ステンレスの表面洗浄でしょうか?
通常のステンレスの表面は極めて凹凸が多く、バフ粉や切削屑、研磨剤などは勿論、ちょっとした手垢や空気中のゴミもみんな引っ掛かって残ってしまいます。これを除去するには、大雑把に言って、
(1)表面を少し溶かして凸凹を緩和、または熱で凸凹を変形させて付着物を取り除く
(2)物理的、または化学的に付着物を剥離させる
の何れかの考え方をとります。
(1)の考え方としては、硝酸、または酸を主成分とする仕上げ剤で処理するのが一般的ですが、処理が強いと表面は艶なしになります。艶を残すのであれば完全に凹凸を無くす電解研磨ですが、対象物の型を取って電極を作り、対象物と共に電解液に沈めますので大変高価です。また高温にするには、高温高圧の蒸気を吹き付ける方法などが行われています。
一方(2)の方では、一般に厨房機器や乗り物の手すりなどは人体に害のないバフ粉で磨いて仕上げ、その際に艶も出しますが、目に見えない細かい凹凸に微量のバフはどうしても残ります。これを取り除くのがメーカーの腕の見せ所ですが、#1の方も挙げられている静電法や、強力な界面活性剤、超音波で細かい振動を与える、などの方法があります。面白いところでは消しゴムに似たゴム剤やグルテンを表面でこね回すとか、マヨネーズで表面を磨く、などの方法も聞いたことがあります。
但しその手の洗浄は、付着物が何であるかは勿論、目的によって考え方が違ってきます。例えば、厨房機器や食品工場など人の口に入るものが触れる場所であれば、安全性を最優先に考えなければなりません。建材や車両などであれば少々の見た目よりも耐久性や作業性ですし、腕時計など人が身に着けるものあれば見た目も安全性も両方考慮する必要があります。
書店や図書館で「洗浄技術」と検索すれば解説書はいくらでも出てきます。プロのお仕事なのであれば是非頑張ってお調べください。
お礼
丁寧にお答え頂きどうもありがとうございました。 色々と調べてみたいと思います。まずはチャレンジして見ます。