間の距離は、極めて遠いものとなります。 その上、お互いの相対速度(速度の差)も、極めて大きくなりますから、現在の大気中を飛ぶ戦闘機の様な、相手の後ろに回り込んで攻撃を行うドッグファイト(格闘戦)は、殆どの状況では行う事が不可能です。(相手の後ろに着いて行くためには、進む方向と速度を、相手に合わせなければならないため) そのため、宇宙空間における戦闘は、超長距離から相手を狙い撃ちにするというものになると思われます。 現実の世界においては、長距離から攻撃する場合には、ミサイルが使用されます。 これは、長距離では様々な要因により、進路が狂ったり、標的の位置が途中で変わったりするため、誘導装置を使用して飛翔中に進路を修正しないと、命中する事が難しいからです。 宇宙における戦闘においても、ビーム兵器等よりも大きな威力を持つミサイルは、ある程度は有効な兵器と言えると思います。 その場合のミサイルは、QNo.6823018のANo.8様の仰る様に、衝突時の運動エネルギーによって、目標にダメージを与える「運動エネルギー弾頭」(「衝突エネルギー弾頭」という言葉は聞いた事がありません)になると思います。 但し、この方式には、ミサイルがそのまま直撃する方式も勿論ありますが、その他にも、ミサイルの弾頭部が傘の様に広がって、面積を増やす事で命中する確率を高めるという方式や、目標に近づいた所で弾頭部が破裂して、比重の重い金属で出来た、多数の散弾を目標が存在している方向に向かって撒き散らすという方式もあります。 弾頭から散弾を撒き散らせばスペースデブリを増やす事になります。 QNo.6823018のANo.8様はスペースデブリの事を心配されて、「デブリ兵器使用禁止条約」というアイデアも出されて居れましたが、例え「デブリ兵器」や「散弾式弾頭」の様な故意にスペースデブリを撒き散らす兵器を使用しなかったとしても、戦闘によって宇宙船やミサイル等が破壊されれば、結局は大量のスペースデブリが発生してしまいますから、宇宙空間における戦闘行為自体を禁止しない限りは、スペースデブリの大量発生を防ぐ事は出来ないため、スペースデブリ対策としてはあまり意味があるとは言えない「デブリ兵器使用禁止条約」が締結される事は不自然だと思います。 処で、ミサイルを作品中で使用する場合には、その推進装置が弱点となります。 自機との速度の差が大きい標的に対して、側方などから攻撃を加える場合には、ミサイルの速度によっては、攻撃出来ない場合もあり得ますから、ミサイルの速度はなるべく速い方が良い事になります。 推進装置は、推進剤を高速で噴射する事によって推力を発生します。 推進装置によって加速した際に得られる速度は、噴射する推進剤の質量が多い程、又、推進剤の噴射速度が速い程、速くなります。 ですから、ミサイルの速度を速くするためには、ミサイルの質量に占める推進剤の質量の割合を大きくした上で、噴射速度を速くすれば良い事になります。 しかし、弾頭が軽すぎれば威力が無くなりますから、推進剤の割合を増やすためには、ミサイルを巨大なものとせねばならず、宇宙船に搭載するには現実的ではありません。 又、噴射速度を速くするためには、推進剤に大きなエネルギーを与えてやればよいのですが、本来使い捨てであるミサイルに、核融合炉や対消滅反応炉の様な、高価な動力源を塔載する訳には行きません。 従って、ミサイルの推進装置として使う事が出来るのは、安価な化学ロケット位のものですが、化学反応によって得られるエネルギーは、さほど多くはありませんから、作品中におけるミサイルの到達可能速度は、核エネルギーを使用する宇宙船と比べて見劣りするものとなります。 そのため、ミサイルを使う事が出来るのは、お互いに向かい合った状態で、近づいて来るのに近い状況等の様に、結構限定された状況のみとなるため、作品中ではミサイルの出番は少ないと思います。 そのため、攻撃の主体はビーム兵器になるのではないかと思います。 ビームは発射から命中までに要する時間が極めて短いため、命中までの間に目標が移動する事による影響が少なく、直進性が高いために照準した場所と命中する場所とのずれが殆どない、という特徴があります。 但し、目標にダメージを与える事が可能な程の高い出力を持つビームを発生させるためには、莫大なエネルギーを、極めて短時間に、ビームの発生装置に集中させる必要がありますから、強力なエネルギー源が必要となるため、燃料と酸化剤を反応させる化学的エネルギーを使った場合には、動力源だけでもジャンボジェット機にすら塔載出来ない程のサイズとなりますし、核融合炉や反物質の貯蔵設備は大掛かりなものとなりますから、何れにせよ戦闘機やモビルスーツに搭載する事は難しいと思います。(ジャンボジェット機の改造機に搭載されたレーザー砲の試作機は実在しますが、戦闘用の宇宙船を破壊するには性能不足) ですから、ビーム兵器を使用するためには、動力源の問題を解決せねばならず、この辺りは、作品中で動力源をどの様な設定とするかに係って来ると思います。 ビームと言っても様々な種類がありますが、QNo.6823018のANo.7様が仰っておられる重粒子線は、宇宙空間にも存在している磁場によって、進路を曲げられてしまいますし、ビームを構成している荷電粒子は、粒子が持っている電荷によって、お互いに反発力を及ぼし合っていますから、ある程度の距離を進むと拡散して威力が無くなってしまいますので、近距離でもなければ命中する事は期待出来ず、宇宙空間における戦闘には不向きです。 その様な欠点のないビームとして、1980年代から1990年代に計画されたSDI構想では、「中性粒子ビーム」の実験が行われた事があります。 