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電界と電束
誘電率の異なる誘電体の境界線を斜めに電界が通過するとき、電界が、光の屈折のように曲がると聞いたのですが、本当ですか? 電界は、光と違い、電荷に力を及ぼすのですが、理論的に説明できるのでしょうか? 何方か教えてください。
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#4のKENZOUです。#4のご質問の補足説明をします。 >脚rとは、比透磁率、比誘電率のことですか? そうです。固有定数です。文字化けではありません(笑い)。 >透磁率、誘電率がことなると伝わる速度が変わると理解 >してよろしいでしょうか? >その速度の変化が、屈折率として現るのでしょうか? ご指摘の通りです。スネルの法則というのをご存知と思いますが、一口でいうと「光の速度は屈折率nの物質中では真空中の光速の1/n倍になる」というものですね。具体的に式で書くと入射角と射出角をそれそれθ1、θ2、媒質中の光の速度をv1、v2とすると sinθ1/sinθ2=v1/v2=n(n:媒質1→媒質2への光の屈折率) という式で表されます。光は電界と磁界の横波の波動ですから、屈折により光が曲がれば当然磁界もその進行方向に沿った横波になりますから曲がります。 この辺のことは下記URLに詳しく書かれていますので参考になると思います。 http://www-antenna.ee.titech.ac.jp/~hira/hobby/edu/em/em-j.html >磁気回路の問題をみてると、屈折していないように扱わ >れている気がしますが? 強磁性体を除いて通常の物質の透磁率は真空中の透磁率とほとんど一緒(μ=μ0(=4Π×10^7H/m)という事情によるからと思います。 >導体は、誘電体とみなせないから、屈折はないと考える >のでしょうか? 導体内では電界の強度が0になります(詳しい事情はしかるべき電磁気学か光学のテキストを参照してください)。したがって光は導体の表面で反射します。
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- LCR707
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#5です。#5補足に対する説明です。 >>媒体中で電気が流れてとありますが、媒体中とは、電極板のことでしょうか? 媒体中とは、誘電体の中のことです。誘電体は絶縁物のはずなのに、なぜ電流が流れるのか?と思われるかも知れませんね。 下側電極と液面について見ると、2つが平行なとき液面は等電位ですが、傾斜によって垂直方向の分極が変化します。今左側の分極が増加し、右側の分極は減少したとします。すると液面に沿って、右から左へ電流が流れたように見えます。この電流は、誘電体の分子間を電子が移動した訳ではなく、それぞれの分子の中で分極の度合いが変化したことによって流れる電流です。従って分極の変化が終われば電流も0になります。 >>液面が、傾く(電極板に対して)ことにより、液面と電極板との距離が変化することによる誘電体の中の分極電荷と距離の関係のバランスが崩れると解釈してよろしいでしょうか? そのとおりです。縦方向のある断面を見ると、ε2>ε1のとき、液面が上昇すれば電極間の静電容量が増加し、液面が低下すれば容量も減少します。液面の電位もそれにつれて変化するので、分極の大きさも変化します。 >>なんとなく、液面(境界面)が一つの場合、導体に斜めに電気力線が入らなければならないか?誘電体の中で電気力線が湾曲しなければならない気がします。 wan_wanさんは、気体と液体の入ったコンデンサの形状を、蓋をした平たい桶のような形で考えていますか?。平行平板コンデンサですからそんなイメージになりますね。実は私もそうです。従って電気力線は湾曲します。しかし、液面中央の微小部分を拡大して見れば、一様な平行電界と見なせます。別の方法として、上下の電極板をそれぞれ傾けてやれば、電気力線を直線にすることができます。ただし、一様な大きさにはなりません。
お礼
丁寧な説明ありがとうございます。 電磁気学は、基本原則をいつも頭に入れておかないと間違った理解をすることを痛感しました。 今まで、痒かった背中をかいてもらった感じです。 今後も、お世話になるかと思いますが、宜しくお願いいたします。
- LCR707
