• ベストアンサー

「新客観的違法性論では責任無能力者に対し正当防衛は可能だが違法状態は否

「新客観的違法性論では責任無能力者に対し正当防衛は可能だが違法状態は否定」だと説明されていますが、「違法状態は否定」が理解できません。違法でないと正当防衛は成立しないと思うのです。一方、「違法性は一般人を基準とする」とあり、(正当防衛の対象となる侵害である)責任無能力者の行為も違法になるとなると思うのですが。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#117587
noname#117587
回答No.2

簡単に言えば「人の行為」でないものを「状態」と呼んでいるだけです。個人的には「現象」とか呼ぶ方が分かりやすいと思います。 つまり、「違法状態を否定する」とは、人の行為については違法を観念できることを前提に「人の行為でないものには違法を観念できない」ということです。刑法的には違法な行為はあっても違法な状態(現象)はないということです。 違法性の実質の議論は、ざっくり言うと、法益侵害説と法規範違反説の争いです。つまり、違法とは「法益を侵害すること」なのか「法益を侵害してはいけないという規範に違反すること」なのかという議論なんです。そこで、法益侵害ということなら「客観的状態として法益を侵害している以上は人の行為だろうとそれ以外だろうと構わない」ので判断の「対象」は人の行為もそれ以外の現象もすべて含んだ客観的事実ということになります。これが客観的違法性論です。一方、規範に違反するということなら「規範に違反するというのは人間にしか当てはまらない」ということになります(人間以外は規範を理解できませんから)。つまり判断の「対象」は人の行為のみとなります。そこで、人の行為を対象にするとしてその判断「基準」は「主観も含める」と考えれば、主観的違法性論になりますし、あくまで主観面は無視して客観面のみを「基準」とする考えれば新客観的違法性論になります。 つまり、 人の行為を「対象」に主観面も「基準」にして判断するのが主観的違法性論。 人の行為を「対象」に客観面だけを「基準」にして判断するのが新客観的違法性論。 人の行為だけでなくあらゆる客観的事実を「対象」にする(判断「基準」は当然に客観的になる)のが客観的違法性論。 ということです。

yury77
質問者

お礼

早速、詳しいご説明をいただいて、深謝いたしております。

その他の回答 (1)

  • kumap2010
  • ベストアンサー率27% (897/3218)
回答No.1

「違法行為」と「違法状態」は別です。 新客観的違法性論でも無責任能力者の「行為」に関しては違法を認めていますよ。

yury77
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。