いろいろなことがごっちゃになっています。
>なぜ電波は壁を突き抜けるのですか?
壁の材質によります。電波の波長によります。材質と波長がうまく組み合わせられたら、電波は通過しますが、そうでなければ、物体にエネルギーを奪われて減衰します。
なぜ・・・って言われると難しいのですが、そもそも、物体の原子の構造は、真ん中に原子核(陽子と中性子の塊)があって、電子がその周りをめぐっている。その半径たるや、原子核の大きさからすると、ものすごく大きい(正確な数字はわすれたけど、1万倍とか、10万倍のオーダー)。つまり、物質というのは、実は中身はスカスカなのです。したがって、スカスカの大きさにうまく合致する波長の電波なら、物質を通りぬけるのも納得がいきます。
>ワイヤレス接続や携帯電話など、なぜ電波は壁を突き抜けて届くのですか?音は壁などがあればさえぎられて届きませんよね?電波とは呼んで字のごとく波のような電磁波だと思いますが、なぜ壁のような固体を突き抜けて届くのでしょうか?
まず、携帯電話の電波は、ガラスなどを通過します。多少は減衰しますが。それは、前述した通りです。しかし、多くの場合、例えば暑いコンクリートなどはほとんど通過しません。ビルの陰には電波は通りぬけないのです。地下にも、大ホールにも、ビルの奥にも、通過などしません。
携帯電話などに限っていうと、みなさんが、壁をとおりぬけたと思っている理由は、2つあります。一つは、都会は、だいたい3、400mごとに、ビルのどこかの屋上に基地局があり、電波を複数の方向に放射しています。ですから、ビルの反対に行ったときは、別の電波を使っていることになります。それにきづかないので、さも電波が通り抜けたように感じるのです。
もう一つは、反射と回折という現象です。
反射はよくわかりますね。光の反射とおなじ意味で、壁に当たった電波が反射して進む現象です。回折は、波が物質を回り込む現象で、たとえば、朝日が山からのぼるとき、太陽がまだ出ていないのに、山きわが光るあれが回折です。この反射と回折によって、電波は、障害物があっても、裏側にいきわたるわけです。別の例では、池で水の波を起こして、そこに木の棒をたてても、木の裏側まで波が伝わる。この方がイメージしやすいかもしれませんね。回折は、あらゆる波に共通した性質です。
実は、この度合いは、波長に大きく依存します。波長が大きいほど、回りこむ力が増えます。例えばTBSラジオの電波は、波長300mもあるため、たいていの障害物の後ろに回り込みます。ラジオがどこでも聞こえるのはこのためです。
携帯電話の電波は、20cmから30cmぐらいなので、なかなか回り込みづらくなります。したがって、都会では、反射や回折を加味し、ビルガラスを突き抜けるときの減衰も加味しながら、基地局を立て、多くの人が通話可能な状況を、専門的計算に基づいて作り出しています。ホールの奥や、地下鉄、地下街、高層ビルは、屋内の小さな補助装置から電波を出しています。決して、地上の電波が、地下に突き抜けているわけではありません。
可視光は、もっと波長が短く、そのため、ほとんど回折しません。さえぎると、その先はまっくらになるのは、そのためです。
最後にもう一つ、電波は電磁波です。他の人も言っていますが、放射能(一部)、可視光、赤外線、紫外線、X線、みんな、波長が違うだけで、同じ電磁波です。電磁波は、マクスエルの方程式でその振る舞いが記述されますが、何もない真空中でさえ、電界と磁界の変化の伝播として空間を伝わる。不思議なことですが、それが事実です。
不明な点は、どんどん聞いてくださいね。
お礼
誠に有難うございます。そうですね。本当に不思議ですね。真空も不思議に思いましたが、原子核と電子の間はそんなにも差があって、ではそのスペースにはなにが存在するのか。なぜ物体として強度を保てるのか。不思議です。