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もう一度高強度コンクリートについて教えてください。
この数日間コンクリートについて教えてくださった方には感謝です。 おそらくあと何度も質問するかもしれませんがお許しください。 さて高強度コンクリートについてお聞きしたいと思います。 高強度コンクリートって制作の際コストがかかるのは合成樹脂の ためですか? そして合成樹脂のコスト削減ってどのように対策できるのか? 私の勝手な考えですが、カルシウム成分をコンクリートの中に入れ 強度を保ちつつコスト削減、という風にはいきませんか? この3つの質問に答えてくださいお願いします。
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建築構造屋です 超高強度コンクリートを作るのは極めて簡単なことです。 水を減らせば良いのですから。 これは大昔から知られている事で、コンクリート工学の基本中の基本でもあります。私も大学時代は良くFc80とかFc100のコンクリートを練ったものです。特殊な混和剤などは使わずに、です。 ですが、水を減らせばボソボソの生コンとなるため、実験室レベルの供試体を作る分には支障はありませんが、実際の建物を施工するとなると、ジャンカなど施工不良を起こす要因となり実用できません。 そこで使われ始めたのがAE減水剤と呼ばれる混和剤です。 これを使うと水の量を圧倒的に減らすことが出来ることに加え、流動性(ワーカビリティ)を損なうことはありません。 コンクリートのコストに着目しているようですが、 生コンの価格というのは、生コン業界の組合の影響力が強いため、材料が安くなっても、それが生コン価格に反映されるかどうかは何ともいえません。いわゆるカルテルですな。 超高強度コンが敬遠されるのはコストが主要因ではありません。 コストだけが問題であるなら、超高強度コンを使うことで柱や梁などの断面を小さくしたり鉄筋量を減らしたりできますので、建物のトータルコストで見れば安くなることが多いのです。 では、何が原因で敬遠されているかというと、それは制度上の問題です。 超高強度コンを使う際には、生コンプラント+施工会社のペアで大臣認定を取得する必要があります。この認定を受ける為には、供試体の作成期間を含め約半年ほどかかります。つまり単純に着工が半年遅れると言う事です。施工会社にとって工期半年削減は、どう突貫工事してもおっつかないレベルで不可能ですので、設計段階から超高強度コンの使用を諦めてしまうことが多いのが現状です。 志望理由でお悩みなんですよね。 超高強度コンの開発は大昔から語りつくされてきたテーマで真新しさは全くありません。混和剤に注目しているようですが、混和剤はコンクリート工学というよりも高分子系の材料工学の分野となります。 コンクリート工学で現在一番ホットな研究テーマは「高靭性コンクリート」だと思います。大変形をを受けてもひび割れたり破壊したりする事がないため、超高層RC建物の制震装置として使われることが期待されています。 この高靭性コンをさらに発展させれば、超高張力コンの開発も夢ではないと個人的には思っています。圧縮強度並みの引張強度を持つコンクリートです。これが実用化されれば、躯体がひび割れる事はありませんし、なにより鉄筋が不要となります。鉄筋が不要ですので中性化などの劣化問題も関係ないこととなり、建築業界には革命が起きることだと思います。
お礼
ありがとうございます。 高靭性コンクリートについて少し調べてみます。