「語源」サイトについてはほかの方が詳しく説明されていますので、「しし」の方について。
「獅子」だけ由来が完全に異なりますね。
これだけは漢語、残りは和語です。
「獅子」については、もともとペルシャ語からの音訳なのだとか。
ライオンは、中国人にとっても、もともと異国の動物ですからね。
もっとも、この語が日本に伝わった後、「獣」を表す和語である「しし」と大いに混同されたで
あろうことは想像に難くありません。
「ししおどし」が「獅子威し」と書かれたりすることがあるのはそのせいでしょう。
「鹿」 「猪」 「獣」 「肉」については、似たジャンルというより、もともと全く同じ言葉
だったと見るべきです。
つまり、狩猟生活を営んでいた古代日本人にとって、森にすむシカやイノシシといった獣という
ものは、すなわち「肉」そのものだったわけです。
そこへ、中国から漢字が伝わり、それらの漢字に同じ「しし」という訓読が与えられたわけですが、
異なる漢字を使うことによりそれぞれの漢字が表す意味の違いが認識されるようになり、また、
仏教の影響などで肉食文化が廃れるにつれて、それぞれの「しし」は別の単語として認識される
ようになって行ったのでしょう。
なお、食料としての「肉」と動物としての「獣」を同じ「しし」と呼ぶのは奇妙に思われるかも
しれません。
しかし、考えてみると、現代の私たちも、「魚類」のことを、「さかな」=「酒菜(肴)」=
「酒のつまみ」と呼んでいるのです。
それを考えると、古代の人々が「獣」と「肉」を同じ名で呼んだのは、当然なのかもしれません。
なお、「魚類」を表す元々の和語は「うお(いお)」です。