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良心の呵責を感じた時の脳内の変化

良心の呵責を感じると何となく胸の当たりがいたくなるような気持ちになります。これは脳の中で何かの伝達物質が発生しているのではないかと想像するのですが,実際にはどのような変化が生じているのか,詳しい方,教えていただけますでしょうか。

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  • ruehas
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回答No.1

こんにちは。 この胸が圧迫されるような感覚は、これは大脳辺縁系に発生する情動反応による「情動性自律反応」です。 「大脳辺縁系・偏桃体」の役割は、身体内外に与えられた状況に対して利益・不利益の判定を下すことです。これによって発生した情動反応は自律神経系を司る「視床下部」を介して身体に直接出力されます。 良心の呵責ですから、この場合は不利益・不快という判定が下されています。このような場合はその状況に対処するため、交感神経系の働きが活性化され、 「心拍、呼吸の上昇」 「血管の収縮」 「内臓弛緩」 「発汗、立毛筋緊縮」 などといった緊急の生理状態が整えられます。 冷や汗が出たり、胃がしくしくするのもこのためです。 同時に、身体の危険や苦痛を警告する「青班核A6神経」からは脳内広域に「NA(ノルアドレナリン)」の一斉投射が行われます。 これにより、 「大脳皮質:意識、注意」 「辺縁系:情動反応」 「海馬:記憶力」 「視床下部:自律神経系への連絡」 このような機能が一様に活性化されるのですが、これも与えられた状況に迅速に対処するための「ストレス対処反応」です。 ですが、良心の呵責でなくとも、我々は例えば好きなひとと目があったときでも胸はキュンとしますよね。つまり、これも脳にとっては緊急事態というわけです。 別に我々の脳内には良心の呵責が発生しているわけではありません。下される判定は利益・不利益の二種類しかありませんし、胸が詰まるのは情動性の自律反応です。ですが、そのとき我々の心の中には何か不味いことをしてしまったといった意識があります。要は、ここで一通りの状況判断が行われるわけです。そして、これにより今自分に発生している反応の原因が特定され、我々はこれを良心の呵責と認識しています。このため、呵責の心痛と恋の胸キュンは同じ生理反応であっても通常別な感情として自覚されます。ですが、中には恋のときめきを良心の呵責と取り違えてしまうような初心なひとも時々います。

Jerry_info_svs
質問者

お礼

とても詳しく,かつ分かりやすいご説明をありがとうございます。わたしたちが良心の呵責を感じている時,脳内では「情動性自律反応」が生じていて,それは好きなひとと目があったときに胸がキュンとなる状態と,メカニズム的には全く同じであると考えてよろしいわけですね。情報に感謝いたします。

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