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ポリビルアルコールの劣化

ポリビニルアルコールは、使用して長期間経過すると構造が変化し、立体架橋をとることが知られていますが、このときの構造や、溶媒特性など、ご存知の方がいらっしゃればお教え下さい。 また、こうなった場合のPVAをどうやったら除去できるでしょうか。

みんなの回答

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.5

何度もすみません. それほど膨潤しにくいということでしたら,熱硬化性樹脂に性質が近くなってしまっている,と考えた方がいいかも知れませんね. でしたら,酢酸は試して欲しい溶媒です.というのは,他の溶媒は単なる親和性で浸入するのですが,酢酸だけは水素イオンによる攻撃で分子鎖を押し広げ,さらに酢酸イオンが親和性で浸入して膨潤させる,というメカニズムのようなのです.他がダメでも,可能性がありそうです. あと,温度を上げたことはありますか?溶媒の浸入速度は,アレニウスプロットで直線になる場合が多く,温度を上げると浸入速度は著しく向上します.有機溶媒は沸点が低くて,加熱が危険な場合が多いのですが,20℃→50℃でもかなり違いますよ. それと,溶媒への浸せき時間ですが,熱硬化の場合,数百時間はあたりまえです.気長にデータをとってみて下さい.お礼は遅くても構いません.GW中だし.他の回答者さんが登場して下さるといいんですが….ぼくの頭ではもう限界です.

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.4

だいぶ状況がわかってきました. IRですが,かなりいろんなことが起きてる,というわけですね.架橋のメカニズムも1通りではないんでしょうね,きっと.ラマンにかけてみる手もありますが,無駄のような気がします(あまり経験ナシ). DSC以外の分析だと,DMAなどの動的粘弾性試験もあります.tanδなどを求めることで架橋の度合いをある程度(定性的ですが)把握できるかも知れません.フィルム状サンプルだと測定が簡単です. それから溶剤についてですが,溶解度パラメータ(SP値)を意識しながら選んでいますよね?ご存知と思いますが,ポリマーの膨潤度はSP値に依存します.あらゆる溶媒に「全く変化なし」だと困るんですが,多少なりとも変化があるようなら,横軸にSP値,縦軸に膨潤度をプロットしてみることをオススメします. 当てずっぽうですが,THF,酢酸,クロロホルム,n-ヘキサン,酢酸エチルあたりで何とかならないでしょうか?

p_nonoko
質問者

お礼

外出続きで、お礼が遅くなりました。 溶媒の件、そうですね、SP値でプロットするのは一つの手ですね。膨潤すれば、ですが。 というのもTHF、ヘキサン、酢エチには、全く変化する気配を見せないもので・・・ クロロホルムはやっていませんが、望み薄です(TT)。 酢酸は、本来なら一番可能性は高そうですよね。 でも、あそこまで劣化してしまったものが膨潤するかどうかはかなり疑問ですが。 手元のサンプルは粉状で、しかもごくわずかずつしか採取できないのでDMAは使えるかどうか・・・ がんばってみます。 いろいろ本当にありがとうございました。

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.3

実際のところ,どのぐらい劣化するんですか? 多少もろくなる程度なら,IRには変化が出ないでしょうね.水分を完全に除去できているなら,3000cm-1あたりに絞って観察すると,-OH基に何らかの変化があるかも知れませんが…. 他の分析というと,分子量測定とDSC測定がいいかも知れません.DSCは測定も簡単なので,是非一度やってみたいところです. プロジェクトですか.それは大変ですね.大石先生のところに直接,相談に行ってもいいかも知れませんね.現在は神奈川大学(参考URL)の理学部化学科の教授です.元は鉄道総研にいらした方で,新幹線に雪をつきにくくするポリマーの研究などをされていた方です.熱可塑系ポリマーの劣化では第一人者ですね.

参考URL:
http://www.kanagawa-u.ac.jp/index1.html
p_nonoko
質問者

お礼

ごめんなさい、言い方が紛らわしかったですね。 IRに変化がないのではなく、変化は大ありで、ディテクトできる吸収がエーテル結合だけになってしまうんですよ~(TT)。 それ以外は、全くブロードです。 たぶん、OHががんがんに架橋して、エーテル結合になってしまい、それ以外は、どんどん結合が切れているのでは、と思っています。 最初の投稿で、溶媒特性云々を書いたのは、この架橋のせいで、およそ考えられる範囲の溶媒にはほとんど不溶になってしまうためで、少しでも膨潤でもしてくれないかな、というのが目下の希望です。 なので、分子量測定は不可能ですよねぇ・・・ DSCは、やってみる価値あるかも、ですね。 ありがとうございました。

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.2

ポバールは構造材料用途に使われていないので,劣化についての系統的な研究は少ないような気がします. 分子鎖の切断と架橋が並行して起こっていると思いますが,詳しいことはわからないです. 参考文献として,下記があります.古い本ですが,一番上のものは参考になるかも知れません. ○大石不二夫「プラスチックの耐久性」(工業調査会) ○大石不二夫,成沢郁夫「プラスチック材料の寿命」(日刊工業新聞社) ○長野浩一・山根三郎・豊島賢太郎「ポバール」(高分子刊行会)

p_nonoko
質問者

お礼

ありがとうございます。 仕事上で、この手のポヴァールが問題になっていまして、プロジェクトが立ち上がろうとしているところです。出身がポリマー合成系で、劣化のほうは不得手でしたので、情報を探しているところでした。 大石さんの本はいちおう、押さえたのですが、やはりそれ以外はあまりないんですね。 一からはじめる覚悟ができました。 でも、こうなってしまったものって、IRとかでもエーテル結合しか見えないんですよ~。う~む。 ありがとうございました。

  • shota_TK
  • ベストアンサー率43% (967/2200)
回答No.1

どなたからも回答がないようなので・・・ えっと,この場合のポバールは水溶液ですか?それとも固体のポバールですか? あと,ポバールって酢酸ビニルをケン化して作りますよね?ケン化度はどのぐらいのものをイメージしているのですか? それからついでですが,「PVA」の略称は,ポリビニルアルコールに使われることもありますが,酢酸ビニル(Poly Vinyl Acetate)のPVAと混同するので,最近はポバールと略すのが一般的のようです.

p_nonoko
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 もちろん、固体です。 20年以上経っているものですから。古いものでは40年以上のものもあります。 なので、けん化度は、まちまちです。 ポリマーの劣化って研究されているようで、されていないですよね。 どなたか、文献や周辺情報だけでもご存知だと有り難いのですが。

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