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MS/MSにおけるプロダクトイオンの生成し易さ
MALDI-CIDやESI-CIDを用いて実験を行っていますが,CIDのガスが弱いせいか,うまくプロダクトイオンが生成しません.サンプルとして,10残基程度のペプチドを用いていますが,とりわけフラグメンテーションしにくいものでもないと考えています. 現在,CIDに使っているガスとして窒素(N2)を用いていますが,ある本には,さらに高エネルギーを得るためには,アルゴン(Ar)やキセノン(Xe)を用いると良いと書いてますが,実際どれくらいプロダクトイオンが生成するか分かりません.Sci-finderを用いて文献を調べましたが,私の見る限り書いていませんでした. どなたか,経験的にガスを変えるとどれくらいフラグメンテーションし易くなるのか,知っていましたら是非,教えてください. また,MALDI-PSDでも,フラグメンテーションしやすくなる方法がありましたら,教えて下さい.
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低エネルギーCIDは,衝突後の相対的運動エネルギーの大部分がイオンの内部エネルギーに変換されます.ですので,一定の運動エネルギー(装置が与えられる運動エネルギー)下では,重い衝突ガスは分解の割合を増加させることができます.おおまかですが,ArよりXeの方が有効なことがあります.また,同じような質量でも多原子分子よりも単原子分子のガスの方がイオンの分解は大きくなる傾向です.高エネルギーCIDでは,ヘリウムを使うことが多いです.これは,直接電子励起を経てエネルギー移動を起こさせて,散乱損失が少ないし,イオン化エネルギーが高いので電荷交換反応によるイオン損失が少ないためです.両者に共通する効果は衝突室のガス圧を高めることでイオン化は促進されます. また,イオン解離に使われる内部エネルギーは,イオン生成時に得る内部エネルギーと衝突時に与えられるエネルギーの和になるので,例えばESIイオン源でのイオンの予備的な衝突活性化がCIDでの効率を高めることができます.長々と書きましたが,高エネルギーCIDのできる磁場型のタンデムで測定してはいかがでしょうか.多分運動エネルギーは低エネルギーCIDが数十eVですが高エネルギーCIDは,数KeVぐらいだったと思います.
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- rei00
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私が使用するのは Ar ですね。窒素での CID ってのは聞いた事が無いんですが,マニュアルや装置の技術資料にはどうなっています?それを確認されるのが一番じゃないでしょうか。あるいは,メーカーに問いあわせるか。 磁場型装置での話ですが,Ar よりは Xe の方が若干 CID は起き易いと聞いた事があります。が,若干なので,Xe ガスが Ar ガスに比べて高価な事を考えると,Ar でガス圧を高める方が良いそうです。 その装置に取っての標準資料があると思います。それを使用して,標準的な条件で資料集などのデータが再現できるように,ガス圧やガスの種類など変えて測定してみてはいかがですか? MALDI-PSD の場合,資料イオンに与える電位が問題じゃなかったでしょうか?こちらは使用経験が無いので良く分りませんが,標準資料で標準条件での測定を行なってみられてはいかがですか? ご参考まで。
お礼
回答,ありがとうございます.違いの方はマニュアルには書いてなかったので,休みが明けたらメーカーに問い合わせてみます.ガスは任意のガスが取り付けることができ,Airでも測定可能ということです.資料イオンに与える電位は,いろいろ条件を変えましたが,プロダクトイオンは観測されませんでした.
お礼
アドバイスありがとうございます.磁場型のタンデムがあるので,一回トライアルしてみます.