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HIVの研究について
今、HIV発見者のモンタニエ博士の著書を読んでいますが、その中で、どんなに強力な抗ウイルス薬品ができたとしても体からHIVを完全に排除できないとありました。現在、抗ウイルス薬の進歩は目を見張るものがありますが、遺伝子治療など、本質的な病気の根治(ウイルスの体内からの根絶)につながりそうな研究にはどのようなものがあるのでしょうか?また、ウイルス排除はいずれ(2,30年以内)可能だと思いますか?
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こんばんわ。 そうですね、siRNAもいわゆる抗ウィルス薬も、基本的にはウィルスの増殖を抑制したり、あるいはそれ以上ウィルスが体の中の他の細胞へ感染しないようにする方法です。ゲノムに入り込んだウィルス自体(あるいは細胞)をやっつける治療法ではありません。 ですからモンタニエ(?)さんのいうように、既にウィルスに感染してしまった細胞をどうからだの中から排除するか、という命題の答えにはなりませんね。
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こんにちは。 RNAi(あるいはsiRNA)とHIVの話は最近専門誌にいくつか掲載されていますね。ウィルスを100%排除するまでは行かないようですが。英語が読める方でしたら、PubMedでsiRNAとHIVで引くといくつかあたりますよ。 しかし、ウィルスの産生のステップをいくら抑えたとしても、一度ゲノムに組み込まれたウィルスは、その細胞が死なない限り、あるいはその細胞を殺さない限り体から完全に排除することはできませんから、やっぱりかなり難しいでしょうね。
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ご回答ありがとうございます。モンタニエ博士の本(1997年)には、ウイルスの完全排除の課題は、リンパ球内に潜むウイルスにあるとされていました。しかし最近の研究で、RNA干渉法とプロテイントランスダクションという技術の活用で、リンパ球にウイルスの遺伝子配列をもった二本鎖RNAを送り込めるという話題を目にしたので、素人判断で根治療法の確立につながるのでは!?と思いました。実際はどうなんでしょうか?
- aguitar
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そういった研究を知っているわけではないのですが、多分一番大変なのは、どうやって薬剤を標的細胞に導入するかという事でしょう。 免疫療法や遺伝子治療などにも共通する事だと思いますが、特異的に働くことは可能でも、ウイルスの活動を十分弱らせるほどの量を投与することは大変難しいかと思います。
お礼
ご返答ありがとうございます。例え強力な薬で血液中のウイルスを完全に排除しても細胞内にウイルスが何十年も残り、投薬をやめたとたん複製を再開するそうです。ウイルス強し!ですね。
- aguitar
- ベストアンサー率28% (13/45)
多分HIVを完全に排除できないのは、HIVのゲノムが、細胞のゲノムに組み込まれてしまっているからだと思います。 ですから、ウイルスを完全に排除しようと思ったら、細胞のゲノム自体を切り貼りするか、もっと現実的にはHIVが感染した全ての細胞を破壊するしかありません。 体は実際ウイルスが潜伏している細胞を特異的に破壊できますが、これにはウイルス由来の遺伝子がある程度働いている必要があるのです。 息を殺して潜んでいるHIVウイルスを探し出すのはかなり難しいし、無意味です。 実は我々のゲノムには、どのみちウイルスやウイルスの断片がいっぱい入っているんです。だからウイルスゲノムをゲノムから排除しようと言うのは、結構ナンセンスなことかもしれません。 ですからこれからもウイルス粒子をターゲットにする研究が進められるでしょう。 感染するにはウイルス粒子になる必要があるので、感染は阻止できるでしょうから、そういう薬が出来れば、HIVはだんだんと撲滅されるでしょう。 現在HIVが細胞内でどういうことをしているのか研究が進められていますが、HIVは人やチンパンジーにしか感染しないので研究が難しいのです。 ですから現在HIVにかかる遺伝子組み換え動物を作る研究などが進められています。 これが成功すれば、2,30年以内に、HIVが天然痘のように撲滅されるかもしれませんね。
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ご回答ありがとうございます。HIVのほかにも、HSVの性質に関する本などを読むとウイルスの手ごわさ、賢さに驚きます。ところで最近話題のRNA干渉は根治療法とはなりえないのでしょうか?お時間があったら教えていただけるとうれしいです。
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まだ、人類が万病を癒す技を得るには、遠い道のりがあるということですね!丁寧に回答いただきありがとうございました。