では出ていないところで与謝野晶子訳源氏物語。
わたしも実は最初の源氏としては田辺訳を推します。なんといっても読み易いですから。しかしあえて与謝野訳を挙げたのは、自分の初源氏が与謝野訳で、読んだ途端に引き込まれたからです。
当時中学生で、正直に言えばちょっと難しかった。特に登場人物が役職名で呼ばれる時など、役職は時を経るにしたがって変わっていくので、混乱もしました。
しかし源氏物語にはそれを上回る面白さがあって、全3冊を読むのはあっという間でした。今でも「あと残りこれしかない」と残りのページを気にしながら、制服のまま読みふけったことを思い出します。
あえていえば与謝野訳は、数ある訳の中で比較すると、恣意的に訳されているきらいがあるらしいのですが、しかしだからこそ文章がすとんと入ってくるのかもしれません。
また本人が時代的に少々昔の人になりますので、ゆるゆると長く連なる古典風のリズムが(読みにくい要素ではあるかもしれないが)源氏物語の雰囲気を伝えてくれると思います。
文字で紡がれる煌びやかな世界を味わって下さい。
いずれにせよ、いったん王道を通読してから副読本として他のものへ手を伸ばされた方がいいのではないかと思います。
副読本といえば、源氏物語はおそらく日本文学史上最も関連本が多い物語(だろうと思う。調べたわけではないですが)なので、そちらも読んでみると面白いですよ。
ますます愛着がわきます。
副読本も、やはり田辺さん。彼女には古典に対する愛がありますから。(源氏のパロディまで書いてはるし(^_^;)。これが新源氏物語を書いた人と同じだとはねえ……)
長々と失礼しましたm(__)m。
どうぞ良き出会いを。
お礼
回答、ありがとうございました。 本屋ではなく図書館で探して田辺聖子さんの本を見つけて立ち読みしました。 やはりたくさんの方が薦めるだけあって何冊もある本の中でも読みやすいと感じました。