>構造や地盤等諸条件で異なるとは思いますが
まさしくその通りなのですが、設計上は滑動や転倒、沈下などに対して安定するように設計します。時間経過で安定するような設計はしません。
もし、時間の経過と共に擁壁本体が動いたり躯体にクラックなどが入るような状態になるのは、
1.設計段階では想定しなかった(もしくは出来なかった)湧水や地盤変動が発生した。
2.基礎地盤が液状化などにより軟弱化した。もしくは流水などにより洗掘された。
3.コンクリートの中性化が進み、中の鉄筋が腐食して強度が落ちた。
4.施工不良(背面土の転圧不足、指定以外の土砂の使用、コンクリートの打設の不良、など)。
1については、設計段階の調査不足があげられます。ボーリングや地盤の状況を十分に観察していなかった、もしくは昔の地形などを調べずに沢道などの存在を見逃した、などがあります。
2の場合はそこの地盤と云うよりも、広い範囲での状況変化なので、なかなか予測はしづらいですね。河川の護岸工などの場合は基礎が洗掘されないよう、根入れを深く取るのが普通ですが、通常の擁壁と同じように根入れを設定すると突発的な増水で基礎や背面の地盤が洗い流されて、擁壁が倒壊することがあります。
3は鉄筋コンクリート構造の宿命です。建物などの老朽化も同じ理屈です。一般に鉄筋コンクリートの建物が耐用年数50年と云われるのは、鉄筋の被りが建築の場合だと5cm位としているからです。コンクリートの中性化は、1cm/10年くらいの速度で進むので、50年で鉄筋まで達します。打設直後のコンクリートはアルカリ性なので、鉄筋は腐食から守られますが、コンクリートが中性化するとそこから鉄筋も酸性に進むので腐食が始まります。
4はもう論外・・・
お礼
初期データの精度は定かではありませんが、数年で最大数センチ下流側へ傾斜、または移動してまして、経過を注視してます。 1から4の具体例を参考に、今後の動向に生かしたく思います。 遅くなりましたが、回答有難うございました。