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ヴェルディのレクイエムの魅力とは?
- ヴェルディのレクイエムはオペラ風の曲で、ソロが多くて合唱は背景に隠れがちです。そのため、歌っていてあまりおもしろくないと感じる人もいます。
- 一方で、ヴェルディのレクイエムを魅力的と感じる人もいます。特にディエス・イレとリベラメの部分は人気で、そのリズムが好きな人もいます。
- ヴェルディのレクイエムが好きな人もいれば、あまり好きではない人もいます。オペラがあまり好きではない人は、ヴェルディ自体が分からないことが原因かもしれません。しかし、音楽の専門家でもある私は、ヴェルディには関心がなくても少し知る価値があると思っています。
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ヴェルディがお好きな方は、以下の文章をお読みにならないで下さい。 不快感を与えると思います。 先に謝っておきます。m(_ _)m ------------------------------------- 私はロッシーニやプッチーニのオペラは好きですが、ヴェルディの音楽は好きになれません。はっきり言えば、大嫌いです。彼の音楽を聴くと「軍歌」を連想します。軍国主義的なものを感じます。 例えばヴェルディのオペラ『マクベス』。これはダンカン王を殺して権力を握ったマクベスが、魔女の予言の通りにマクダフという男に殺され、ダンカン王の遺児マルコムが王位を回復するという話です。 シェイクスピアの原作では、運命から逃れようとして逃れきれないマクベスの悲劇になっています。しかしヴェルディのオペラでは、ダンカン王の遺児マルコムが王位を回復するという点が非常に強調され、華々しく終わるようになっています。これには時代背景があります。 ルネサンス~バロック時代には文化の発信地だったイタリアですが、古典派~ロマン派の時代には、ナポレオンの侵略を受け、諸外国に分割統治されました。イタリア人の間には民族統一運動が起こり、革命戦争の末、1861年にサヴォイア朝イタリア王国が再興されます。ヴェルディのオペラが人気を博したのは、まさにこのような時代でした。 ヴェルディの音楽には、熱狂的な民族主義の雄叫びを感じます。それは『レクイエム』にも現われていると思います。特に「リベラ・メ」の部分に。彼の音楽は、好きな人にとっては、「高揚感」をもたらすのだと思います。私は吐き気を催しますが。 ヴァーグナーの作品にも、ナチス・ドイツに利用されかねない「危うさ」を感じますが、ヴェルディはそれ以上だと思います。 オペラ的というなら、ロッシーニの『スターバト・マーテル』なども、非常にオペラ的でドラマチックです。でもロッシーニの音楽には優しさと敬虔さがあると思います。
お礼
深く考えさせられる回答、ありがとうございました。 ナポレオンの侵略を受けたことが大きく関係しているのですね。 時代背景と音楽は常に密接的に関わっているので、ヴェルディの時代には、このような作品が生まれて当然であり、ヴェルディらしいですし、亡きロッシーニへの追悼の気持ちも強かったと思います。 ドイツ的な激しさに圧倒されます。 私は、どちらかというと、透き通ったきれいな音楽のほうを好むので、今までヴェルディに関心を持てなかったのかもしれません。 でも、音楽はドイツを中心に発達してきて、ベートーヴェン、リスト、ワーグナー、シェーンベルクと皆、つながりを持っているので、もちろん、私も彼らの音楽をよく聴いて感動しますし、ずいぶん勉強しました。 ロッシーニの「スタバト・マーテル」はとても好きです。 おっしゃる通り、優しさがあるからです。 でも、今はヴェルディを歌わなければならないので、歌いながら、ヴェルディの時代の歴史背景と作品への関連性を味わおうと思います。 どうもありがとうございました。