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(バルチック艦隊) ウラジオストックへの遁港の効果は?
(バルチック艦隊) ウラジオストックへの遁港の効果は? 手元の書物によると帝國海軍はバルチック艦隊がウラジオストックへ遁港してしまうことを異状なほど恐れています。何故ですか。 敵の艦船が外洋にいようと港にいようと大砲を撃ち合うだけですから大した違いがないように思えてしまいます。 バルチック艦隊がウラジオストックへ逃げ込んだ場合、機雷の敷設、物資の補給、陸上からの攻撃などの関係で日本側に不利に作用するのかなと思うものの、すっきりとは納得できません。本当の理由は何ですか。 よろしくお願いします。
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>精々数時間後には日本軍もウラジオストックに到達できますよね。であれば、彼らが戦闘準備を整える時間的余裕はなかったのではないですか。 そもそも、海戦をやった直後ですから、砲弾の残存数も心許ないと思いますが…。 蔚山沖海戦では砲弾の残存無しの報を受けて追撃を断念した位ですし…。 あと、要塞の戦力を甘く見すぎです。 時代が少し下がりますが、帝国海軍が対馬要塞を海軍艦艇の海上砲撃のみで陥落させる場合、戦力がどれほど必要か図上演習したのですが、連合艦隊が2~3個ないと不可能と言う結果が出ました。 要塞砲はべトン(鉄筋コンクリート)で、戦艦など比較になら分厚く強固な防御力(艦砲は徹甲瑠弾ですし)を持ち、しかも軍艦の場合は船体はおろか至近距離で砲弾が爆発しても戦力を損ないますが、要塞砲は砲に命中しない限り戦力を損ないません。 軍艦が被害を受けたら、味方艦に牽引してもらって本国に帰還しなければなりませんが、要塞だと海軍工廠のお陰で被害の修復なども多少期待できます。 (しかもウラジオストックはシベリア鉄道で本国と繫がっていますから、旅順より遥かに厄介です。) また、要塞砲自体は海上から直接視認されない場所に隠蔽(着弾観測機などが無い時代ですから殆どメクラ撃ち)されて設置されますが、軍艦は当然要塞からは丸見えです。 山岳などを使って正確な観測も出来ますし、高所からの射撃ですから射程距離も伸びます。 そして、要塞砲は試射をしておく事で、海上を碁盤の目の様に区分して初弾から正確な砲撃をしてきますが、軍艦は前後左右上下に揺れる艦上からの発射ですから、狙った方向へ撃つだけでも職人技が必要で、命中精度(数パーセント程度)はあまり良く有りません。 また、当時の大砲は射程距離が短いので海岸までかなり接近しなければなりませんが、そうすると座礁や機雷などで損害を受ける可能性(旅順では日本側は戦艦2隻を含む多数の艦船を失っています)が高くなりますし、満足な回避行動も出来ません。 なお、レーダーなどが存在しませんから夜間に灯火管制をして艦隊が航行されると発見する事は困難です。 (すぐに日本海と言う広大な海域に出れてしまうウラジオストックでは、艦隊を逃さないように監視するのも不可能に近いほど困難です。) 開戦初期のウラジオ艦隊は巡洋艦数隻程度でしたが、帝国海軍の監視をすり抜け、レーダーも哨戒機もなかったお陰で、日本海どころか東京湾にまで進出し通商破壊活動を積極的に行いました。 そもそも、港湾に篭った艦隊を簡単に攻撃できるなら、旅順で陸軍があれほど膨大な被害を出してまで要塞を攻略する必要性など無かった訳で…。
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- k16399638
