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信長について
小説やテレビに関するのでこのカテゴリがどうか迷いましたが・・・ 遅ればせながら、最近山岡荘八の織田信長を読みつつ、 15年ほど前に緒方直人主演で放送された大河ドラマ「信長」を見ています。 どちらも史実をベースにしたフィクションなので、多分に作者の思いで描かれているのは 承知ですが、あまりにも描かれ方が違いますよね。 それで信長に詳しく、かつどちらも経験された方にお聞きしたいのですが、 あの山岡荘八の信長と、NHKの信長と、資料上どちらが実像に近かったのでしょうか? とりわけ、非常に良妻として描かれた小説の濃と、感情的でややずれたドラマの濃と 実像はどちらに近かったのでしょう? あまりにも小説の信長が、先見、感性など超人的に描かれているので疑問に思ってしまいました。 もう一点 小説の織田信長には、多くの行動に具体的な月日が書かれています。 合戦の月日は記録に残っているにしても、日常の月日も何か記録が残って いるのでしょうか?
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NHKの信長には、いらいらしますね。「聞くところによると…」がわざとらしい。外人がそんな詳しい話を誰から聞いたんだ、と突っ込みたくなる。 NHK大河ドラマに共通して言えることは、一般に知られる作り話を取り込みすぎることです。例えば、創作物として名高い絵本太閤記に乗っている逸話をそのまま入れたり。山岡荘八の織田信長は、ドラマ性がない分、史実には基づいていると思います。 ただし、山岡荘八の小説は古いので、現在の学説とは異なる部分もあります。濃姫は、司馬遼太郎の国盗り物語でも良妻賢母とされていますが、最近の小説などでは、夫婦間は冷え切っていた、信長は側室の吉乃にぞっこんだった、などとされているものが多いです。性格的にも、独創性はあったが、気が短すぎるため、天下人には向いていなかった、とかされるようです。 明智光秀の謀反にしても、徳川家康の接待に腐った鯛を出した、老婆を貼り付けにされた、国替えを命じられた…、なんて嘘っぱちですよ。明智光秀も、一人の戦国武将です。隙あらば、という気持ちは当然持っていた、というのが太閤記にのっとらない、真実に近いものです。 最近の随筆等を読んで見られることをオススメします。ちょっと興醒めするところもありますが。僕の読んだところでは、 織田三代記 羽生道英 PHP文庫 本能寺の変 樋口晴彦 学研新書 大いなる謎・織田信長 武田鏡村 PHP文庫 集中講義 織田信長 小和田哲男 新潮文庫 (信長に対する悪口と聞こえるかもしれませんが、実は信長にはぞっこんです)
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- kimari14
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小説にも起承転結があり、さらにもっと時間的な制約を受けるテレビの脚本とでは、小説の方がより史実に近いもの(といっても大筋の世界だとおもいます)に描かれているでしょう。テレビは短い時間の中で、盛り上げ泣かせ、来週も見るといったふうに、練られていなければ、いい脚本とはいえないでしょう。 通称、桶狭間戦(西三河尾張国境紛争戦)をテレビでは、敵の軍勢を超大軍とし、弱小の織田が、わずかな数で打ち破ぶる。そのために、 百姓に化けた蜂須賀が、酒を勧め、油断を導く スリル満点にしておく。この戦も、ずっと前はもっとハデに奇襲戦として描かれていましたからね。資料的には、伊勢神宮に信長の家来の佐久間信盛が、義元の首を取ったことを手紙で知らしています。残っています。かように、見る見られるということでの物語りでしかありません。 小説は、できる限りの資料、文献で各々の信長を創り上げるのであって、描かれる世界は、どれもそうだろうし、どれも違うかもしれません。だから、360度なんでしょう。 フロイスの見た戦国と信長、家来大田牛一の書いた信長公記の中の馬借と信長のやり取りから垣間見れる人物像、大久保彦左衛門が書いた三河物語のなかの信長、公家の吉田兼見の書、しかし参考とする資料が100%とでない以上、小説は生き続けるのでしょう。 わたしは、伊勢三河海運圏の範囲で、この海運に従事する海の者ども、 が、保守的な独占権をもって、統制しょうとした義元より、自由な公益を実践してきた信長に多くの海民たちが、密かに支援していたことは、間違いないようにおもいますし。でなければ、この紛争戦にわざわざ義元が出てくることなく、大高城の守備兵が兵糧のなさに悲鳴を上げるほど、信長の締め付けがきつく、ほっておけば、水野をはじめとする知多の地侍どもは完全に織田方になって、三河の海運も手に落ちてしまう。つまりテレビとは逆で、西三河では、織田が優勢だったことを意味しています。濃姫さんですが、これはまったくいまのところ、どうにでも書ける人物とおもいます。
- hurasuke
