「景観」の字義
「景観」の字義
景観法には景観の定義がありませんが、その解説本には、景と観に分けた解釈が見られます。
もともと、景観は主としてドイツの地理学者が用いたLANDSCHAFTの訳語で、昭和のはじめに日本の学界で造語されたものといわれています。古来用いられている「風景」が視覚的な面を捉えているのに対し、景観はドイツ語の原義では地域という意味合いが強いと思われます。したがって地理学者のなかには景域というべきだとの議論がありました。なお、英語ではLNNDSCAPE、仏語ではPAYSAGEと訳されています。
さて、景観法の施行に伴い、自治体では景観計画の策定が進んでいますが、その際の説明で、
「景観とは、見る対象である景と、それを眺める主体の観の関係性から生み出されたもの」
との定義をしばしば見受けます。
もともとLANDSCHAFTという概念は世界共通なので、この解釈は特異ですが、それはともかく、景気とか景色(?)などと比較しても、こうした解釈が成り立つかどうか疑問をもちました。
地理のカテだと、そんな説明は学説史上ありえないと一蹴されそうなので、解釈として成り立つかどうか、国語のカテでお伺いする次第です。