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艦隊は、いるだけで、存在意義があります。つまり、シーレーン防御が日本側には課せられます。そして、戦艦がウラジオストックに逃げ込んでいた場合、シーレーン防御にも戦艦を当てなくてはなりません(それ以下の艦では負けるからです)。ロシア側が来ても来なくても、この護衛が必要になり、非常な負担となります。 このようにいるだけでも存在意義がある艦隊のことを、fleet in beingな艦隊といいます。 護衛をいつも全力ですることはできません。軍艦は出撃したら整備が必要だからです。一方攻撃する側は、好きなときに全力で来ることができます。 このように日本側にとって、事実上シーレーン防御が不可能な状況が発生します。それは結局大陸の陸軍への補給が断たれることです。 現実問題としては、ウラジオストックが基地機能不十分なので、ロシア側がこれをするのはむずかしいと思いますし、対策は可能だとも思います。
お礼
fleet in beingは印象に残りそうです。サッカーで、へなちょこなFWでも、一人残っていればDF二人を配置しておかないといけないのに似ています。 日露戦争は防衛的色彩が濃く、朝鮮半島や遼東半島をロシアに支配されては日本が安心できないというだけでしたでしょうから、ロシア本土に攻め入るなんてことは日露とも認識していなかったのだと思います。だとするとウラジオストックの要塞としての機能は、それほどではなかったのかもしれません。当否は判りませんが、こんな具合に感じました。 有り難うございました。
- ota58
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旅順港口閉鎖作戦で、周りの山々を堅固な要塞とした旅順港攻撃はおろか近づくことさえできないので、艦隊を旅順港に閉じ込めてしまおうと、港口に船を沈める奇抜な戦法にでたが失敗に終わったのが広瀬中佐の話です。 この失敗が、陸軍でしなければならなくなった乃木大将の旅順攻撃です。 これほど沿岸要塞砲に守られた港というのは近づけない物です。 まして沿岸要塞砲対戦艦では海上の戦艦が絶対不利です。 苦肉の策で、日本国内から一時撤去して運び込み、陸軍が旅順を落としたのも28センチ沿岸要塞砲です。
お礼
とてもよく分かりました。有り難うございました。 皆様のお陰で解決しました。今夕までにNo.1~NO.3と、大きく異なる回答がなければ早々に締め切ります。
- jkpawapuro
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バルチック艦隊は永い航海で、水夫は疫病でバタバタ死ぬ、艦は速力が大幅減(整備不良、上質石炭調達不可能、石炭過積載)、甲板に石炭くずがあふれ引火するとすぐ燃える、しかもあちこちガタがきているという、とても戦えるような状態じゃなかったんです。 もしウラジオに逃げ込まれ整備休養を完了されると、速力は同レベル、火力は3倍という状況でまともに戦っても勝ち目の無い状況になります。 さらにウラジオに逃げ込めば、ロシアは正面きって戦う必要が無いんです。 日本各地を結ぶ外航路を妨害すると、輸送に深刻な影響が出ます。 さらに広島大連艦を閉塞するだけで、日本陸軍は崩壊します。 戦争初期は、浦塩艦隊(開戦時からウラジオストックに配備されていた艦隊)に被害を受けています。 まともに戦力が上回る相手に守りの戦いで勝つなんて不可能です。
お礼
補足欄のお願いは皆さんのお陰で解決しました。 先陣を引き受けて下さって有り難うございました。先陣は質問の意図が掴みきれないので何かと大変なのだと思います。
補足
>>とても戦えるような状態じゃなかったんです。<< ここまではよく分かります。 しかし、沖ノ島海域では取り逃がしたとしても追走するのでしようから、精々数時間後には日本軍もウラジオストックに到達できますよね。であれば、彼らが戦闘準備を整える時間的余裕はなかったのではないですか。結局、彼らの条件は日本海を航行中であろうと、ウラジオストックに入港後であろうと同じに思えてしまいます。ここのところが分からないのです。 可能であれば、この疑問に答えて下さると有り難いです。
お礼
手を変え品を変え、言葉を尽くして説明して下さったので、とてもよく分かりました。分かった者同士では簡単なことでもワカランチンに説明するのには大変な手間が掛かってご苦労なことだと存じます。 有り難うございました。