こんにちは
> 中国はここ数年軍事強化を行っていますか?
そうですね、一番客観的なのが軍事費の推移ですが、2009年版の防衛省
発表の"防衛白書"によれば、2009年度の国防予算が約4,729億元(約6.5
兆円)で前年度比15.3%の増加。また、これまでの中国政府による国防費
の公式発表によれば、当初予算比で21年連続の二桁の伸び率(単純計算で、
5年毎におよそ倍額となるペース)で増え続けています。
一方各軍種別の98年以後の兵力の推移を見てみますと、
海軍(総トン数)は100万t強→120万tと増加しているものの、
陸軍(兵員数)は230万人→150万人強へ、
空軍(作戦機数)も6,000機→3,000機弱へ、と
大幅に削減されています。
以上のことから空と陸についてはリストラしている(実際には数は減らす
ものの、高性能化、ハイテク化、装備への更新を進めています)反面、
海上兵力(及び核戦力)については 前述の通り増加し続ける軍事費の多く
を振り向け、着実に強化に努めてきた様子がうかがい知れます。
中国が"海洋重視"という軍事戦略につき進んでいると言う一般的な評価を
裏付けるひとつのデータでしょう。
> それはどの国を警戒しての軍事強化なのでしょうか?
2009年に米国防総省が議会に提出した年次報告書「中華人民共和国の軍事
力」によれば
中国軍の"これまでの役割 → 今後の役割"
「自国、周辺の安全保障 → 政治経済における重層的な国益の保全と伸長」
に、
同"これまでの担任地域 → 今後の担任地域"は
「国境周辺とりわけ北東アジア → 広く海洋、グローバル」
と、それぞれに変わってきた、と 分析しています。
従って 従来の仮想敵である(になりうる可能性のある)ロシア、インド
などの隣国、周辺国から、今後はアメリカなど既にグローバルな展開を
している国々があらたな対象になるのではないでしょうか?(まぁ、そう
いう国 全てが仮想敵になる とは思っていないでしょうが・・・)
ただ、とは言え それらの国々とは(核抑止力を除き)軍事的にはガチで
対決する事まではまだ指向しておらず、中国が直接、間接に利害を有する
国や地域に、それらの国々が自由に影響力を行使出来ないように妨害する、
阻止する、というスタンスで臨んでいるように思われます。
でも、今後の経済発展の推移や、国内外の情勢の激変、によっては 今以上
に"積極的に力を付けようと"考え直す可能性は大いにあるでしょう。
お礼
回答ありがとうございます。 やはり中国は軍備を拡大していて、しかも今のところ軍事費が縮小することはなさそうなのですね。