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複合材の材料力学

飛行機の主翼の破壊試験というものを初めて見ました。 「材質はCFRP(炭素繊維複合材)主翼の破壊試験は、通常制限荷重(航空機の運用中に加わることが予想される最大の荷重)の1.5倍(150%)の荷重(終極荷重)をかけて3秒間壊れないことが要求されますが、このビデオでは1.3倍(130%)を超えたところで壊れています。壊れたところは翼の上面で圧縮応力になるところで、砕けるように壊れています。」とありました。関係者にとっては当たり前かもしれませんが、このビデオが衝撃的に感じてしまいました。 ビデオを見る限り複合材は金属のような特徴ではなく、プラスチックで、引張荷重では破断せず、圧縮荷重で座屈するように圧壊する方が先にくるんだなと感じました。 普通金属の場合、このビデオのようにじょじょに荷重をかけていって一発破壊する破断荷重って、0.2%ひずみが生じる降伏応力より高いと思うのですが、疲労限って実験的にいくつと決まっていますが、複合材も出ているのでしょうか?金属だと1/2とか1/3近い数値が多いのですが、複合材もだいたいこのくらいになるのでしょうか? 心配したのは、ぎりぎり150%の荷重に持つように補強されたとしても100%荷重より低いところに比例限があるような気がして、そうしたら低サイクル疲労で壊れるのかなって。 飛行機の離発着時やエアスポットなどで乱高下したとき最大応力振幅が繰る返されるので、1回の飛行で10回ちかいバタバタがあったら、100回位の飛行で羽根が折れちゃうの?この羽根の強度って想定した強度の半分しか無いの?って感じたのです。 複合材の材力的な常識が良く判らなかったので、判る方居ましたら、お教え下さい。 http://subal-m45.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/787-d806.html http://787milestones.tpninteractive.com/

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noname#94887
noname#94887
回答No.1

複合材の常識を知ってる訳でもないのですが、787の開発遅延は問題 になってるみたいですね。 >「~主翼の破壊試験~」関係者にとっては当たり前かもしれませんが いや、当たり前ではないと思いますよ。何しろ最低限の耐空性基準項目を パス出来ないのですから。関係者一同、頭を抱えたと思います。 この主翼、三菱重工で作ってるらしいのですが(下記資料より): (引用)「787の生産にあたっての特徴は機体構造の65%以上を外注 していることであり、このうち35%は日本の航空機産業が請け負っている。 特に複合材の主翼は三菱重工の担当で、性能の多くを支配する主翼の 製作を担当するのはこれが始めてである。」(出典、酣燈社航空機年鑑) 同社の技術が低いとは思えません。しかし制作上の技術的問題等には 経験則がまだ無いので、予測不可能な事が起こってるのかもしれません。 全金属製であれば主翼上面7075・下面2024というアルミ合金の組み合 わせで長年の実績がある訳ですが、複合材はやはり新しい技術だという 部分が露呈しちゃったんでしょうか。ちょっと残念。 疲労に関する細かい数値的なことは解りませんが、ヘリコプターのローター では今日的には複合材の方が優秀だとして多用されてると思います。 金属では不可能な翼型が作れ、腐食を考える必要もなく、疲労や破壊にも かなり向上するとされています。6061とグラスエポキシの実験例では: (引用)「コンポジット製のローターブレードはアルミ製のものに比べ4倍以上 もの繰り返し荷重に耐えているのが解る。50万回もの繰り返し荷重を加えて も破壊せず、20インチ以上のクラックが発生していたがそれ以上進行しな かった。」(出典、鳳文書林 ダイナミクス・オブ・ヘリコプターフライト) 他にも海難救助ヘリのローターにワイヤーが絡み、帰還してみたら一枚は 見るも無残にズタズタで、ものすごい振動が出たが何とかなった、という様な 武勇伝が複合材ローターにはありますし。 決して複合材が強度や疲労に弱点があるのでは無いと思います。ただ、製作 上で均一にするのが難しいとか、解決すべき問題があり、技術的には十分 克服出来ると思います。(に、しても急がないといけませんが...。)

gn_drive
質問者

お礼

ありがとうございます。 これは単に主翼を担当している三菱重工の製造技術や設計技術がどうのこうのではなく、当然FEMなど解析して設計していると思うし、F2で製造経験も高いと思うので、単に最も基本的な材料力学的な数値が実験的に十分足りえていないのではと思ったのです。 787はボーイングが、MRJは日本国を上げて大学と共同開発しているので、こういう素材開発や素材の試験データなど、豊富にあると思うのですが、それにしてもこの折れ方は無いだろうとびっくりしたのです。 材料バラツキまで把握して設計しているのかとか、この強度試験中もどの程度歪ゲージ入れて測定していたのかとか、機械開発の基本が出来ているのか心配したのです。出来ていたらこんなビデオをあんな冷静に紹介できないなと感じたものです。(まあ大きなお世話ですね・・・) でもヘリコプターのローターに複合材は使われているんですね。 僕はこのビデオ見て、10000回くらい飛行してからでないと乗る気はしませんが、B787は飛ぶと良いですね。

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