質問するまでもなく、質問主のおっしゃることそのものが回答になっております。
両方とも社会規範で強制力が違いますよね。そのとおりです。
道徳なしで法律は作られることはまずありえませんから、社会規範として共通していますよね。
殺人や盗み、破壊行為などはもちろん犯罪ですが、それ以前に人として反していることですよね?だからこそ法律は存在しており、両方とも「人間のあるべき姿の実現」や「社会秩序の維持」を目的としています。
しかしながら同じ目的で存在しながらも、道徳の場合は「リンチ(私刑)」を食らわない限り、罰則規定がありません。ここで強制力の違いが見えてきますよね?
もっと具体的な内容に迫ると、裁判官が判決を下す際はまず適合する法規がないか探し出します。
いろいろ検討した結果、それでも見つからない場合は最終的に裁判官が持ち合わせている常識や良識、道徳で判決を下すことになっております。
両方とも同じ社会規範でも、物事に適合させるための優先順位は法律がまず優先されます。
この点で優先順位(つまり強制力)が違うことがわかりますよね?
最後に決定的な例を出しましょう。
その国で生まれた以上その人間は、その国に存在している約束(法律)を強制的に結ばされることになります。
嫌ならその「他の国に出て行け」ということになります。これが「亡命」であったり、「国外逃亡」であったりするわけです。
一方道徳は世間一般に存在しているものなので、本人が気にしなければ別段守らなくてもかまわないものなのです。