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半反応式の作り方について
半反応式の作り方は、例えば過マンガン酸カリウムKMnO4(酸性条件)を例にとると、次のようになると参考書に書いてありますが・・・ (1)Mn04(-)は酸性条件では、還元されてMn(2+)になる。これは覚えておくしかない。 (2)Mnの酸化数の減少(+7→+2)に応じて、酸化数の差だけ左辺に5e(-)を加える。 ここまではそれなりに納得しているのですが、その次の下り (3)両辺の電荷をつりあわせる為、左辺に8H(+)を加える。 と、その次の (4)両辺の原子数が釣り合うように、右辺に4H2Oを加える。 という過程が、どうも腑に落ちません。 何が腑に落ちないのかというと、(3)で言えば「両辺の電荷をつりあわせる為」とはいえ、勝手にH(+)を加えても良いものなのか?・・・ということです。 確かに、酸性条件下、ですから水溶液中にH(+)が存在するのはわかるのですが、それがH(+)を加えていい理由にはなっていないと思うのです。 極めつけが(4)で、H2Oを加える理由が「酸化剤の場合、水が生成する場合が多い」と書いてあるのですが、これは理由になっているのでしょうか? 「水が生成する場合が多い」というのは「生成しないこともある」ということで、その場合ではこの方法が使えないということなのでしょうか? 実際に反応がそのように起きている、というのならよく分かるのですが、なんだかとってつけたような理由で化学反応式を組み立てているようで、納得できません。 お願いします。
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>(3)で言えば「両辺の電荷をつりあわせる為」とはいえ、勝手にH(+)を加えても良いものなのか? 「両辺の電荷をつりあわせる」は絶対に必要です。これが無いと半反応と呼べません。 >「酸化剤の場合、水が生成する場合が多い」 これは笑って済ましなさい。一応数合わせするとき便利なので、あってもなくても良い水を使うとおぼえておく方が良いです。 何が出来るのか気になって夜も眠れない人も世の中には居るのです。
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- htms42
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全ての化学反応式では ・両辺で各成分元素の原子の数が一致する ・両辺で電荷の総量が一致する の2つの条件が満たされている必要があります。 半反応式は酸化剤、還元剤のどちらか片方についてのものです。 片方の物質だけについて原子の数と電荷とを一致させなければいけないのです。 MnO4^(-)がMn^(2+)に変わっているのですから 酸素の数と電荷が変化しています。 酸素の数の変化は水H2Oでカバーします。 他にOを含む物質はありません。 反応環境の中でOを含んでいる一番ありふれた物質を数の調整に選んでいるのです。 Oの数をH2Oで合わせればHの数で食い違いが出てきます。 そこでH^(+)で調整します。(ここでOH^(-)を使うわけには行きません。またOの数が違ってきます。) 最後に電子を補って電荷を合わせます。 (酸化数の変化は電荷をあわせるための基本原理ではありません。 「酸化数の変化に応じて電子を補えば電荷を合わせた事になっている」というのには疑問を感じませんか?) 「酸性条件だからH^(+)を補う」と考えているわけではありません。 Hの数を合わせるためにH^(+)を補っているのです。反応によって溶液の液性が変わることが多いのでH^(+)を調整に選んでもいいのではないかというだけです。 水溶液の中にはH2OとH^(+)しか調整に使うことが出来るものがないということでもあるでしょう。 MnO4^(-)は 酸性条件では MnO4^(-)+8H^(+)+5e^(-) → Mn^(2+)+4H2O (1) 中性、アルカリ性条件では MnO4^(-)+4H^(+)+3e^(-)→MnO2+2H2O (2) 上の手順通りに式を作れば(1)、(2)のどちらでも左辺にH^(+)が出てきます。(アルカリ性条件であれば左辺にOH^(-)を置くと発想すると間違いになります。) 中性、アルカリ性条件での反応であるということに(2)の表現を合わせておく方がいいと判断すれば両辺に4OH^(-)を加えて(2’)に変形します。 MnO4^(-)+4H2O+3e^(-)→MnO2+2H2O+4OH^(-) MnO4^(-)+2H2O+3e^(-)→MnO2+4OH^(-) (2’) 半反応式の左辺にH^(+)が含まれているからといって 反応式の左辺にもやはりH^(+)が含まれているとは言えません。 過マンガン酸カリウムの硫酸酸性水溶液に二酸化硫黄を吹き込んだときの反応式は 2MnO4^(-)+5SO2+2H2O→2Mn^(2+)+4H^(+)+5SO4^(2-) です。酸性は強くなっていきます。
- Tacosan
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まず, この反応に関与する可能性があるものを挙げてみます. それは当然水中に存在するもので, K^+, MnO4^-, H^+, H2O, OH^- です. このうち K^+ は反応に関与しません. また, MnO4^- はそれ自身が反応するのでこれも除外することになります. ということで, 残りの H^+, H2O, OH^- を使って電荷の調整を行うことになります. ここで, この反応が酸性条件で起きていることから, OH^- は非常に少ないので事実上無視してかまいません. すると, 残る H^+ と H2O で調整することになります. これが (3) で H^+ を加える理由です. (4) は単に物質の収支を考えたらこうなるだけ. ちなみに中性及び塩基性条件下では MnO4^- → MnO2 なので MnO4^- + 3e^- + 4H2O → MnO2 + 4OH^- と H2O と OH^- で調節します.