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暴行の未遂と正当防衛

先日、刑法の本を読んでいたら、『暴行罪』には未遂がない旨の記述がありました。ということは、相手に殴りかかろうとして拳を振り上げているまでの段階では犯罪にはならないと言うことでしょうか。 また、正当防衛の項目では、『急迫不正の侵害』が必要と記述され、その『侵害』とは違法・・・すなわち構成要件に該当する行為である、と記述されていました。 もし上記の事例が暴行罪(または暴行未遂)にならないのであれば、相手が自分を殴ろうとして拳を振り上げてきたので自分の身を守るために相手を突き飛ばした、という正当防衛は認められないのでしょうか(暴行未遂が構成要件として刑法に存在しないため)。 以上、よろしくお願いします。

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  • rokosuke
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回答No.3

ロコスケです。 刑法の勉強をされているんですか? 大いに結構です。頑張ってください。 今回の質問に回答します。 暴行とは有形の力を行使した場合に成立します。 その力が、こちらに到達しなかっても成り立ちます。 ですから暴行未遂罪はないのです。 石を投げられてこちらに当たらなかった場合でも、寝ている病人の そばでバケツをたたく行為、狭い室内で刀を振り回す、相手の 足元の地面に棒でたたく、相手の髪の毛を無断で切る  麻酔をかかす、農薬や薬剤を相手にかける などすべては暴行罪と なります。 相手がこちらにツバを吐きかける行為は、こちらに生理的障害を 与えないという理由で罪には問われません。 公務員に対する暴行行為は公務執行妨害の成立要件の一つです。 正当防衛とは、相手の不法行為から身を守るために行った自分の行為が 不法であっても罪に問われないという内容の法律です。 刑法の勉強も法令ばかり追いかけると難解で実用にはなりにくいです。 幅広く、実例に即して楽しく学んでくださいね。

その他の回答 (4)

  • rokosuke
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回答No.5

ロコスケです。 こちらも補足しましょう。 「不快嫌悪の情を催させる行為も暴行」と認められております。 確かに塩をかけただけで暴行が認められた判例(福岡高裁s46)は ありますが、 直接に頭や顔にかかった場合に認められただけであって、 衣服にかかった場合や塩が届かなかった場合にもそうであるとは 断定できていません。 ですから塩をかけたら、即 暴行という解釈は間違いです。 ツバに関しては、法律学者の暴行にあたるかどうかの論議があるだけで、 暴行と認められたケースは現在までありません。

noname#61929
noname#61929
回答No.4

#2です。念のために補足をしておきます。 唾をかけるのは暴行罪になります。何しろ判例では「食塩を振り掛けただけ」で暴行になっていますから。暴行罪の暴行は「"傷"害の結果をひきおこすおそれのある行為」である必要はまったくありません。 ちなみに、公務執行妨害罪における暴行は、暴行罪の暴行とは異なります。暴行罪の暴行は、いわゆる狭義の暴行で、「人の身体に対する直接の有形力の行使」です。これは当たる必要はありませんが、あくまでも人に直接向いたものである必要があります(ちなみに暴行の意義がこれであるのは刑法中には暴行罪しかありません)。有形力というのは物質的なものである必要はなく、物理的な力でもいいので「音波」であっても暴行になります。つまり、「耳元で太鼓を叩くのは暴行」ということになります。 しかし、公務執行妨害罪における暴行は、いわゆる広義の暴行で、「人の身体に対する直接間接の有形力の行使」です。 間接というのは、人を狙ってはいないがその行為に人が物理的に感応しうる態様ということで、よくあるのは「パトカーを蹴っ飛ばす」です。ちなみにこの場合、そもそも間接暴行なので「"傷"害の結果をひきおこすかどうかなど全く問題にならない」のは明らかです。 ともあれ、本件においては、「振りかぶっただけで暴行は既遂となるのか」ということと「正当防衛における不正の意義」の二つだけが問題です。殴ろうとして振りかぶるのは、それだけで人の身体に対する直接の有形力の行使に当たると解することは十分できるので、そう解すれば「暴行罪は既遂」ということはできます。ただそうすると「未遂がほとんどありえない」ということにもなりかねませんが、例えば「耳元で太鼓を叩こうと太鼓に向けてバチを振りかぶった」だけなら十分未遂になりえます(食塩を振りかけようとしたら瓶が空だったというのも("障"害)未遂の余地あり)。 これを未遂と考えれば正当防衛における「不正」の意義が問題になるのは#2で述べたとおりで、「犯罪」と解すれば本件設例においては正当防衛の成立する余地はないことになります。しかし、それが「ありえなくはないがあるとしてもかなりマイナーであろう」というのもまた#2で述べたとおりです。

noname#61929
noname#61929
回答No.2

質問どおりの理屈なら法律的には成り立つ話ですが、そもそも >『侵害』とは違法・・・すなわち構成要件に該当する行為である なんて文献は見たことがありません。理論上ありえないとは言いませんがあるとしてもかなりマイナーな説でしょう。と言うのは、参照した複数の著者の文献がすべて、不正の侵害とは犯罪である必要はないというようなことをさらっと一言書いて終わりで、まるで問題にしていないからです。

  • zorro
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回答No.1

人に傷害を加える危険のある行為をしている以上、暴行罪の既遂として処罰できるとするのが学説の多数説であり、そのため、身体的接触は必要ないとされています。正当防衛はもちろん成立します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9A%B4%E8%A1%8C%E7%BD%AA#.E8.BA.AB.E4.BD.93.E7.9A.84.E6.8E.A5.E8.A7.A6.E3.81.AE.E8.A6.81.E5.90.A6

e-hon
質問者

補足

殴りかかったが、当たらなかった(又は よけられた)と言う場合であれば分かるのですが、『殴りかかろうとしている(拳を振り上げている)』場合でも、身体的接触不要という概念に当てはまるのでしょうか。