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塩素の混成軌道を教えてください。
過塩素酸HClO4は14電子が塩素の回りにあるわけですが、この混成軌道はsp3d3と考えてもよろしいのでしょうか?見たことが無いので、教えていただきたいです。
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混成軌道は、実は、好き勝手に考えてもかまわないものなので、sp3d3と考えてもかまいません。ですけど、HClO4の混成軌道はsp3と考えるのがふつうです。 ■エチレンC2H4はsp2?それともsp3? エチレンC2H4は8電子が炭素原子の周りにあるわけですが、炭素の混成軌道はsp2と考えるのがふつうです。そして、混成に参加しなかったp軌道が重なり合って炭素原子間のπ結合をつくる、と考えます。sp2混成軌道は炭素原子間と炭素原子-水素原子間のσ結合をつくる、と考えます。 しかし、混成軌道は、好き勝手に考えてもかまわないのですから、エチレンC2H4は8電子が炭素原子の周りにあるので炭素の混成軌道はsp3になる、と考えても本当はいいんです。sp3混成軌道をつかっても、エチレンの炭素原子間の二重結合は説明可能です。じっさい、一昔前の教科書などをみると、そのような模式図(炭素を中心とする四面体が稜共有でつながっている図)が描かれていることがあります。同じように、アセチレンC2H2もsp3混成軌道で考えることができて、炭素を中心とする四面体が面共有でつながっている図も、同じ教科書で見ることができます。 ■過塩素酸HClO4はsp3で考えよう ですので、過塩素酸HClO4の混成軌道をsp3d3と考えても本当はいいんです。本当はいいんですけど、エチレンC2H4やアセチレンC2H2の多重結合をsp3混成軌道で説明するのがマイナーな考え方であることから推測できるように、過塩素酸HClO4の混成軌道をsp3d3で説明するのは、やはりマイナーな考え方になります。また、sp3d3混成軌道が極めて複雑な形になると思われることも、この混成軌道が敬遠される理由の一つでしょう。私も見たことが無いので、どんな形になるかは分かりません。 塩素の周りにある14電子のうち、酸素とσ結合を作っているのは、4原子×2電子対=8電子です。残りの14-8=6電子は、酸素とπ結合を作ります。エチレンC2H4の炭素原子がsp2混成軌道になるのと同じ考え方をすれば、σ結合を作る8電子を収容するには4軌道あればよい。よってsp3混成軌道を作ればよい、ということが分かります。酸素とπ結合を作るのは、塩素のd軌道になるわけですが、π結合が3つあるのでd軌道は3つ使えばいい。d軌道を3つ使うのは質問者さんの考え方と同じなわけですが、これらのd軌道を混成させずにπ結合形成に使う、というところが異なるところです。 > 14電子を持つ事に関して、どのように理解したらいいのでしょう 塩素原子と酸素原子の間に二重結合ができていると考えれば、塩素の周りにあるのは14電子になりますけど、塩素原子から酸素原子へ配位結合ができていると考えれば、塩素の周りにあるのは8電子になります。sp3混成軌道なら、どちらの考え方にも対応できますけど、sp3d3を使っていると混成のやり直しが必要になります。このこともsp3混成軌道を使うメリットの一つでしょう。
その他の回答 (1)
過塩素酸イオンは正四面体です。sp3d3で正四面体が作れますか? 現在の第三周期化学ではd電子の寄与は否定されているというのが通念です。
お礼
sp3で電荷を持つ事を思いつきませんでした。金属錯体のように考えてしまって変な質問をしてしまいました。失礼しました。
補足
混成はsp3でいいという事なのでしょうか?14電子を持つ事に関して、どのように理解したらいいのでしょう?
お礼
アミンと同じように考えるべきでしたね。3周期なので勘違いしていました。8電子で塩素に電荷を持たせれば、何の問題も無い事を考えていませんでした。大変失礼しました。