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イギリスの新聞記事には住宅情報が?
英語そのものに関する質問ではありませんが、イギリス経験者の方に見ていただけるかと思い、こちらで質問させていただきます。 イギリス在住のある日本人作家の書いたイギリスに関する本の中で興味深い記述を見ました。 イギリスの新聞で、事件など伝える記事には、事件当事者の住まいの情報が書かれていて、そういうことからも、いかにイギリス人が住宅に重きをなしているかわかる、というような内容でした。 具体的に新聞からの抜粋があり、「時価○ポンドの自宅が家宅捜査された」とか、「○○は、スリーベッドルーム、セミデタッチトの自宅から姿を消し・・・」などとなっていました。 イギリスの新聞では一般的なことなのでしょうか? テレビのニュースでもそうなのでしょうか? だとしたら非常にイギリス的で面白いと思いまして、本当にそうなのか確かめたくなりました。 回答宜しくお願いします。
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結論から申し上げますと、「時価○○ポンド」を除いて、ごく一般的な表現であり、テレビのニュース以外にも、日常会話でも頻繁に耳にする表現です。(時価○○ポンドに関しては、Sun紙に象徴される gutter paper (三流紙。日本の東スポみたいなものだと思ってください)的なイメージを抱いてしまいますが、今はそうでもないのかな?) どこまで詳しく申し上げればいいか迷っていますが、できるだけ簡潔に。 まず、英国においては次の三種類が必須表現といえるくらい頻繁に目・耳にする表現です。 1 terraced-house: いやゆる「現代風の長屋」です。もちろんレンガ造りですが。 最近は日本でも見受けられるものですが、イメージ的には道路に面して2階建てのアパートが並んでいて、1階は5棟くらいのものを想像してください。各棟が1世帯用で、別々の玄関を持っている構造です。両端以外の棟は、左右の家から音が聞こえてくるという不便がありますから、低~中所得者層が住んでいるという推測が成り立ちます。 2 semi-detached house: これは上記 terraced-house の2棟版です。左右から騒音が聞こえるわけではない、という点で1番よりは「ちょっと高級」となります。「2軒長屋」だと思ってください。 3 detached house: これは研究者の「リーダーズ英和」に説明を任を譲りましょう。「英国の大都市周辺の土地付き一戸建家屋, デタッチトハウス。semi-detached house, terraced house より高価であるのが普通で, 大都市サラリーマンのあこがれの的でもある」 つまり、「一戸建て」ですから、土地の時価の高い大都市周辺には作りにくいということであり、必然的に「ちょっと高給取り向けの住宅」となります。 ここまで読んでいただいたとしても、「何故、そんな風に区別するの?」といぶかってしまうでしょうが、これは英国の「階級社会」がなせるわざなのです。この2003年においても、いまだに「階級」が人々の意識の中に大きな位置を占め、「あの話し方は、貴族階級、あるいは超高学歴の人間だな」とか、「あの話し方は、労働者階級の、つまり大学は出ていなくて、肉体労働に従事しているな」とかいう意識が常に人々に頭の中にうごめいているのです。この「階級」は「話し振り」からもわかりますし、ひいては「住んでいるところ」あるいは「住宅の構造」からも想像できるものなのです。 ベッカムの英語ははっきりいって「労働者階級」の英語ですから、上流階級の人間は「あいつはすごい選手だ!」とほめることはあっても、けっして「あこがれる」とか「お近づきになりたいと思う」ようなことはないものです。日本人には想像しにくいですね。口に出さなくても、上流階級の人は「ふん、労働者階級の若者が、イングランドのためにがんばっておるわい」ぐらいの意識しかありません。正直言って、あなたが上流階級の人間である場合、「私の趣味はフットボール(サッカー)です」という言葉すらも、人前では胸をはって言えないものです。なぜって「フットボール」自体が「労働者階級、中流階級」のスポーツですから。 英国では、新聞の社会面を見る場合、読者は「この当事者の社会的階級は?」という意識が働いてしまいます。その読者の欲求を満たすのが semi-detached house などの表現です。これを読んで読者は、「ほほう、こいつはチョットいい暮らしをしている奴なのか」と想像できるわけです。 ついでにつけ加えますが、英国では「大金持ち」は決して大都市に住むことはありません。都心部、あるいは都市部から車で数時間の、日本でいえば「ど田舎」の「大邸宅 (mansion) 」に住むのが相場です。そして、あなたが「貴族階級」であるなら、あなたのスポーツの趣味は決まって「ポロ」と「クリケット」となるでしょう。クリケットがいかにつまらないスポーツか…なんて話し始めると長くなるので止めます。
