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航空機が旋回する際の姿勢について

「【力学】カーブの描き方」の質問を見て疑問に思ったのですが、回答欄で質問する訳には行きませんので新しく私の質問とさせていただきました。 普通、航空機が右旋回する場合には右に傾くと思うのですが、翼が遠心力を受けるために傾けるのだと考えれば、別に左に傾きながら右旋回しても良いのではないかと思います。乗っている人にとっては重力の向きが大きく変わってしまうので旅客機ではそういうわけには行かないでしょうが、戦闘機などでは左に傾きながら右旋回する場合もあるのでしょうか?

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  • funflier
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回答No.3

>普通、航空機が右旋回する場合には右に傾くと思うのですが、翼が遠心力を受けるために >傾けるのだと考えれば、 「翼が遠心力を受けるために傾ける」はちょっと違います。遠心力を受けるのは飛行機全体で あって(中の乗客も全て)、この全ての質点の代表として重心を考えます。 水平飛行をしている際は、この重心に作用している揚力と重力の方向が正反対であり、釣り 合っています。このとき乗客にかかる垂直方向(下方)のGは地上と同じ1Gです。 飛行機の旋回では遠心力と重力の両方の合力が働きます。この合力の方向と揚力の方向が 「正反対になるように」機体を傾けて(ロールさせて・バンクをとって)行います。この際、機体を 傾けただけでは、ただ傾けた方向に横滑りするだけなので、傾けて(エルロン・フライトスポイ ラーを使う)上に機首を上げ(エレベーターを使う)、さらに機首を旋回方向に向ける(ラダーを 使う)、という3軸方向の操作を連携させて始めてこの「釣り合い旋回(coordinate turn)」が 可能になります。(この状態を知るために、計器として「turn&bank indicator」がついています。 これは何のことは無い、半月形のガラスチューブにボールを入れたものです。) このとき乗客が受けるGの方向は水平飛行と同じ下方で、大きさは旋回バンク角で決まります。 60°バンクなら2Gで、乗客は体重が2倍になったと感じます。(実際にやると、顔面が下に 引っ張られる感覚になり、腕が重くなったと感じます。) しかし旅客機では乗客の快適性から も構造強度上からも、ここまでの深いバンク旋回はしませんし、出来ません。(航空機は種類 を「耐空類別」として区分けされ、出来る事がそれぞれ制限されています。) (参考サイト) http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p059.html http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p062.html >別に左に傾きながら右旋回しても良いのではないかと思います。乗っている人にとっては >重力の向きが大きく変わってしまうので旅客機ではそういうわけには行かないでしょうが、 >戦闘機などでは左に傾きながら右旋回する場合もあるのでしょうか 語弊を承知で言うならば単に飛行機としては、不可能ではないです。実際ラジコン機では可能 です。ですが、このためには主翼はほとんど横滑り状態で揚力は発生せず、遠心力と重力に 対抗するのに必要な合力は胴体で発生させる揚力と、上に機首を向けることでプロペラの推 進力の一部を使って得ています。これは人が乗る実機では実質的には出来ません。人間に かかるGが、遠心力と重力の合力をほぼ真横から受ける形になりますし、機体もそれが可能 な側面形状・面積を持っておりません。 旅客機でも、浅い逆バンク旋回に近いことは着陸で高度を落とす一時的方法として使われます。 (このときはエルロンとラダーを逆に切ります。) 非常に深い逆バンク旋回では、常に機体上面 を外にする「逆宙返り」に近いことになり、ほとんど全ての実機は機体がこのマイナスGに耐える 機体強度を持っていません。何より人間が耐えられません。頭に血が上り、眼球に血流が集ま り視界が赤くなるレッドアウト等を起こします。

el156
質問者

お礼

たいへん丁寧な説明をありがとうございました、ラジコン機の例と旅客機が高度を落とす例の説明をいただいて、完全にわかった感じを持てました。リンク先も大変適切でわかり易かったです。

その他の回答 (2)

回答No.2

遠心力というよりは、揚力のバランスの差によって結果として機体の傾きが起こると言った方が正しいと思います。 ・外側は揚力が大きくなり、運動エネルギーも増す(翼端が上がる) ・内側は揚力が小さくなり、運動エネルギーも減る(翼端が下がる) 曲芸飛行や高度な戦技訓練などでは、『アウト』などといわれる『操縦席が回転の外側に向いたループ』をすることがありますが、遠心力で座席から引き離されるのに逆らわなければならず、血液も頭の側に引っ張られるので、肉体的な負担は非常に高くなります。この場合は傾きはハンパな角度ではなくて、直角になります。途中の角度だとバランスの微妙な変化でどちらの方向にきりもみを始めるか分からなくなるため、プロでも並々ならぬ訓練が必要です。 民間機のフライトでは、仮に旋回方向の外側に敢えてバンクさせながら飛行しようとすると、腰周りに軽く一本巻いている程度のシートベルトで踏ん張りきれるとは限りませんし、遠心力への厳しい訓練をした人が乗るわけでもありません。トイレ等への行き来でシートベルトを外している人もいるでしょうしね。旋回面の外側に踏ん張るべき足があってくれるような内側向き旋回の方が間違いなく安全ですし、消費するエネルギーの面でも効率的です。

el156
質問者

お礼

ありがとうございました。直角の方がマシだということで誤りに気づきました。機体が非常に軽くて揚力が殆ど要らないような場合をイメージしてしまっておりました。

  • ultraCS
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回答No.1

遠心力に対抗して揚力の一部を向心力として使うために内側にバンクしています。 さらに、外側にバンクしたら、横滑りしてそもそも旋回できませんよ。空気による揚力の働かない宇宙空間などでは別でしょうが、それでも、乗員の能力の維持を考えれば、逆バンクでの旋回はあり得ないでしょう。

el156
質問者

お礼

外側に傾いていたとしたら揚力の分力が遠心力と同じ向きになってしまうことに気づきました。早速のご回答をありがとうございました。

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