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化学の素朴な疑問
これまで化学反応について習い酸・塩基の単元に入りました。 酸が酸性を示す理由は電離して、H+が水と反応してオキソニウムイオンを放出するからと書かれていました。そこで疑問が生じました。 硫酸と塩化バリウムの反応で考えます。 硫酸は電離していますよね、そうするとそのHは水と反応してオキソニウムイオンになっているはずです。そしたら、もう硫酸ではなくオキソニウムイオンと硫酸イオンの混合物になってしまいますよね。 でも化学反応ではオキソニウムイオンのことなど気にせず化学反応式をかいていました。 これが疑問です。
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水溶液中で、硫酸のHは硫酸にくっついているか、水にくっついているかのどちらかの状態です。 硫酸分子のまわりは水の分子に取り囲まれています。その周囲にある水の分子のどれかに移動するのです。 水にくっつく時の反応は H2SO4+H2O→H3O^+ + HSO4^- HSO4^-+H2O→H3O^++SO4^2- 希硫酸であれば分子状のH2SO4はほとんど存在しません。HSO4^-はいくらか存在します。 裸のH^+が水溶液中をふらふらと動き回っているということはありません。 濃硫酸では水が少ししかありませんから上に書いた変化がほとんど起こりません。酸としての働きが弱くなっています。 濃硫酸にMg片を入れてもほとんど反応しません。 水で薄めると急激に反応するようになります。 ただ従来から使われてきたH^+という簡単な表現が慣習的に使われています。 水溶液の中でH^+と書いたときはH3O^+のことだと考えてくださいという意味です。 ていねいに書けば#2の回答に書かれているようになります。 反応の中身は H3O^+ OH^-→2H2O です。 H3O^+のなかのHとOの3つの結合は共有結合です。あとからきたHはどれであるかという区別は出来ません。 NH3+H2O→NH4^++OH^- の反応でNH4^+ができるときのNとHの結合と同じ性質のものです。 H^+の周りを水が取り囲んでいるというのではなくてどれかの水と結合しているのです。そうしてできたH3O^+の回りを水の分子が取り囲んでいます。それはOH^-の周りを水の分子が取り囲んでいる、Ba^2+の周りを水の分子が取り囲んでいるというのと同じです。 酸はH^+を放出する能力がある物質です。 でも放出されたH^+がどこかをふらふらとさまようということではありません。何か他の物質に渡すのです。 水の中であれば水に渡します。 アルコールの中にあればアルコールに渡すでしょう。 渡す相手がいなければ酸から出ることはできません。 ※H3O^+やNH4^+を作っている結合は共有結合です。 配意結合という言葉が使われていますので「イオンの周りに水が配位している」というときの配位と混同する可能性がありますが別物です。 (#1様は混同しているのではないでしょうか。) 配位結合は共有結合の一種です。 共有電子対への電子の提供が対等ではない場合に対して使われています。
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- BookerL
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オキソニウムイオン H3O+ は、慣習的に H+ と書いて扱います。 「オキソニウムイオンのことなど気にせず化学反応式をかいていました」というのは、次のような式でしょうか。 H2SO4 + Ba(OH)2 → BaSO4 + 2H2O 気になるのでしたら、次のように考えましょう。 硫酸が電離する:H2SO4 → 2H+ + (SO4)2- ……(1) 水酸化バリウムが電離する:Ba(OH)2 → Ba2+ + 2OH- ……(2) (1)(2)の式を足せば H2SO4 + Ba(OH)2 → 2H+ + (SO4)2- + Ba2+ + 2OH- となりますが、右辺の 2H+ +2OH- は 2H2O となり、 (SO4)2- + Ba2+ は BaSO4 となりますので、結論として H2SO4 + Ba(OH)2 → BaSO4 + 2H2O です。 どうしてもオキソニウムイオンが気になるなら、(1)の式は H2SO4 + 2H2O→ 2H3O+ + (SO4)2- ……(3) となりますので、(3)と(2) を足して H2SO4 + 2H2O + Ba(OH)2 → 2H3O+ + (SO4)2- + Ba2+ + 2OH- → BaSO4 + 4H2O 最後に、両辺にある H2O を減らしたものが H2SO4 + Ba(OH)2 → BaSO4 + 2H2O です。
- potachie
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バリウムイオンは、水溶液中で、水和錯イオンとして存在しています。 そのことを気にせずに、化学反応式をかいていますよね。それと同じです。 化学は、少なくとも化学は、実利の学問です。実際の事象を描き複雑にするよりも、物事を単純化して分かりやすくして、より先のことを理解しやすくすることを選びます。 なお、希硫酸は、水素イオン、オキソニウムイオン、水、硫酸、硫酸イオンの混合物です。けっして、硫酸イオンとオキソニウムイオンだけ、というわけではありません。 さらに、水は、H2Oが単独に存在するだけでなく、いくつもの水が網目構造をつくる集団を形作っています。水分子、という概念はあまり考えない方が正解、というものです。 複雑な話は大学で、高校での入口は、かなりカンタンになるように教えていると思ってください。 他にも、高校で習う電池は、大学でこの分野を習うとき、細かい細部では、まるごと否定しにいきます。でも、高校で習う知識がないと理解できないので、教えるんですね。