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- snowbees
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#3の補足です。1)ご紹介の本は、「理想主義」を切り口にして、最近の英国を書いているので、面白く読みました。2-1)情報源であるDMとDTは、社会面と娯楽面を重点に扱う様です。対象が、Labourなので、発行部数は多い。2-2)一方、タイムズ、ガーディアン、FTなどは,国際、政治、経済が中心ですが、発行部数は少ないと。
お礼
snowbeesさんも読まれたんですね。私も非常に面白く読みました。 英国礼賛本からこき下ろし本まで私もいろいろ読みましたが、これは極端に偏っているのではなく、切り口が面白くて新鮮でした。 イギリスでは階級によって読む新聞も違うようですね。 前のお礼の「英国皇室」は「英国王室」の誤りです。失礼しました。 回答ありがとうございました。
- snowbees
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1)日本人の作家の名前は?引用した新聞の名前は? 2)犯罪やゴシップを専門にする英国雑誌や新聞は、住宅構造を含め事件の周辺を執拗に詳しくレポートします。
お礼
作家は緑ゆうこ。『イギリス人は「理想」がお好き』という題名です。 引用した新聞は、デイリー・メイルとデイリー・テレグラフでした。 イギリスのゴシップ新聞は執拗に詳しく、ですか。 英国皇室のゴシップも例外ではないですものね。 日本では考えられませんが・・・。 回答ありがとうございました。
- 0grin
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文脈が見えませんが、「時価○ポンドの自宅が家宅捜査された」と 「○○は、 スリーベッドルーム、セミデタッチトの自宅から姿を消し・・・」 と言うような記載がよく見えます。 私の印象は、こう言う情報はだいたい記事と関係あります。 たとえば「綱紀粛正」で、政治家がはすごく高い家に住んでいることは 関係あります。こう言う情報を報告するのは普通です。 そう言いながら、高級じゃない新聞もありますので、「gossip」の場合も あります。 ちなみに、イギリスにプライバシー法はないけど、中傷の 避ける法案(?)はよく使う。
- 参考URL:
- http://www.thesun.co.uk/
お礼
そうでしたね、記事の一部だと文脈が見えずわかりにくかったと思います。 本を読んだ印象では、特別記事の内容とは関係なく、強盗など普通の(?)犯罪や犯罪ではな各種ニュースでも見られるようなのです。 日本だったら、事件関係者の個人情報に関して伝えるのは、せいぜい年齢・性別・職業・簡単な住所くらいですよね。 それに加えて、たとえば「ワンルームの賃貸マンションに住む・・・」とか「2DKの公営住宅云々・・・」といったことが記載されているようなものですから、想像すると奇妙に感じます。 URLもありがとうございます。英訳は得意でないので時間が取れた時にゆっくり見させていただきます。 回答ありがとうございました。
お礼
大変詳しく解説していただきよくわかりました。 この時代にあっても厳然と階級社会が実在するということ、多少は知ってはいましたが、なるほど具体的にはそのようなニュース記事にもそれが表れているわけですね。 日本のような木造の多い、また地震など天災の多い国では、家屋の耐久年数も短く、短い年数で建て替えられることが多いですが、天災が少なくレンガ造りのイギリスの建物は半永久的なのですね。 そして同じような構造の建物に同じ階級の人々が住み続け、その地域は一定の階級の人が住む地域として定着するわけですね。 階級の違いは、居住地域や住居の構造、話す言葉、趣味にいたるまではっきりと違っているのですね。 そういえば日本人観光客なら誰でも行くハロッズに行くイギリス人は特定の階級の人だけ、とか聞いたこともあります。 非常に興味深いお話を聞お伺いすることができました。 回答ありがとうございました。