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平行平板コンデンサ内に、誘電率ε1の気体、ε2の液体が入っているとします。 液面が電極に平行な状態で電圧をかけると、電気力線は一様な密度で液面に垂直に入射するので、液面の電位は場所によらず同じです。 コンデンサを少し傾けると、液面は電気力線に対して角度を持ちますが、ε1における電気力線方向の電位勾配と、ε2のそれとは大きさが異なりますので、液面の場所によってその上下に電位差が生じます。その電位差を解消するように媒質中に電流が流れ、それによって電気力線の密度や方向が変化し、電流が0になったとき電気力線は液面で屈折するような形で安定します。 電気力線の入射角をθ1、θ2とすると、 tanθ1 / tanθ2 = ε1 / ε2 になりますが、光の屈折の場合、屈折率をnとすれば sinθ1 / sinθ2 = n2 / n1 なので、θが小さいときは似たような屈折になります。 θを大きくすると、光の場合は全反射を起こしますが、電気力線は式からわかるように全反射など生じません。もし電気力線が全反射して他の電気力線と交わったりすると、媒質中の1点が2つの電位を同時に持つという、とんでもない話になってしまいます。
補足
いつもありがとうございます。 ダイブイメージが湧いて来ましたが、また、質問がふえました。媒体中で電気が流れてとありますが、媒体中とは、電極板のことでしょうか?また、その電荷の動きは、導体(電極板)の電位を均一にするための電荷の移動と考えてよろしいでしょうか? コンデンサーを傾けると、電気力線方向の電位勾配と、ε2のそれとは大きさが異なりますので、液面の場所によってその上下に電位差が生じます。と、ありますが、液面が、傾く(電極板に対して)ことにより、液面と電極板との距離が変化することによる誘電体の中の分極電荷と距離の関係のバランスが崩れると解釈してよろしいでしょうか? 液面で、電気力線が屈折すると、導体の性質である、導体の表面を出入りする電気力線は、導体の表面を垂直になる。ということに対しては、問題ありませんか? なんとなく、液面(境界面)が一つの場合、導体に斜めに電気力線が入らなければならないか?誘電体の中で電気力線が湾曲しなければならない気がします。 反射に対しては、一つの電荷から出る電気力線は、交差しないからと考えてよろしいでしょうか? なんども、お手数をかけてすみません。 よろしくお願いいたします。
- KENZOU
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>電界は、光と違い 電界と光を区別するのは、場合によってはよくないと思います。光は電磁波で、電界と磁界の横波で構成されており、真空中(誘電率ε0)では光速cで伝播する波ですね。ここでcは c=1/sqrt(ε0μ0) (1) と書かれます。光が物質中に入るとその速度は v=1/sqrt(ε0εrμ0μr)=1/sqrt(εμ) (2) となります。ここで脚rのついた物理定数は注目している物質の固有定数です。真空中から物質中に光が入射するとその境界面で光が折れ曲がり、その後直進する、いわゆる光の屈折現象が起こります。この辺の現象は光の波動的性質を無視した幾何光学の立場(光は本当は波長λを持った横波で干渉や回折などを起こすが、この立場では光の波動的性質をキッパリと捨て去って、つまりλ→0の極限を考えて、光を射線と考えるという立場)から議論されますが、この曲がり具合は(3)で与えられる屈折率nで決まります。 n=c/v=sqrt(εμ/ε0μ0)=sqrt(εrμr) (3) 真空も誘電率ε0の媒質ですから、これを他の物質に置きかえれば相異なる誘電体の光の屈折現象の一般論が展開できますね。ところで、光が上のように屈折するということは、最初に述べたように電界も光の構成成分ですから、同じように屈折するということになりますね。この辺がご質問に対する回答になるのではないかと、、、 ところで、光を幾何光学(極端に言うと粒子が直進している?いいすぎかな)で捉えると、これを力学的に取り扱うことが出来ないかとなります。ハミルトニアンで有名なハミルトンはこれを追求しましたが、結果として実はハミルトン-ヤコビの方程式と同じ形の方程式で記述できることが発見されたのです(←歴史的記述は然るべきテキストを参照してください)。こうなると、「運動の道筋を決定」する解析力学の手法(作用積分の変分0とか)が使えないかとなりますが、解析力学の最小作用の原理に匹敵するものとしてフェルマーの原理があります。なぜ光が曲がるのかというのはこのフェルマーの原理 ▽∫nds=▽∫ds/u=0, (u=ds/dt) からきていると思います。例によって詳しいことは別途適当なテキストを参照してください。
補足