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返答ありがとうございました。 ええと、信長を見ても、信長の実像が見えてこないと申し上げたのは、何も信長に限った話ではありません。信長公記も太閤記もそうなんですが、基本的に勝者が御用作家に書かせた記録なんです。自分にとって都合の悪いことを書かせる人はいません。その人を調べるのならば、その人の記録よりも、少し離れた関係者の記録を集めた方が視野が広がります。 >テレビなどでの信長の特集を見ても、 >決して信長のいい面ばかりを紹介してはいないように思います。 >激烈な性格で、家臣内にも相当敵を作っていたようですし。 確かにその通りなんです。私が言いたいのは、悪い部分をたくさん紹介していても、それ以上に長所のある人間だったという方向で作品が作られることです。数万人の民百姓をだましうちにするような人間の長所を褒める人の気が知れません。 ただ、私自身が明智光秀について詳しく調べる前は、多数の皆さん同様に、信長を英雄視している部分がありました。しかし今は全くそう思えません。私は今、間違った武勇伝は否定しています。ですが、質問の趣旨と違っていたらご容赦下さい。悪意はありませんので。
お礼
再びありがとうございます。 おっしゃることはよくわかります。 メディアの扱いは必ずフィルタリングされていますから。 まあ、史実は史実として客観的に受け止めることにします。
- hurasuke
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信長を読んだり見たりしても、信長像は見えてこないと思いますよ。幸村を読んだ方が家康像が見えてくるかも知れないのと一緒で・・・明智光秀を読まれた方が信長が見えてくると思います。 桜田晋也さんの書いた明智光秀が良いと思います。上・中・下巻で結構長いですが、今までわからなかったことがわかるようになりました。大多数の方は、信長の長所ばかりを見ているのだと思います。決して尊敬に値するような人間ではありません。それがわかるのは、読んだ人・気付いた人だけです。
お礼
回答ありがとうございます。 信長を読んだり見たりしても、信長像は見えてこないと思いますよ。 →これは信長を取り上げたものは所詮信長の功績やいい面のにみスポットが当たって いるから、ということですね? それは、心してかかります。が、テレビなどでの信長の特集を見ても、 決して信長のいい面ばかりを紹介してはいないように思います。 激烈な性格で、家臣内にも相当敵を作っていたようですし。 単純にNHKドラマの原作の捉えかたと、山岡荘八の小説の捕らえ方 どちらが実像により近かったのかなという疑問でした。 尊敬に値するような人間ではない・・・ これは「人間性」をメインで見た場合のことを言っておられるのでしょうね
- bgm38489
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NO2です。 日付の問題は、信長に関しては、近世初頭の武士太田牛一が書き残した信長公記にしっかり載っています。他にも、随筆等を読んでいたら、基づく資料が書いてあったと記憶しています。 信長公記 奥野高広 岩沢よし彦校注 角川ソフィア文庫
お礼
詳細かつご丁寧な回答ありがとうございます。 確かに、いちいち「聞くところによると・・・」は煩わしいです。 それがDVDで連続で見ればなおさら・・・ 山岡荘八の小説の内容がより事実に近いとすれば、やはりすごい人だったのでしょうね。 でも、確かに明智光秀にしても、忠臣蔵の吉良上野介のようにちょっとイメージ先行 二なり過ぎているきらいはありますね。 明智光秀にしても、それなりの人物ではあったのだろうと思うのに。 日付はかなり残っているのですか。すごいです。 これまで歴史を毛嫌いしていましたが、お勧めの随筆なども挑戦してみようと 思います。
- tanuki4u
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濃姫 これは、信長関係のフィクションを書く上での「ワイルドカード」です。なんせ、ほとんど何も記録が残っていないのですから。 信長の天才性 最近の史家では、信長も十分に中世人で、その場その場の対応をしていった結果、後世の人間が「うーん、近代的!」と言っているだけではないかと言うことのようです。 日付 日付を気にするのは京都の公家ぐらいなので公家がらみのものは、裏付けがありますが、そのほかは作家の推測です。
お礼
回答ありがとうございます。 そうなんですね。 信長と、濃の間には実は子供がいたかも知れないという文も読んだことがあります。 さすがにあまり明確なことはわからないのでしょうね。 「その場その場」の対応が結果として全て思惑通りになったことや、 南蛮文化を積極的に取り入れていることでもやはり当時としては図抜けていた ということでしょうか・・・ タイムマシンがあればまず行って、会ってみたい人です
お礼
ご丁寧な回答ありがとうございました。勉強になりました。 もともと歴史が苦手な自分にとって山岡荘八の小説はとてもいいきっかけに なりました。 それと、NHKの大河ドラマってあんなもんなんだなというのもわかりました。 マンガのような平幹二郎、出てくるたびにうんざりする菊池桃子 まあ、役なんですが・・・ 要は歴史ドラマではなく、歴史風青春ドラマなんですね。 そう理解しました。