ドラマ『善徳女王』は、ほとんど(98%くらい)が創作なんですよ。
歴史エンターテイメントです。最近の韓国の時代劇ドラマはこういう、脚本家が腕をふるう創作物が大部分です。『朱蒙』も。
確かに韓国の教科書に名前が出て来る人物も登場します。キム・ユシンなんかは伝説の逸話に名前が出て来るので、韓国では小学生向けの絵本にもなってます。日本でも『弁慶と義経』のお話なんかは絵本とかになってますね。あんな感じで、なじみのある人名がちょこちょこ出ます。
でも、主人公の善徳女王はドラマの中では次女ということになってますが、本当は長女なんです。で、中国で育ったというのも事実ではありません。創作です。
出生の秘密、はありません。
出生の秘密も無く、ただ王宮でおしとやかに育ちましたよりも、中国奥地の砂漠のまん中で生きるか死ぬか! だとドラマティックです。
ドラマとしてはすばらしいですね。わくわく、ドキドキがいっぱいです。
ミシルという女性(美室? 韓国では 美実 という漢字で書いてましたが)は作った登場人物です。
ミシルという人は韓国朝鮮の歴史書に全く登場しません。
1989年に「韓国朝鮮で最古の歴史書が発見された!」としてマスコミに登場した『花郎世紀』という本に初めて名前が出て来ました。
この『花郎世紀』がドラマ『善徳女王』の原作となっています。
しかし同書は荒唐無稽な内容が多くて、ニセの歴史書であり、発見して筆写したとされる朴昌和の書いた小説だと見る歴史学者が大部分です。
この本ではミシルが数百歳まで生きたことになってるらしいです。
また、この「歴史書」を発見して筆写したとされる朴昌和は1945年の終戦後、ポルノ小説を書いて生計を立てていたことが知られています。韓国の新聞、朝鮮日報ではドラマ『善徳女王』が放送されていた頃、「原作の朴昌和氏は性愛小説家」と書かれていました。
『花郎世紀』では花郎を男色集団として書いているそうです。また、善徳女王は4回結婚したことにもなっているそうです。
こういう、他の歴史書に全く出て来ない性的な内容が多いのは彼が「性愛小説家」だったことを考えれば納得です。
テレビ局の宣伝では「実際の歴史に基づきながら」とか言ってますね。これは大誇張です。誇張が過ぎて、事実ではありません。センセーショナルに宣伝したら盛り上がるからでしょう。テレビ局は事実を破壊しない範囲内で上手に宣伝して欲しいものです。
女性を主人公にすると時代劇でも現代劇でも視聴率が良いんです。ドラマを見るのは男より女が多いですので。日本でも『篤姫』がすごい好評でしたよね。時代劇だと男性視聴者もひきつけますし。
あの『チャングム』の監督も、日本のテレビ局が「どのくらいが歴史的事実か?」と質問したのに対して、「1%くらい。」と答えてます。
衣裳も、韓国では昔の衣裳は資料がほとんど残ってないので、デザイナーが想像を働かせて作ってます。李氏朝鮮くらい時代が下った頃の衣裳についても、王族の衣裳は資料が残ってますが王族でない貴族の服装については特に女性については資料が少なくてよくわかっていません。
李朝以前の時代の衣裳となると本当に歴史資料が少ないので、衣裳担当者はかなり自由に創作出来ます。
建物も資料が少なくてよくわかってないので、全然違う時代のドラマでも同じセット場で撮影しちゃってます。よく見ると「アレッ、この建物、○○っていう歴史ドラマにも出て来た建物だっ。」。時代や国が全然違っても同じセットを使っちゃうってのが、韓国らしい(?)。
戦いで使う刀(かたな)も韓国の軍事オタクさんによると「あれは日本刀」だそうです。当時朝鮮半島で使われていた刀は、持ち手のところが丸い輪っかになってる物が一般的だったそうです。やっぱり日本刀の方が戦闘シーンの時、見栄えが良いんでしょうかね。
歴史の勉強にはあんまりなりません。ドラマとしてワクワク、ドキドキ楽しみましょう。
お礼
回答ありがとうございます。 98%ですか…!! 驚きました。 ドラマとして、ドキドキ… 楽しみながら見ようと思います♪