ご指導ありがとうございます。 確かに、光は、電界と磁界で成り立っているため、例えが悪かったと反省しています。 透磁率と誘電率が変わると光の速度は変わるのですね?言われてみれば当たり前の気がしますが、気づきませんでした。 文字化けかもしれませんが、ここで脚rのついた物理定数は注目している物質の固有定数です。の脚rとは、 比透磁率、比誘電率のことですか? n=c/v=sqrt(εμ/ε0μ0)=sqrt(εrμr) (3) とありますが、真空中は、電界も磁界も伝わる速度は、 光の速度と同じで、透磁率、誘電率がことなると伝わる速度が変わると理解してよろしいでしょうか? その速度の変化が、屈折率として現るのでしょうか? 一般には、電界の屈折が問題としてだされることが多いようですが、同じように、磁界についても透磁率の異なる 境界線では屈折するのでしょうか?なんとなく、磁気回路の問題をみてると、屈折していないように扱われている気がしますが? また、誘電体の屈折と、導体からの電気力線の放射(導体に対して垂直に放射する)とは、どのように関係するのでしょうか? 導体は、誘電体とみなせないから、屈折はないと考えるのでしょうか? 繰り返しの基本的な質問で申し訳ありません。 宜しくお願いいたします。
- keyguy
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クーロンの法則(ガウスの法則)により div(D)=ρ アンペールの法則+マックスウェルの変位電流より rot(H)=i+∂D/∂t ファラディの電磁誘導の法則により rot(E)=-∂B/∂t 孤立磁荷は存在しないより div(B)=0 とマックスウェルの方程式が作られました。 この方程式により 相対速度が光速に近い空間間の関係を考えず超微視的な事を考えない限り これらの方程式により電磁界を完全に記述することができるのです。 この方程式が言っているのならばそうなるのです。 ニュートンの万有引力の法則により2つの物体の間には引力が働きますがなぜ引力が働くのかと訊かれても私は答えることはできません。 それと同じようになぜマックスウェルの法則が成り立つかと言われても私には分かりません。 恐らく神様が決めたからだと思います。
お礼
厳格な回答ありがとうございます。 数式で説明出来ることは、わかりましたが、No.612057の光の屈折のように、概念的に納得するような説明方法は、確立していないのでしょうか? 私の理解力のなさからですが、曲がっていると考えるしか説明できない、曲がっていると考えて不具合がないから正しいとしか他の人に説明が出来ない状態を打破したいのですが、何かいい方法は無いでしょうか?
- keyguy
- ベストアンサー率28% (135/469)
静電界においてマックスウェル方程式は rot(E)=0・・・(1) (磁界変化が無い場合) div(ε・E)=0・・・(2) (境界面に真電荷が無い場合) ε1とε2との境界において ε1側のEの境界面に垂直な成分をEzとし境界面に平行な成分をEx=0,Ey≠0とする。 ε2側のEの境界面に垂直な成分をE’zとし境界面に平行な成分をE’x=0,E’y≠0とする。 (1)より 2辺がy軸に水平で2辺がz軸に平行で中心が境界面にありz軸に平行な辺が十分小さい長方形を考えそれにストークスの定理を適用すると Ey=E’yがいえる。 (2)より 境界面を含む高さの十分小さい円筒を考えそれにガウスの定理を適用すると ε1・Ez=ε2・E’zがいえる。 すなわち Ez/Ey=(ε2/ε1)・Ez’/E’y 境界面で曲がることが分かる。
補足
どうして、曲がるのですか?曲がる理由は、計算でそうなるし、現実もそうだから、そうなんだ!!以外にありますか?直感的に理解する方法はありますか? 重ね重ね質問をしてすみません。
- keyguy
- ベストアンサー率28% (135/469)
静電界においてマックスウェル方程式は rot(E)=0・・・(1) (磁界変化が無い場合) div(ε・E)=0・・・(2) (境界面に真電荷が無い場合) ε1とε2との境界において ε1側のEの境界面に垂直な成分をEzとし境界面に平行な成分をEx=0,Ey≠0とする。 ε2側のEの境界面に垂直な成分をE’zとし境界面に平行な成分をE’x=0,E’y≠0とする。 (1)より 2辺がy軸に水平で2辺がz軸に平行で中心が境界面にありz軸に平行な辺が十分小さい長方形についてEの周回積分をすることにより Ey=E’yが言える。 (2)より 境界面を含む高さの十分小さい円筒を考えそれにガウスの定理を適用すると ε1・Ez=ε2・E’zがいえる。 すなわち Ez/Ey=(ε2/ε1)・Ez’/E’y 境界面で曲がることが分かる。
お礼
ご丁寧な解説ありがとうございます。 疑問に思っていた点では、何とか霧が晴れた気がします。しかし、質問すれば、するほど疑問がわき、また、自分の無知を痛感します。ここが、電気理論の面白いとこかな?って気がします。ますます、自己研鑚の意欲が沸いてきました。 本当にありがとうございました。 今後も宜しくお願いいたします。 脚rとは、下付文字の意味だったんですね?(笑) テキスト文だけでの表現の特徴ですね?