漢字二字で構成される単語(二字漢語)の読みに関するレポートのようですね。
漢字の読みには,音読みと訓読みとがあるのはご存じかと思います。
定義としては,音読みは中国語の音を元にしたもので,訓読みは元々中国のものだった漢字に対し和語(日本語)の意味をあてたものです。
つまり,二字漢語の場合,その読みは,音音,音訓,訓音,訓訓の4パターンしか存在しないことになります。
音訓・訓音の組み合わせは,その代表例を元に,重箱読み,湯桶読みと呼ばれます。
音読みには日本へ入ってきた時代の違いにより呉音・漢音・唐音の3種があり,さらに慣用音(誤読から生じた場合,「百姓読み」とも呼ばれます)があります。
また,訓読みの場合は,複数の漢字を一語の日本語として読む,熟字訓というものがあります。明日(あす),大人(おとな)などがその例です。
続いて,宛字についてですが,これは少々複雑です。
定義からもおわかりいただけるかと思いますが,訓読みはその当時としては,現代で言うところの当て字として使われていました。
外国語である漢字に,自国語である和語を当てていたのです。それが,時間の流れとともに定着して固定化しました。
しかし,明治以降には,自国語である漢字に西洋語を当てることが行われ,こちらも当て字と呼ばれることになりました。亜米利加・米国(アメリカ),珈琲(コーヒー)などです。
西洋語以外にも当て字が行われる場合もあり,例えば,猟虎(ラッコ)はアイヌ語です。
さらに,本来は漢字で書かない表現に対し,その読みに一致する漢字を当てるような例もあります。有名なのは夏目漱石でしょうか。
近年のケースとしては,漢字と関係のない(あるいは一般的ではない)のルビを振る当て字もよく見られますね。
研究者によっても見解が異なりますが,当て字は熟字訓に含まれる場合が多く,分類上は訓読みとなります。
日本語史のレポートということですので,二字漢語の読みとして,面白いケースを紹介します。
興味があれば,調べてみてはいかがでしょうか。
・「浩汗」は「こうかんとおぎろなり」と読みます。これは文選読みと呼ばれています。
・旧国名の多くは,二字漢語で表現され,和泉(いずみ),飛鳥(あすか),石見(いわみ)など,独特な地名が多くあります。