これは、水素原子に1個余分な電子を与えた、水素のマイナスイオンを作り出し、そのイオンを加速器を使って加速して、水素のマイナスイオンのビームを作り出した後、そのビームを希薄な気体の中を通過させる事で、水素のマイナスイオンを気体の分子や原子に衝突させ、衝突のエネルギーで電子を1個失わせる事で、電気的には中性の、水素原子のビームに変換するというものです。 このビームは、ビームを構成している粒子が電気的には中性であるため、途中で拡散したり、磁場で曲がったりせずに、直進する事が出来ます。 但し、他の原子と衝突すると、電子を失って只の陽子ビームとなり、陽子ビームは荷電粒子ビームの一種ですから、長距離攻撃には使えなくなるため、例え高空の大気が薄い所であっても、大気圏を通して中性粒子ビームで攻撃する事は出来ませんので、作品中で使用する際には注意が必要です。 それから、QNo.6823018のANo.7様はレーザーは鏡面仕上げにする事で防御可能と仰っておられますが、金属には強く反射する事の出来る電磁波の波長に限界があり、金属の種類毎に異なる特定の波長よりも、短い波長を持つ電磁波に対しては、反射率が半減以下になります。 そこで、紫外線の一種であるUV-B (波長 280~315 nm)か、或いはそれよりも短い波長を持つ光のレーザーを使えば、鏡面仕上げをした目標に対しても、有効なダメージを与える事が可能になるのではないかと、私は思います。 レーザーの一種に、エキシマと総称される、「複数の原子が、高エネルギーの状態においてのみ存在可能な組合せで、分子様に結合したもの」が分解する際のエネルギーを使ったレーザーである、エキシマレーザーの中には、波長が紫外線領域となっているものもあるため、これを高出力化すれば、鏡面仕上げ防御を施した敵機に対しても、有効なビーム兵器となる可能性があります。 又、自由電子レーザーは、設計によって波長をある程度自由に決める事が出来ますから、おそらくは紫外線領域のレーザービームを発生させる事も可能だと思います。 この他に、小型の核爆弾を爆発させて、そのエネルギーの一部で、X線領域のレーザー光を発生させる、X線レーザーという使い捨てのビーム兵器が、SDI構想で研究されていた事があります。(下記の参考URLでは、他のレーザーのエネルギーで作り出したプラズマを使って、X線レーザーを発生させていますが、SDIのものは核爆発を使ってプラズマを作った訳です) 【参考URL】 エキシマレーザー - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC 自由電子レーザー - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC X線レーザーの原理と開発の現状 (08-04-01-28) - ATOMICA – http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=08-04-01-28 以上は攻撃手段に関する事ですが、戦闘方法に関しては、又改めて投稿したいと思います。
- foomufoomu
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レーガン大統領時代、アメリカでは「スターウォーズ計画」が進行していましたね。無人衛星にレールガンなどを積んで、地上兵器、弾道ミサイル、宇宙船(人工衛星)を目標に戦うという構想です。 レーザー兵器は、よほど大きなエネルギー源を積まないことには、敵に針の穴を開けるだけでしょう。 ノースアメリカン社のX15(やや昔の戦闘機ですが)あたりになると、ロケットエンジン(酸化剤を内蔵)を持ち、成層圏まで飛べたので、宇宙戦争も可能かと思います。スペースシャトルはX15の発展形態ですから、装備しだいで十分に宇宙戦争に使えるのではないでしょうか。 もっとも、戦争という行為自体、野蛮で非生産的なことですから、こんなものにハイテクの粋を使うことなど無意味と思いますが。
- sailor
- ベストアンサー率46% (1954/4186)
少なくともアニメやSF映画のようなドッグファイトや目視距離での砲撃はありえません。なぜかというと宇宙空間では重力や空気抵抗が働かないため、爆発したときに飛散する破片は爆発時の速度を保ったままでどこまでも飛んできます。したがって、艦隊同士が向かい合って砲撃戦をしたら、命中して爆発した敵艦の破片を砲撃した方の宇宙船もまともに受けることになります。秒速数キロなどという速度で飛んできたらタバコの吸殻でも戦闘機を破壊するには十分でしょう。また、レーザーなどの光線や電磁波を利用した兵器では、発射を検知したときイコール命中した時ですのでよけることはできません。光線が見えたということは、目に光線があたっているということですからね。電磁波も速度は光と同じですから発射を完治したときはあたった時ということです。また、秒速数キロメートルで飛んでいる母艦から小型の意戦闘機が発信した際に、もしもそのままの速度で旋回したとしたら、半径数万キロの旋回しかできないでしょう。地球上の戦闘機のような旋回をしたら遠心力で潰されて数センチ厚ぐらいにペったんこになるでしょうね。もちろんパイロットは即死ですね。 無重力空間で空気抵抗も無い状態では地球上の戦闘のイメージは全く通用しません。したがってガンダムも宇宙戦艦ヤマトもスタートレックもありえません。
お礼
大変詳しくありがとうございました 凄く参考になりました