こんにちは。
まず、我々動物には左右を識別するための感覚器官というものがありません。上下といいますのは重力を基に三半規管によって判定され、太陽光の方向でも判断が可能です。ですが、左右といいますのは自然現象ではなく、これは飽くまで人間が作り出した観念です。従いまして、我々動物の脳にはそもそも左右を直接識別するための機能というものは存在しないのであります。
上下左右というのは、脳内では視覚情報による「空間座標」として纏められています。ですから、「前」「後ろ」となど言われたとき、我々はその言語情報を脳内の視覚情報と一致させているわけです。脳内座標では、「前後」「上下」はどんな体勢のときでもはっきりと決まっています。ところが、左右の座標は対称に造られているため、我々はまず前後を把握してからそれを論理的に割り出さなければならないということになります。
このように、上下、前後の判断が早いのは、我々がそれを視覚的に判定できるからです。従いまして、間違えないようにするためには、頭の中に何か「左右の視覚的な違い」を創り出せば良いわけです。
昔から「ご飯は左、箸は右」と憶えるのも、これを視覚情報として扱うためです。我々の脳は、言語情報や聴覚情報では果たして左右を決めることはできません。飽くまで、箸を持つ手を頭に思い浮かべられなければならないわけです。
箸と茶碗を思い出しても良いのですが、右へ曲がれといったときなどは、例えば「右」と「左」の文字を右側と左側とに思い浮かべるようにすれば少なくとも間違いは減らせるのではないでしょうか。更に、「右」は赤、「左」は青といった文字に色を付けておけば効果も上がると思いますが、反応というのは果たして訓練以外に手段はありません。
戸惑うのは誰でも同じです。車を運転したことのないひとは、良くいきなり「その信号右!」なんて言いますよね。これけっこう危ないんです。
お礼
とても参考になりました。 ありがとうございました。