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LEDは温度が上がると抵抗値は?

非線形抵抗は温度が上がると抵抗値が上がることは習いました。半導体は温度が上がると抵抗値が下がることも習いました。LEDも半導体なので抵抗値は温度が上がると抵抗値が下がるのでしょうか?それによってLEDは消費電力が低いと言われるのでしょうか?

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  • ベストアンサー
  • inara
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回答No.1

>LEDも半導体なので抵抗値は温度が上がると抵抗値が下がるのでしょうか? 下がります >それによってLEDは消費電力が低いと言われるのでしょうか? LEDが電球に比べて消費電力が低いというのは、電気を光に変換する効率が高いからです。LEDが消費する電力は、抵抗値によるものだけではありません(抵抗による電力消費は少ないです)。 LEDも普通のダイオードと同じ構造です(使っている半導体は違います)。PN接合という、p型半導体とn型半導体を貼り合わせたような構造になっています。温度が上がると下がるという抵抗値は、この半導体自身の内部抵抗です。しかし、この抵抗は小さいので、LEDを光らせるのに必要な電圧の大部分は、このpn接合の界面にかかっています。したがってLEDの消費電力(電圧×電流)というのは、このpn接合の界面で消費されるものが大部分です。 pn接合の界面にかかる電圧というのは、出てくる光のエネルギー(発光色)に関係しています。波長630nmの赤色なら、光エネルギーは1.97 eV(eVは電子ボルトという単位)なので、この光を生み出すには原理的に1.97Vの電圧をpn接合にかける必要があります。波長450nmの青色なら、2.76Vです。最近の青色LEDの動作電圧は3.5Vくらいですが、これは使われている半導体自身の抵抗がかなり大きいためで、pn接合に必要な電圧は、原理的には 2.76Vで済みます。 一方、LEDの電流は何で決まるかというと、出てくる光の粒(光子)の数です。1mA(ミリアンペア)の電流をLEDに流すと、pn接合には電子が1秒間に1.6×10^16個やってきます。この電子1個が光子1個に変換されるとき、発光効率100%になります(これ以上は物理的にありえません)。LEDの発光強度(明るさ)というのは、1秒間にどれだけの光子が外に出てくるかに相当します(光の色によって目の感度が違うので、光子の数が同じなら同じ明るさというわけではありません)。したがって、LEDの消費電力(電圧×電流)は、発光色と明るさが決まれば自動的に決まるものです(LEDの材料や構造によって発光効率がかなり違いますが)。LEDの消費電力が小さいのは、この発光効率が電球に比べて高いからです(数%から数十%)。電球の場合、消費電力の大部分が熱になってしまい、光になるのはわずかです(熱くなって光るという原理なので仕方ない)。

exodus55
質問者

お礼

とても分かりやすいご説明ありがとうございます!おかげで十分に理解することが出来ました。