このような「回転もの」の体積を求める場合、「軸から一番遠い部分はどこか」を探すのが最も重要な作業になります。
立方体の各頂点にABCD-EFGHと名前を付けます。一般的なやり方に従って、面ABCD方向から面EFGH方向を見た時Aの真下にEが位置するとします。(同様にB-F, C-G, D-Hが対応します)
対角線AGを軸に一回転させることにしましょう。
次に、およそで良いので見取り図を書いてみてください。
立方体ですから随分と角ばっていますよね。回転させた時に通過する領域の求め方もいくつかに場合分けして考える必要がありそうです(ここはちょっと、要想像力)。
回転した時に、どの稜が軸から最も遠くを通るかを考えると
(1)Aを頂点とする三角錐A-EBDでは・・・稜AE(AB, ADでも同じ)が最も軸から遠い
(2)Gを頂点とする三角錐G-FCHでは・・・稜GF(GC, GHでも同じ)が最も軸から遠い
ということになります。
これらを軸の周りに回転させたときに張る図形は単純な円錐(底面半径a√6/3、高さa/√3)になりますから、積分を持ち出さなくても体積は求まります。
少し厄介なのはその中間にある、
(3)上面と下面が正三角形で、双方の三角形が60°ねじれた形で位置し、各頂点を結んだ立体図形
です*。(次の2枚の図を少し間を開けて重ね、EF BF BH DH CD CDをそれぞれ結んでみてください)
E
△
B D
F C
▽
H
このとき、軸から最も遠い点は稜EF(他の等価な稜でもよい)になります。因みにこの立体の高さはa/√3です。
さて、一般にある軸を中心に、その軸に対しねじれの位置にある直線を一回転させるとその張る面は回転双曲面になります。こいつを適当な面(ただし軸に垂直な面)2箇所でちょん切った鼓のような立体図形の体積を求めるには積分を使う必要があります。
3次元のx-y-z座標系において
・軸AGをZ軸にとる
・面CFHを面z=0内におく。さらにFは直線x=0上にあるとする
と決めると、点Fは(0, 2a/√6, 0)に位置することになります。
点Eの座標を(a/√2, a/√6, a/√3)とすると直線EFは、z=tとおいて
x=t√6/2 (1)
y=((2a/√6)-t/√2) (2)
となります。(z=tと置いたのはその後の計算の技巧上の理由)
軸から直線EFまでの距離の2乗(すなわち、x^2+y^2)を作ると、tをパラメータとして
2t^2-2a t/√3+2a^2/3 (3)
となります。πを掛けて、さらに微少厚みdtをかけてt=0からt=a/√3まで積分すると
(5/(9√3))πa^3 (4)
となります。
あとは(1)(2)の部分と足し算してください。(πa^3)/√3になりましたが、どうでしょう。
もとの立体の体積(a^3)t比較すると1.8倍くらいの大きさですから大はずれはしていないと思いますが、細かい計算ミス、名前の取り違えがあるかもしれません。念のためチェックください。
*脚注 実際には右手系/左手系で、鏡像関係にある2種類の図形が存在し得ます。