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鏡像体化学における光学純度の求め方
鏡像体化学における光学純度の求め方について基礎から詳しく説明されている有機化学の書籍、ホームページを教えていただけないでしょうか?できれば演習問題がついているものが良いです。 弁理士試験の選択科目の過去の問題で出題されたので、その計算の方法をマスターしなければならなくなったのでよろしく御願いします。
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rei00 です。補足拝見しました。 光学純度を求める事は,意味さえ解っていれば簡単な計算問題にすぎませんから,あまり問題演習は無いと思います。これだけでは何ですから,お書きの問題で具体的に説明してみましょう。 > 設問(1)原料(1)及び(2)の光学純度を求めよ。 これは光学純度の意味が分かっていれば計算するだけでしょう。光学純度は #2 さんがお書きの式で与えられますから,数値を入れて計算するだけですね。 私の計算では,(1) 49.5%,(2) 6.4% です。 > 設問(2)反応に伴う立体保持もしくは反転の割合を求めよ。 立体反転の割合を x (%) とおいて,上記の光学純度の (1) からできる (2) の光学純度を考えてみましょう。話を一般的にするために,(1) の光学純度を a,(2) の光学純度を b とします。 旋光度の符号から,(1) はR体が過剰と分かりますので,R体 a+(100-a)/2 = 50+a/2 (%),S体が (100-a)/2 = 50-a/2 (%) 存在しました。 一方,(2) は旋光度からS体が過剰ですので,(1) のR体,S体からできる (2) のS体の量は次の様になります。 【(1)R体 → (2)S体】 (1) 及び (2) の絶対構造を考えると,(1)R体から (2)S体は立体反転です。(50+a/2) (%) の (1)R体が反転率 x (%) で (2)S体を与えますから,(2)S体 (50+a/2)・(x/100) (%) できます。 【(1)S体 → (2)S体】 この場合は立体保持です。(50-a/2) (%) の (1)S体が保持率 (100-x) (%) で (2)S体を与えますから,(2)S体 (50-a/2)・[(100-x)/100] (%) できます。 両者を合わせて (2)S体は, (50+a/2)・(x/100)+(50-a/2)・[(100-x)/100] (%) 実際に生じた (2)S体は,光学純度 b (%) から,50+b/2 (%) ですから, (50+a/2)・(x/100)+(50-a/2)・[(100-x)/100] = 50+b/2 整理すると, x = 50(a+b)/a になります。後は,数値を代入して計算するだけですね。反転率 56.5% と思います。 > 設問(3)上記の結果に基づき、立体化学の観点から > 反応機構を簡潔に説明せよ。 完全に反転(SN2 機構)した場合の反転率は 100% で,完全な立体保持であれば反転率 0% 。完全なラセミ化(SN1 機構)の場合はその中間で,反転率 50% です。この辺の事と SN1 や SN2 での立体保持,反転,ラセミ化の事を組み合わせ,実際の反転率 56.5% を説明すれば良いのではないでしょうか。
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- futunohito
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光学純度=(生成物の比旋光度/純エナンチオマー)×100 の式ですので,設問(1)は解答できると思います.この反応はSN1反応で進行するのでラセミ体ができるので,生成物は等量混合物になるはずです.それがわかれば,設問2も解答できるような気がします.少し自分で計算しましたが,きれいな数字にならなかったので上の考え方がもしかしたら間違っているかもしれませんので参考程度とお考え下さい.最初の式はあっていると思います.参考書としては,多少ですが問題も載っている「プログラム学習 立体化学」 竹内敬人著 講談社サイエンティフィック ぐらいしか思い当たりません.他の詳しい方が紹介してくれると思いますのでこの程度で・・・.
- rei00
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『基礎から詳しく説明』って,どの程度の事を指してられますか? 専門課程の有機化学の教科書であれば,まず載ってると思いますが・・・。 もう少し具体的な補足がいただければ,それに応じて詳しい回答を考えてみます。
補足
すみません、補足をします。 僕が欲しいのは演習書です。僕が持っている教科書では、光学純度の説明はされているのですが、半ページ程度で軽く説明されている程度で、それに対する問題演習がありません。また、大学院入試用の演習書を本屋で見たのですが、ほとんどが、化学反応の反応機構等が中心で鏡像体の化学に関する演習、光学純度を求める演習がありませんでした。 参考に去年の弁理士試験ではこのような問題が出ました。 比施光度[α]が-54°である(1-クロロエチル)ベンゼン(1)を希NaOH溶液で処理すると、比施光度[α]が+2.7°の1-フェニルエタノール(2)が得られた。但し、光学的に純粋な(1)及び(2)の(R)体の比施光度[α]はそれぞれ-109°及び-42.3°である。 設問(1)原料(1)及び(2)の光学純度を求めよ。 設問(2)反応に伴う立体保持もしくは反転の割合を求めよ。 設問(3)上記の結果に基づき、立体化学の観点から反応機構を簡潔に説明せよ。 これは、特許庁及び弁理士試験予備校ともに解答を出していないので、できれば解答をご教示いただけたら幸いです。