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パワートランジスタの内部容量について
パワーMOSFETの内部容量 Ciss、Coss、Crss について勉強しています。小さければスイッチング速度が速く出来ことはおおまかに理解できるのですが、もうすこし詳しく3つの値の持つ意味やにこの値を調べることにどのような意味があるか教えて頂けないでしょうか。
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MOSFETでは、ソース・ドレイン間のチャネルのポテンシャルをゲート電圧で上下させることにより、チャネル電流を制御します。 ゲート電圧をいきなり変化させてもゲートポテンシャルがすぐに変化するわけではなく、またチャネル電流もすぐに追従するわけでもなく、必ず時間遅れが生じます。 この間に何が起こっているかを、時間を超高分解能で観測すると、先ずゲートから電荷が注入され(電流が流れ)てポテンシャルを変化させ、一定のポテンシャルに達した時点でゲート電流は0になります。 電流が流れて一定時間後に0になる、これは即ち、ゲート端子に容量が存在することを意味します。 Ciss(入力容量)は、入力端子側から見た素子全体の容量を意味します。 アナログ回路の場合は、入力の一部が無駄になるので、ドライブ損失の指標となります。 逆にCoss(出力容量)は、出力端子側から見た素子の容量となります。 容量が大きいと、ゲートをオフにしてもいつまでたっても電流が流れ続ける、つまりキレの悪いスイッチとなります。 FETの3つの端子(gate,saurce,drain)の間にはそれぞれ容量があるので、 Ciss=Cgs+Cgd Coss=Cds+Cdg の関係にあります。 Crss(逆伝達容量)は、純粋にゲート・ドレイン間の容量Cgdとなります。 その意味するところは、ゲート電圧にドレイン電流がどの程度追従するかであり、容量が大きいと、スイッチング回路ではゲートをオンにしてもなかなか電流が立ち上がらず、オフにしてもキレが悪いこととなります。